【映画】2023年後半で面白かったもの
いよいよ年末ですね。2023年も暮れようとしています。
というわけで、今年観た映画を振り返ってみようと思います。
とはいうものの、1~6月の前半に観た映画は7月に振り返ったので、今日は後半戦7~12月の作品です。
(↓↓↓前半戦の記事です。よかったら併せてどうぞ)
ふだん自分はこのnoteに映画感想文をぐじゃぐじゃと書いています。
で、生意気にも5段階で評価しています。
☆☆☆☆☆→すごい。うなっちゃう!世界を見る目がちょっと変わる。
☆☆☆☆ →面白い。センス・好みが合う。
☆☆☆ →まあまあ。
☆☆ →う~ん、ちょっと。。。
☆ →ガーン!
今日は後半に観た映画の中で、☆5と☆4の作品を紹介します。
年末年始の映画ライフの参考になれば幸いです。
※順番は観た順です。あと、今年公開作品のみではありません。
配信で観た過去作品も含まれます。ご了解ください。
☆5
AKIRA(1988年 大友克洋)
いまさら何を言ってるんだって感じですよね。。。
でも自分は初見でした。
このSFの世界観、絵のタッチ、物語の展開、全部好き。
金田の髪型も好き。ポップなトリップ感、最高でした。
SFファンとしては、アジア(日本含む)が舞台の作品がもっと増えて欲しいっすね。
福田村事件(2023年 森達也)
今年公開の作品に☆5をつけられたのは嬉しいです。
舞台は100年前の日本。9月1日の関東大震災の発生と共に、「朝鮮人が略奪や放火をした」という流言飛語が飛び交う。
そして9月6日、福田村(現在の千葉県野田市)に薬の行商に来ていた香川の被差別部落の一団が、村民たちに朝鮮人と疑われーーーー。
この作品をまさに9月に観たのですが、歴史と自分がシンクロしている感じがしました。
映画の中で起きてることは、今自分が生きている世界(時間)で起きてることと変わらないんじゃないか。
身体が震えた作品です。
以上、☆5は2作品でした。
☆4
シャイニング(1980年 スタンリー・キューブリック)
はい、キューブリック監督の有名なホラー映画。
ホラーだからもちろん怖いのだけど、自分はシナリオの出来がいいなと思いました。
無駄なシーンはなくて、伏線回収もしっかり行われてる。
驚かす怖さじゃなくて、語り口でじっとり怖い作品。
だからホラー+面白い。
クリーピー 偽りの殺人(2016年 黒沢清)
なんだかホラーっぽい作品が続くのですが、今作は話が二転三転して飽きずに観られました。
面白かった。黒沢清監督のファンてことも影響してるかもしれません。
結構いや~な話ですが、実は夫婦の愛を描いている作品でもあります。そのギャップも好き。
エドワード・ヤンの恋愛時代(1994年 エドワード・ヤン)
はい、名匠エドワード・ヤン作品。でも自分はヤン監督の作品は初めてでした。
話はあってないようなスケッチ風群像劇で、仕事帰りに観たこともあって「途中で寝るかも…」と思ったのですが、ヤン文体がしっかりありましたね。
それが身体に馴染んでからは集中して観られました。
何かを求めるように生き急ぐ現代人、そんな都会の若人を時にユーモラス・時に優しく描きます。
顔のあたりは暗いけど長台詞っていうシーンが結構あって、映画って目で見るだけじゃなくて、台詞のリズムなり響きなり耳で感じるものでもあるんだなと。
観ている間心地よい時間が流れてました。
怒り(2016年 李相日)
2時間半くらいある長尺の作品ですが、面白かった。
配信で観たのですが、映画館で観ればよかったと思いましたね。
お話の重量感と画面の高級感のバランス、ミステリーと社会問題のバランス、豪華俳優陣の演技のバランス。
とにかくもろもろバランスがいい。
李氏の演出がすみずみまでゆきとどいていて、その手腕は見事だと思いました。
アイの歌声を聴かせて(2021年 吉浦康裕)
この作品はアニメーションで、青春×AI(SF)×ミュージカルという、なんとも盛りだくさんの内容なのですが、自分はこの器の大きさに感服しました。
しかも「アニメでミュージカルといえばディズニー」というところに果敢に勝負。その志の高さにも脱帽。
いろんなものを寄せ集めて作っているのだけど、吉浦氏は自分の身体を通して再構築しているから、ちゃんとオリジナルのものになっている。
ツッコミどころはあるっちゃあるけど、自分はその表現の力強さに感動しました。
今後のフィルモグラフィが楽しみ。
エド・ウッド(1994年 ティム・バートン)
はい、この作品で最後。
「エド・ウッド」はもう大好きな作品で過去に何度も観ているのだけど、再度観てやっぱりよかった。
史上最低の映画監督と呼ばれた実在の人物の半生を描いた作品。
で、その癖のある監督を演じたジョニー・デップ最高。
デップさんのはまり役といえばスパロウ船長だけど、その演技の元になっているのは、このエド・ウッドだと思う。
かなり大胆に解釈すれば、エド・ウッドがなければスパロウ船長も生まれてない!
ま、それは言い過ぎかな。。。
とはいえ良作なのでおすすめです。デップファンじゃない方にもぜひ観て欲しい。
エドは史上最低と呼ばれながら映画への愛情は人一倍強かった。
他人からの評価より、自分が好きなものにいかに愛情を注げるか。
自分もそういうふうに人生を過ごしたいなと思いました。
以上、☆4は6作品でした。
***
少し総括すると、今夏話題になった「君たちはどう生きるか」は☆3.5。
つい先日観たカウリスマキ監督の新作「枯れ葉」も3.5。
他にも3.5の作品がいくつかありました。
映画賞を席巻している「月」とか、今敏作品とか。
映画が好きで書いてるんだし、中途半端だから繰り上げて☆4つにしちゃえばいいじゃん、という心の声が聞こえてくる一方、まあデジタル世界の端っこでこそこそ書いてるのだから何にも気兼ねすることなく書けばいいじゃん、という声もあり。
あくまでも小さな一個人の感想だから、その日の体調なんかによっても感想は変わってくるだろうし、でも人間だからそういうものを含めての感想だよなと思い、できるだけ正直に書くように努めました。
さて来年はどうなることやら。
今年お読みいただいた皆様、ありがとうございました。
よいお年をお迎えくださいませ。
◇おまけ