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差別をなくすためにできること|MBH座談会 #002

 あらゆる差別の根絶を目指す学生団体Moving Beyond Hateのメンバーはどんなことを考え、どんな未来を思い描いているのか?#002の今回は、差別をなくしていくという難題に対する、ある1人のメンバーの、1つの答え、その背景にある強い思いが明らかになります。(編集:ピエール🦄)

・今回登場する人
トミー長谷川🦒 Moving Beyond Hate代表
あかとんぼ🦊 リサーチ担当メンバー
(司会:Han🐭)

 じつは# 001で今回へのフリがあった!?ということで、#002に入る前にちょっとだけ前回を振り返ってみましょう。

〜前回の座談会にて〜

あかとんぼ🦊
 その後、大学生として生活するなかで、差別問題に積極的に取り組む同世代の方々のことを知り、その人達と一緒に、社会問題を少しずつなくしていきたいと決意しました。また、私自身子どもと触れ合うことが好きで、実際にボランティア活動等に取り組んだ経験があるので、いつか子どもが差別問題に関心を持てる本を製作したいと考えています。

〜今回〜

Han🐭:メンバーが差別問題について現在関心を持っていることを教えてください。

長谷川🦒
 さっきのあかとんぼさんの話に戻るんですけど、差別について考えることができる子ども向けの教材とかすごく大事だと思う。でも日本だと、なんかそういう問題について学べるような子供向けの教材っていうのがほとんどないですよね。有名なやつだとはだしのゲンぐらいじゃないかな。戦前に在日コリアンの朴さんへの差別にゲンたちが反対するシーンがいくつもありますよね。

長谷川🦒
 あかとんぼ🦊さん、他にも日本語で差別問題を取り上げてる、教材として使えるようなものとかってありますか?

あかとんぼ🦊
 私の手元に、差別や自殺問題を扱った児童書があるので、それを紹介させて下さい。いじめられっ子が主人公の物語ですが、「男のくせに手芸が好きなんて女みたいだ」と言われながらも、その子が自身と似た境遇の仲間と出会い皆で学校の自殺問題に立ち向かっていく展開がとてもドラマチックです。内容が良いだけでなく、著者がマイノリティの学生に伝えたいメッセージもきちんと書かれており、教材や心のお守りとして使えると思います。

あかとんぼ🦊
 偏見を生み出す言葉がいじめの原因になる。いじめが深刻化すると、その被害者が自殺への道を進んでしまう。この連鎖を止めるために奮闘する主人公を応援し、共感することで人権問題を学べる要素が、児童書の長所だと感じます。

長谷川🦒
 それで言うと、日本で有名なのはブレイディーみかこさんの本ですよね。『僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ってやつ。僕は読んでないんですけど、イギリスの小学校で行われてる人権教育など、海外では普通のことが書いてますよね。それを読む日本の人は結構衝撃受けることが多いらしいです。

あかとんぼ🦊
 そうですよね。やっぱり教育がマイノリティーの方々への理解につながっているのかな。

Han🐭:ちなみに、具体的にこういう本を作りたいとかってありますか?

あかとんぼ🦊
 様々な国籍の子供達の絵を集めて、絵本を作りたいです。これは日本国際ボランティアセンター(JVC)主催の「南北コリアと日本のともだち展」を見て思いついたのですが、絵と一緒に子供達のバックグラウンドが理解できる紹介文も添えて、物語風に仕上げたいな〜…などと色々構想を練っています。
 子供達の意思や願いを知ることは、苦境に立たされた人々を励ますだけでなく、差別に無関心な大人の言動を抑制するために必要だと感じます。

Han🐭:ちょっと難しい質問ですけれど、Moving Beyond Hateでの活動とその本の実現をどうつなげられると思いますか?

あかとんぼ🦊
 身近な差別をどんな方法を用いて減らせるかを、団体の活動をするなかで見出し、その経験を元に本の作成をしようと考えています。

 最近大学の授業で、海外の若者がどんな差別問題に取り組んでいるかを取り上げ、発表する機会がありました。しかし同級生から「差別があるのはわかるけれど、自分が被害を受けてる訳ではないから、身近な問題とは思えない。」という意見が出て、話し合いの場で共有する難しさを感じました。そのため同世代の人にとっても、実際に反差別の行動をするのは非常にハードルが高いのだと納得しました。
 ですが私はMoving Beyond Hateに入ったことで、社会的な活動に取り組みやすい状況を作れたと思っていますし、この環境を最大限に活かしていくのが課題だと考えてます。
 先日行われたフラワーデモへの参加など、自分に出来る活動を通して得たことを土台として、間違っていることに抗議の意思を示す大切さを次世代に託すために、本というツールを使っていきたいです。

 →#002の今回は、# 001の内容をより深くご紹介することができたのではないでしょうか。差別をなくすために何ができるだろう?という問いに対するひとつの考えが出たところで、次回の座談会では反差別運動について!?そして、Moving Beyond Hateとしてやっていきたいことについて#001登場のメンバーを交えつつお話ししていきます!

(画像:Pixabay

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