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ホラーぽくないタイトルはいいのだけど…映画「ヘレディタリー/継承」

突然ですがクイズです。
下記タイトルのうち、ホラー映画はどれでしょう?

①朝が来る
②君の名前で僕を呼んで
③ヘレディタリー/継承
④猟奇的な彼女

なんてね。
まあ④は引っかけっぽいから選ばないとしても、映画に興味ない人なら、案外①とか②を選ぶかも。
(※①と②はホラーとは全然関係ありません。④は先週観たけど、可愛らしいお話でした。ヒロインがキュート)


「ヘレディタリー/継承」のいいところ

2018年のホラー映画「ヘレディタリー/継承」を配信で鑑賞しました。

「ヘレディタリー/継承」はタイトルの雰囲気が、ひと昔前のヨーロッパの文芸ものっぽいというか、ホラー映画ぽくなくていいなと思いました。
タイトルフォントも明朝っぽくて、格調高い感じがいいです。

ホラー映画って良くも悪くもB級感が売りになるところあるけど、そうせずにチャレンジしているところが素晴らしい。
ホラーに格調があったってもちろんOKですよね。

映画の中身も、怪人なり大型動物なり地球外生命体が人を襲うものではなく、「ある家族がホラー要素により、じわじわ内部崩壊していく」っていうものなので、それも従来のホラー映画ぽくなくて、いいです。

あと、夜のシーンと昼のシーンのバランスが半々ぐらいでよかったです。暗いシーンばかりのホラー映画って、普通に見てて疲れますよね。

アリ・アスター監督の長編デビュー作。
「今までのホラー映画とは違うものを作ってやるぜ」っていう創作姿勢がそこかしこに感じられて、その気概は買います。
クリーチャーやスプラッターに頼らないぜ!っていうね。(まあ強烈なスプラッター描写もあります。でも多用はしていません)


自分はのれなかった。。。

ただなあ、上記で挙げたようにいいところはたくさんあるのだけど、自分はちょっとのれなかったんですよね。。。

う~ん、なんでだろうかと考えたんですけど、一番の理由はリズムというかテンポというか。
登場人物たちの精神性にフォーカスしてるといえば聞こえはいいけど、精神性を重視したホラー映画を作ることと、リズムが一定というかメリハリをつけないことは別だと思うので、そこは改善の余地ありと感じました。

2時間強の作品なのですが、ちょっと長いと感じました。105分~110分ぐらいでいけたんじゃないかなあ。

また主人公の母親はミニチュア模型作家で、オープニングとラストシーンはそのミニチュア模型を使ったメタ構造っぽい感じなのですが、それも必要かなあ。
メタ構造を使うなら、もっと思いっきりやった方がよかったんじゃないかなあ。
なんか小洒落た感じになっていて、もちろん小洒落たホラー映画もいいと思うのですが、使える要素は全部詰め込もうっといった未成熟な作為を感じてしまいました。

監督自身がどう思ってるか分からないけど、「21世紀最高のホラー映画」といううたい文句は当たらないと思う。
でも今後、そのうたい文句に値する作品を撮る可能性はあると思うので、頑張ってください。
頑張ってください、というのもどうだろう?
いや、いいところはたくさんあるんですけどね、自分には合わなかったというか、伸びしろに期待というか。

余計なお世話だけど、アリさんは一度ホラーじゃない映画を撮って、またホラーに戻ってきたら面白いかも。
そういうジャンルレスな感じでいいかも。

それにしても朝からホラー映画のことを考えるのって、おつですね。

最後に

夏ってホラー映画観たくなりますよね。
以下、簡単なあらすじです。

祖母の死をきっかけに、さまざまな恐怖に見舞われる一家を描いたホラー。祖母エレンが亡くなったグラハム家。過去のある出来事により、母に対して愛憎交じりの感情を持ってた娘のアニーも、夫、2人の子どもたちとともに淡々と葬儀を執り行った。祖母が亡くなった喪失感を乗り越えようとするグラハム家に奇妙な出来事が頻発。最悪な事態に陥った一家は修復不能なまでに崩壊してしまう…
映画.comより

総合評価 ☆☆

☆☆☆☆☆→すごい。うなっちゃう!世界を見る目がちょっと変わる。
☆☆☆☆ →面白い。センス・好みが合う。
☆☆☆  →まあまあ。
☆☆   →う~ん、ちょっと。。。
☆    →ガーン!

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