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【レビュー】予告編だけで判断しちゃダメだと痛烈に感じたガチ系西洋歴史映画(の感想)


なぜかお声をかけて頂いた特別試写


どこでどう噂が流れているのか知らないんですが、今年に入って外部からのお問い合わせがぽこちゃかきておりまして謎の首傾げ。なにか自分やらかしました?ってぐらいの首傾げ。いや、有難い限りなのですが。

そのうちのひとつが、「とある映画の試写会」へのお誘い。配給会社のご担当の方から問い合わせフォーム経由でお話を頂きまして、都合をつけて都内某所までお伺いしました。

試写会場でメールを頂いたご担当の方にご挨拶してちょっとだけお話をしたり。どうも昨年自分がヒャッハーしながら書き込んだこちらの投稿を見て声をかけて頂いたみたいです。

キャサリン・パー。ヘンリー8世の最後の王妃であり、その後のさまざまな政治・文化改革の推進を行った強き女性。のちのエリザベス1世の継母(ざっくり意訳)。

ぶっちゃけ、舞台となるテューダー朝は中世末期~ルネサンス期に入るあたりの時代なので、他の中世の時代に比べると知識レベルは一般的なものしかもっていません。食文化もこの頃はだいぶ変わっておりますしね。
ただ、個人的にめっちゃ興味があるのが「服飾系」。それまでの中世の時期とは明らかに異なるデザインと装飾文化の向上が一目瞭然なのでございます。
実際、英語版のレビューを拝見したり海外のヒストリカル系衣装研究家のご意見を拝見する限りでは衣装系に関しては大変評価が高くなっています。そこに期待もしてたんですよね。もち予告編もステキだし。

試写会(始まる前編)

一般向けの試写会よりも早いプレス(マスコミ)向け特別試写会というだけあって、一緒に観た方は映画業界寄りの関係者の方ばかりでした(ゆーても
10人いるかいないか)。分かる限りでは女性は自分だけという完全アウェイ的位置。いや、自分いていいんか?ってドキドキだったんですけど(汗)。

上映時間は休憩なしの120分。事前にお手洗い行った方がよかったかな?とも思ってたんですが、よっぽど直前にコーヒー一気のみしない限りは大丈夫な範囲だと思います。

予告編はすでに動画サイトなどでアップされているので、気になる方はぜひ一度ご覧頂ければ。

試写会(実際見た編)

長ったらしく書くのもアレなので、まずは箇条書きでの感想を。

・予告編で満足してはいかん!本編見ればその理由が分かる!(机バーン)
・衣装の数・デザイン・着こなしがめんたまかっぽじっても凄すぎる
・王と王妃の言葉を発しない命の駆け引きと緊張感がガンガン伝わる
・中流階級の人々の存在感ハンパない
・中世西洋~近世西洋好きな人だったら大方受け入れられる内容
・イヌは偉大(???)

噂通り「衣装」がすごかった

序盤の重要な場面。ポケットにつっこんでいる「ブツ」がのちのちの鍵になるんですが、その正体と理由は本編見て下さい(しゃべりたいがお口はチャック)

海外の歴史系服飾家の方々がこぞって口にしている「衣装再現度のレベルが高い」という噂、本編拝見してなるほどー、と感じました。とにかく「何着お着替えしました?」ってぐらいの衣装の数よコレ。特別コスチューム賞を受賞するのも文句ないと思いました。

右側の女性は主人公キャサリン・パーの古い友人なんですが、中流階級の服を着ていると思われます。テューダー朝って、服飾のデザインに大きな特徴があるのでどーしても上流階級の方に目がいってしまいがちなんですが、それ以外の階級の服装ってなかなか見る機会がないんですよね。頭を覆うフードや上着などのデザイン、使っている色などにもぜひ注目して頂きたい次第。

煌びやかな装飾品

テューダー朝の衣装系の中でもっぱら目立つこの頭飾り。あしらっている宝石群がすごく精巧なのが目を引きます。あとこれも海外の服飾専門家の方に教えて頂いたんですが、この映画では「あご紐」があるんです。これは実際に残っている彼女の肖像画をよぉーーーーく見ると、あご紐がちゃんとあるんですよね(下記事の肖像画参照)。

他にも本編ではさまざまなシチュエーションにあったご衣裳が登場するので、余裕があればそのあたりもご覧頂きたいなと思いました。

どこを切り取っても「絵」になる(物理)

このまんま肖像画にしてもいいぐらいの場面は本編ではいくらでもあります(真顔)

撮り方のうまさもあるかもしれないんですが、映像美たるものはこういうことをいうのかなー?というぐらい美麗です。どこを切り取っても木枠をはめて「絵」にしたいぐらい。各登場人物たちの衣装の色のバランスもそう思える理由のひとつかもしれないです。

試写会(終わった後編)

なんか気分がすがすがしく感じました(?)。
夫婦といえども、一人の人間としての生きるか死ぬかの駆け引きって、こうも緊張感に満ちているんだと痛烈に思いました。自分もそうですが、たぶん今の人たちがこんな環境下におかれたら早い段階で発狂して終わりそうなぐらい、忍耐がモノをいう時代なんだなー、と改めて感じた次第です。
あとお子様はいつの時代でもハッキリものを言いますね(苦笑)。

結論

映画は観る人によりけりなのであくまでも個人的な意見ですが、少なくとも自分はとても満足のいく内容でした。当時の文化考察もきちんと映像として撮られているし、西洋、とかく中世以降の時代が好きな方にはいろんな面で受け入れやすい作品なんじゃないかと思います。
実際、自分もそう詳しくない時代なのでついていけるかなー?とも思ってたんですが、全然そんなことはなく。

予告編だけを見ていると「おぉー」って感じなんですが、本編は想像以上のストーリー展開になっています。本編拝見してからあたらめて予告編見たんですが、いやもう繋げ方がうまいっすね!って感じでした。
公開日がくしくも2/14のバレンタインデーというのもしゅげーって感じなんですが(;'∀')、ご興味があればぜひ足を運んでほしいなー、という作品でございました。

上映場所などは下記の公式サイトをご参照下さい。一般上映始まったらまた行こうかと思います。衣装の数を数えにとか(?)。

※この場を借りまして、お声がけ頂きました配給会社のロングライド様に御礼申し上げます。
※記事内で使用した画像は事前に使用許可を頂いております。

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