世界が進むべき道 ~『ボブ・マーリー:ONE LOVE』を観てきた~
先日、『ボブ・マーリー:ONE LOVE』という映画を観てきました。
色々とネット上の感想を読んでるとかなり意見が分かれてる映画みたいだけど、自分としてはかなり良い映画だったし、観て良かったと思った。
僕は日本のレゲエが好きで普段から聴いていて、独自のワードの意味とか、
レゲエっていうのはどういう音楽なのか、ボブ・マーリーというのはどんな人物でどんなことをしたのかっていうことを何となくは知っていたから映画を楽しめたんだと思う。正直、レゲエも聴かないし予備知識全く無い状態で観に行ったら説明不足な点は多々あったのだと思う。
自分的にこの映画で一番心に残ったのは『ラスタの思想』
ラスタファリズムという思想があるのは知っていたし、レゲエとラスタが密接な関係にあることも過去に調べたことがあって何となく知っていた。
けれど、今回の映画で初めてラスタの人間がどんな考え方でどんな生き方をしていたのかを知ることが出来たと思う。レゲエを聴いてるとたまに出てくる『ジャー』や『ラスタファーライ』といった用語に対する解像度も自分の中で上がったと思う。
もちろん、そういう思想が生まれるまでに長く深い歴史があって、自分が知らないような凄惨な過去があったりたくさんの血が流れたりした末にこの思想が生まれたのだろうし、まだまだ理解度が浅いとは感じるけれど、
『ただレゲエでよく使われる用語を知ってる』から『その用語にはどういう意味があって、どういった表現で使われるのか理解する』という状態には、
ある程度なれたんじゃないかなと思う。これをきっかけにレゲエに対する理解度が上がっていくかもしれない。
今、世界各地で争いが起きてるし、現実でもネット上でも意味のない小競り合いが頻発してる。現代の人は知識は豊かだけど心が貧しい人が多いと感じてしまう世の中になってる。ラスタの言葉の中に『ザイオン』と『バビロン』という言葉があった。ザイオンは天国や目指すべき場所(ラスタの中ではアフリカ)という意味で、バビロンは腐った政治や世の中、抑圧するシステムという意味がある。ラスタの思想では、このバビロンに抵抗し、抜け出し、ザイオンにたどり着くことが望まれているらしい。
これは万人に共通して言えることじゃないのかと思う。腐ったシステムや汚い人からの抑圧からは誰だって抜け出したいし、自分の望み通りの姿になりたいとみんな思っているはず。
なのに、今は情報も人も増えすぎて、何が自分にとってのバビロンで、自分はどんなザイオンを望んでいてそこにたどり着くには一体どうすればいいのか、誰も何にも分からない状態になってしまっていると思う。そこまで真剣に考えていなくても、無意識のうちに情報と感情に踊らされて混乱してしまっている人も多くいるんじゃないかな。
それなのに、対立だけはみんなしたがる。どんな些細なことでも自分がどうなりたいか分かってもいないのに対立だけはする。そんな世界に住み続けなきゃいけないなんて、そりゃ誰も幸せにはなれないだろう。
映画でのボブは自由に見えた。色んな苦悩もあったけど、芯はブレずに最後は音楽の力でジャマイカを平和に導いた。
映画のキャッチコピーにもある通り、今この時代に再びボブのような男が
求められてるのかもしれない。
知識と声の大きさだけ一人前で文句言って行動しない人間ばっかりで対立が止まない世界を誰かに変えて欲しいと思う。
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