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他人事じゃないのよ トラブルは
次男が中3のとき。
クラスメイトに殴られた。
普通に生活をしているつもりでも、
何がきっかけでトラブルに巻き込まれるかわからず、
自分や家族は大丈夫とは言いきれない。
他人事ではないのだと思った出来事だった。
1回目は、二学期の校内合唱コンクール。
公共施設のホールの観客席で他クラスの合唱を鑑賞中、同じクラスのCくんはウトウトしていて、担任から注意をされた。
観客席で、Cくんと同じ列の2つ隣りに次男は座っていた。Cくんがトイレに行くと立ち上がったときに、次男は座席の下に置いていたリュックから水筒を出そうとしていて、たまたまの通路を塞ぐ形になってしまったそうだ。
すると、Cくんは左手で次男の顔を上げさせ、
右手で次男の胸にパンチを食らわしたのだ。
次男は痛みで声が出せなかったと。
恐らくCくんは、担任に注意をされたイライラを次男にぶつけたんじゃないかと言っていた。
普段からもCくんは親に塾に行かされていることなどの不満を口にしていて、受験があるからかイライラしているみたいだと次男は言っていた。
1回目のときは、それを見ていたクラスメイトがたくさんいて、中には注意してくれた子がいたということで、次男は担任に言いたくないというので、ひとまず見守ることにした。
2回目は教室。
その時も提出物のことでCくんは担任に注意をされ、キレてプリントをビリビリに破いた後、ズカズカと次男のほうに歩いてきて次男の二の腕を殴った。
そのとき次男は他の3人の友達と一緒にいたが、
Cくんは次男だけを殴ったのだ。
これでCくんが、明らかに次男を選んで殴っているのだと私は確信した。
そして、いずれも担任に注意をされて面白くないということの八つ当たりだということも。
2度めがあったということは、3度めがある可能性が高いから言ったほうがいいと、私は次男に担任に報告するように話した。
Cくんは息子とはだいぶ違うタイプの男子だった。
Cくんがスポーツをやっていて活発な子なのに対して、次男は当時小柄で大人しく人見知り。同じクラスと言えどそんなに接点は無かった。
2日後、仕事中に中学校から電話がかかってきた。
次男が担任に報告したと聞いていたので、その話のことかと予想して電話に出たが、用件は受験絡みの書類についての確認だった。
最後に担任のほうから、殴られた話に触れるかと思ったがそのまま電話が終わりそうになったので、私からその話に触れると、担任は「次男くんから話を聞いたばかりなので、Cくんにも確認しているところです」とのこと。
私は担任に「対応中であるにしても、ちょうどこちらにご連絡をいただく機会があったのであれば、先生のほうから切り出してその経過をお聞きしたかったです」と静かに言った。
私は親として心底腹が立っていた。
あくまでも次男からの一方の話しか聞いていないが、決めつけてはいけないことは理解した上で、殴られた前後の状況からして、次男に原因があると思えなかったからだ。
帰宅して次男に、担任から電話があったことを伝え、Cくんと話すことになったら「どうして自分を殴ったのか」を聞いてみてごらんと言った。
後日、仕事中に担任から電話があった。
今度は初めからCくんの話だった。
担任が女性だったからか、男性の学年主任も交えて
Cくんと次男で話をしたという結果報告だった。
その場で次男は「なぜ自分だったのか?」をCくんに尋ね、Cくんは「誰にも言わなそうだったから」と答えたことを聞いた。
学校側として「何もしていない次男くんに、暴力を振るうのは違うよね?」という話をして、その場でCくんは次男に謝ったとのこと。
次男はそれを聞いて「二度としないで」と言ったこと。
今後は休み時間も、誰か教師がいるようにして引き続き様子を見るようにするということ。
Cくんがやったことは暴力で、しかも2度めということでCくんの母親も学校に呼び出して、話をしたことを聞いた。
!?
親の呼び出しまでは想定していなかったので、少々驚いたが、学校の対応には感謝を伝えた。
帰宅してから、次男に担任から報告があった話をした。
次男からも状況を聞くと、学年主任の先生から「気付いてあげられなくてごめんな」と言われたという話を、ホッとしたような顔でしていた。
これで次男が嫌な思いをせずに、卒業を迎えられることに安堵した。
その後、卒業式含め保護者が学校に行く機会があったが、Cくんの親御さんとは一度も会わなかった。
もし親御さんに出くわしてしまったときに、どんな反応をされるのか、それに対して自分はどう対応できるのかあれこれ事前に考えていたが徒労に終わった。
ただ、面識のあるCくんのお母さんが、学校から呼び出されたときに何と言っていたのか、我が家に対して何と言っていたのかというより、同じ母親という立場においてどう反応するのかという点で興味があった。
それを聞きそびれたことに、少し悔いが残っている。
当の次男は、現在は高校で楽しくやっている。
私が暇潰し的に買った心理学の本を読んだ次男は「なるほど」と思ったらしく、対人関係や自分の気持ちの納め方に活かしているらしい。
結局、このトラブルで非もないのに痛い思いをした次男が、一番大人な気がしてならない。
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★2025.2.23追記
タイトルを読んで「飾りじゃないのよ 涙は」を思い出された方、さすがです。笑
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