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酒とバラの日々
夫婦ともに酒が好きだ。妻はタカラのプレミアム缶チューハイしか飲まない。私は焼酎のホッピー割りと缶チューハイ、たまにワイン、ごくたまに日本酒とウイスキーも飲む。飲まない日といえば健康診断の前日か体調がすこぶる悪い時くらい・・・だった。
変化があったのは2020年6月ごろだ。何だかすごく胃が痛い日々が続いた。オエッという変なゲップを何度も繰り返し、妻に奇妙がられた。病院に行くと、胃カメラを飲むことになった。
結果、見つかったのは逆流性食道炎と胃潰瘍の痕跡だった。コロナ禍での仕事のストレスが祟ったのか。酒も関係はあるだろう。幸いだったのが、胃カメラを飲む前日と当日はお酒を飲んではいけないことだ。つまり、強制的な休肝日の連続である。これを機に、自分の体のために休肝日を習慣化することを決めた。
週2回は取りたい。ただ、金土日の週末は飲みたい。となると月曜日は休肝日として最適だ。あと1日取るとすると2日空けて木曜日とするのがバランスが良い。このようにして月曜日と木曜日が休肝日として自分のカレンダーに刻まれた。
2020年は途中から休肝日の習慣を設けたが、結果、59日の休肝に成功した。そこで2021年は年間100日の目標を立てた。1年間は52週だから、週2日とれば、目標はクリアとなる。目標があると俄然やる気が出るタイプだ。2021年に入り、順調に休肝日数を稼いでいった。月によっては休肝日10日を達成したこともあった。9月末時点で82日。残り3ヶ月、1か月あたり6日取れば達成できる。週2回取らなくても達成可能。つまりボーナスが生まれている状況だ。
早めに達成して、12月は飲みまくろうなんてことも脳裏によぎるが、それでは本末転倒だ。そんなことをしたら、また1月から節制できるかという不安もある。
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アルコールに関する作品と言えば、映画「酒とバラの日々」が有名だ。酒に溺れ、転落していく夫婦を描いたもので、その主題歌はジャズのスタンダードナンバーとなっている。中嶋らもの小説「今夜、すべてのバーで」は作者自身のアル中闘病生活を下敷きにした小説で、症状の緻密な描写と人間臭さが滲み出る文体が心に残る。
「今夜、」の主人公のγGTPは1300という設定。私の場合、同値は30程度と極めて正常だ。親類にも酒が原因で命を奪われた人はいない。そんなことを考えると、大丈夫さ、とまたタガが外れたように酒を飲み始める可能性もある。でもそれはそれで良い。また必要と考えれば休肝日を習慣化すれば良いのだ。そもそも節酒は禁酒より難しいといわれている。
ちなみに妻は休肝日がなく、私の休肝日の夜はつまらなそうにしている。