味つけで感想!映画「リコリス・ピザ」
現在公開中の「リコリス・ピザ」を映画館で鑑賞しました。
で、タイトルにある通り、今日は味つけで感想を書いてみようと思います。(ネタバレしない程度に)
まず断っておくと「リコリス・ピザ」はピザの話じゃないし、ピザ屋さんの話でもありません。
自分もタイトルの意味が分からなかったので、ネット(ウィキペディア)で調べたところ、アメリカはカリフォルニアのレコードチェーンの名前らしいです。
でもレコードの話もこれっぽっちもない。。。
じゃあどんな話?ってなりますよね。
ということで、簡単な情報をどうぞ。
情報
監督 ポール・トーマス・アンダーソン
アメリカ
主演 アラナ・ハイム
クーパー・ホフマン
あらすじ
1970年代、ハリウッド近郊のサンフェルナンド・バレー。
高校生のゲイリー(クーパー・ホフマン)は、子役としても活動中。
ある日、写真撮影のために高校にやってきたカメラアシスタントのアラナ・ケイン(アラナ・ハイム)に一目惚れします。
15歳と25歳の出会い。2人のつかず離れずの関係が始まるが…。
甘酸っぱくは、ない
まあひとことでどんな映画かといえば、若い男女の青春恋愛ものです。
よく恋愛の表現で「甘酸っぱい」というものがありますが、この映画が「甘酸っぱい」かと問われれば、ちょっと違うかなあ、という気がします。
主人公の男が年上の女性に一目ぼれして「運命の人に出会った」とか言っちゃって、それに対して女性の方もまんざらでもない、というところから関係が始まるので、「甘さ」は確実にあります。
ただ酸っぱいというか、「切なさ」ですよね。切ない感じはなかったです。だから甘酸っぱくない。
1970年代を舞台にしているのでファッションとか懐かしい雰囲気はあるのですが、「共感を呼び起こす誰にでもある恋愛」といった感じではありません。
主人公の男は15歳だけど、ショービジネスをかじってるから実年齢より大人びていて、日本だと大学生ぐらいの感じ。
だから「15歳の恋」っていう胸キュン感はなかったなあ。
甘辛くも、ない
じゃあ次は「甘辛い」かと問われれば、そうでもないんだよなあ。
まあ恋愛を甘辛いとはあんまり言わないけど、それを承知で、映画全体に「甘辛い」というほどのパンチがないんですよね。
主役の男女はつかず離れずって感じで、それなりに紆余曲折を辿っていくんですが、監督の作家性なんでしょうね、玄人好みの紆余曲折なので、「おほほほ、そうなんだあ」って感じです。
脇役のおじさんたちの癖は強いけど、主演2人は映画出演が初めてということもあって、インパクトは強くなかったです。
ってことは、、、
じゃあ一体どういう味?ってことですよね。
ということで、個人の感想を言わせてもらうと、「甘じょっぱい」といったところでしょうか。
男と女の見栄の張り合いだったり主導権をどっちがとるかだったり、そんな感じのそこまできつくない応酬が続くので、「しょっぱい」というところが妥当かなと。
ボクシングでたとえればジャブの打ち合いで、ストレートのような強烈なものはないし、カウンターパンチのような見せ場もない。
ただ、何度か主役の男女が走るシーンがあるんですが、そこは掛け値なく美しかったです。
速いわけじゃないし、フォームがきれいなわけでもないのに、美しい。
気持ちの躍動と身体の躍動が一致して、まさに「青春の輝き」。
やっぱり映画も味つけも、シンプルイズベストなのかなあ。
総合評価 ☆☆☆
☆☆☆☆☆→すごい。うなっちゃう!世界を見る目がちょっと変わる。
☆☆☆☆ →面白い。センス・好みが合う。
☆☆☆ →まあまあ。
☆☆ →う~ん、ちょっと。。。
☆ →ガーン!