映画感想文「ブレット・トレイン」 これはこれであり
配信で「ブレット・トレイン」を鑑賞しました。
感想を書いてみようと思います。
日本を舞台にした、伊坂幸太郎氏原作(「マリア・ビートル」)の、ブラッド・ピットさん主演の映画です。
ひとことで言うと、「思ってたより」面白かったです。
はっきり言って深みのある映画では全くないけど、「ハリウッドエンタメ」として、これはこれでありかなと。
個人的な意見ですが、何でもかんでも深みがあればいいとは思わない。
昔の渋いモノクロ映画だったり、ミニシアター上映のマイナーな映画も観るけど、いわゆる「ハリウッドエンタメ」映画を楽しみたいときもある。
もうその時の気分次第。
自分だって、そんな深みのある人間でもないですしね。
この「ブレット・トレイン」は確かにツッコミどころはたくさんある。
主人公含め、殺し屋たちが乗り込む新幹線の名前は「ゆかり」。。。
夜に東京を出て京都に早朝に着く速度設定も謎。
いわゆる外国人が日本に対して持っている「イメージジャパン」の世界観。(京都を終点にしたのも京都が日本ぽいからでしょうね)
日本に住んでいる者からすると、「いやいや、そんなんちゃうで」って思っちゃう。
でもまあ映画って現実のものしか映しちゃいけないわけではないので、フィクションジャパンでもいいかなと。
この映画のいいところというか、伊坂氏の小説のいいところ(熱心な読者ではありませんが)って、仕掛けが施された先読みできないストーリー展開ですよね。
それは十分に味わえます。
殺し屋たちが走っている新幹線(?)に乗り込み、車内でいろいろ悶着を繰り広げるっていう設定は普通に面白い。
で、新幹線車内で銃をぶっ放すわけにはいかないので、車内での格闘では銃を撃つのは少なめ(まああるにはあるのだけど)。
そういう意味で、接近戦のアクションもひとひねり工夫されていました。
刀での格闘シーンもまあまああって、正直この令和に日本の人だって刀振り回すわけじゃないけど、旅先でご当地の美味しいものを食べたいと思うように、日本が舞台なら刀使いたいよねって気持ちは分からなくはない。
旅先根性(ご当地のものを詰め込む)ってありますよね。
ラストももう無茶苦茶というか。。。
逆に日本人監督が作っていたらいろいろ気にして、こう無茶苦茶にはできなかったんじゃないかな。
なので、ツッコミどころはたくさんあるけど、自分はそれなりに楽しんじゃいました。
真田広之さんが出演されてたのは嬉しかったし、ブラッド・ピットさんはほんと格好いい。
最初は脱力した中年の感じが良いのだけど、最後白Tシャツ一枚になっても様になる。
なんなんだ、この振り幅。かっこよ。
日本の小説も面白いのはたくさんあると思うので、(たとえ設定がもろもろ置き換えられたとしても)ハリウッドでどんどん映画化されたら嬉しいですよね。
「オール・ユー・ニード・イズ・キル」も面白かったもんなあ。
総合評価 ☆☆☆
☆☆☆☆☆→すごい。うなっちゃう!世界を見る目がちょっと変わる。
☆☆☆☆ →面白い。センス・好みが合う。
☆☆☆ →まあまあ。
☆☆ →う~ん、ちょっと。。。
☆ →ガーン!