モヤ指数3/10:「シングルマザー」というラベリング
わたくしは、一応3歳の娘と二人で暮らしているということで、分類的には「シングルマザー」と呼ばれるかのと思いますが、その言葉、そのラベリングについてモヤっとしたことが数回ありまして、深読みして見ようと思い立ちました。友人にちょびっと愚痴ったら止まらなくなり、毒がどんどん出てきてしまったので、一応自分の考えを整理することに意味があるかと思ったことがきっかけです。
まずは、モヤッたシチュエーション、2つほどご紹介いたします。
1,友人数人を家に招いてお寿司パーティをした際のことです。夏でした。ロンドンでも、一応夏は暑いです。その時体重が増加しておりましたわたくしは、食事の準備で忙しいさなかに、心地よく着こなせる夏らしい洋服を見つけられず、長袖のスウェットを着て友人をお迎えしました。メンバーは、年齢50代のイギリス人のおっさんAさん(離婚歴あり、成人した息子あり、自営業のお金持ち)、年齢40代の長年のアメリカ人の友人女性Bさん(離婚歴あり、子どもなし)、そのアメリカ人女性のイギリス人パートナー男性50代Cさん(婚姻歴なし、自営業のお金持ち)。この3名が私と娘の住む家に遊びに来てくれました。
このモヤ解説に関係性があるかと思い、婚姻歴や子どもの有無を記載しました。お金持ち、と書いたのは、要は皆様素敵な夏らしい格好で我が家に起こしくださったということです。私の私見ですが、この国の男性で服に気を使うというか、非常に小綺麗にされていて、季節に合わせたファッションを楽しんでいる方は大抵裕福かな、と思います。
まず我が家に到着したAさん、長袖姿のわたくしを見て、「あつくないかい?!」と。
あちーよ。すげーあちーよ。でも色々すんげー準備して、服選ぶ暇とかないわけ。なんなら今朝子どもをロンドンの動物園(遠い)につれてってその近くの魚屋で刺し身ピックアップして来てるわけ。涼しい服もあるけど(なんなら服すげー持ってる)、デブってはいんねーのよ、みたいなことをそこまで下品にならずにお伝えしました。そういった会話もできる親しい仲の友人です。
そしてB,Cさんも(大分)遅れて到着し、お寿司を食べつつ、シャンパンやワインを飲みつつ、おしゃべりをしていたら、AさんがBさんに向かって「見て、彼女(わたくしのこと)スウェットきてるよ!」と。
Aさんの真意としては、暑いのに!半袖着ればいいのにね、くらいでしょうか。
Bさんは、「ちょっと、彼女はシングルマザーよ」と。
Bさんの真意としては、Aさんが私の格好にたいしてあまりに部屋着感溢れとるだろ、とちょいとディスったと思い、ここは女性の友人同士果敢にディフェンスを、と思って「おい、彼女の忙しい状況も考えてやれよ」と反撃をしてくれた感じでしょうか。
わたくしは何も言わずに手巻き寿司を巻いておりました。ちなみに、Cさんはソファで娘をあやしてくれていました。あとから聞くと会話の内容が若干私に対して失礼だと感じ、参加はせず、少し困惑しながらも子どもに聞かせないようにと気を使ってくれていたようです。いい人でなんか泣けるやん。
2,日本人ママ友(旦那様はイギリス人)とのおしゃべりをしていた際のことです。
子ども同士がとても仲が良く、月齢も近く、異国で暮らす日本人の母同士、励まし合い、惜しげもなく情報や知識を共有しあう仲の大変大事なママ友です。「最近、職場でシンママになった人がいるんですよ。夫の同じチームの方も、最近一人なったんですよ」と。
また別日に、同じ方からの発言。「シングルマザーの家庭で育った子は、頑張っている、苦労しているお母さんの姿を見て、お母さんを傷つけたくない、と思って優秀になる子が多いって本で読みましたよ」。
ここでこの2つのシチュエーションの共通点をまず。
発言は、私の親しい友人によるものだということ。ふたりとも、常に親切で思いやりのある友人であり、非常に大切な存在です。要は、私を見下したり、傷つけようとする意図がないことは明らかであり、十分に理解している、ということです。
そして、「シングルマザー」という言葉が出てきた際、それに関連する話がある程度その前にあったということ。要は、急になんの脈略もなくなされた発言ではないということです。
これらの点を踏まえても、なんとなくモヤッとしてしまったわけです。
その理由を考えてみました。
理由A:シングルマザーという言葉が持つネガティブな印象。本人のあらゆる苦労だけではなく、子どもが感じるかもしれない寂しさやコンプレックス、社会問題と形容できるレベルの「問題あり」感がある。
理由B:なぜだかシングルマザー、シングルファザーというラベリングだけはカジュアルに発して良いという風潮。「既婚の小太り男性」、「未婚の中肉中背、東南アジア系女性」、「一応既婚だけど調停中のあなた」というようなラベリングを本人に向かってしないのはマナーだけれども、「シンママ」とはさらっと言っていいんじゃね?(仲いいし色々話してるし)みたいな。
結論です。普通にラベリングはヤメレ。
なんなら、友達だったら本人の前だけじゃなくてもヤメテヤレ。
このモヤ経験を思い返して自分に言い聞かせる言葉は、
I may be so many things, but not miserable.
(私は様々な言葉で形容できる人間でしょうが、惨めではありません)
です。
この「シングルマザー」ラベリングのモヤ、昇華しますように。