函館が舞台の映画2本「そこのみにて光輝く」「オーバー・フェンス」
配信で邦画2本「そこのみにて光輝く」「オーバー・フェンス」を鑑賞しました。
感想を書いてみようと思います。
なぜこの2本をチョイスしたかというと、GWに函館旅行にいって、函館づいてるから。
「まだ函館の余韻に浸っていたい。日常に戻りたくない(まあ戻ってるけど)」ということで、函館が舞台の映画を観よう!とあいなりました。
お付き合いいただけると幸いです。
※画像は函館旅行中の1枚。夕暮れの函館駅でございます。
ああ、この頃に戻りたい。。。
そこのみにて光輝く
その年の映画賞を多数獲った作品です。
キネマ旬報ベストテンでも第1位でしたね。
函館の街がたくさんフィーチャーされているかというと、そこまででもありません。
自分は1泊2日の王道コース旅行だったので、いわゆる「函館の表の顔」しか訪れてないのですけど、この映画は「日常の函館」といった感じ。
背景の遠くに函館山が映っていたり、路面電車がさりげなく走っていたり、海辺のシーンがあったり。
でも函館づている人間からすると、「函館山があれぐらいの大きさに見える場所か」とか「この波の感じは函館湾じゃなくて津軽海峡っぽいな」とか、ローカル描写にいちいち興奮しました。
路面電車の道から1本中に入るとこんな雰囲気なんだ、とかね。
映画を観る理由は人それぞれだけど、こういう見方があってもいいですよね。
お話としては、地方都市の苦しい生活の中で、訳アリ男と訳アリ女が出会い恋に落ちる話。トーンは暗め。
良くも悪くもひと昔前の邦画っぽい印象。
ただ上記のあらすじに名前が出ている方たちの演技がよくて、観ていて、何だろう、見守りたい気持ちになりました。
間違いなく重たい話なのだけど、タイトルにあるように、登場人物たちが光指す方向に向かって欲しいと願うような。
みんなやさぐれているように見えて、どこかピュアで真っすぐな気持ちを持ってるんですよね。
だから見守りたくなっちゃう。
人物の見せ方がとてもうまい映画だと思いました。
オーバー・フェンス
「そこのみにて~」と比べると、こちらの作品の方が函館っぽい街の描写が多かったかな。
函館湾フェリーあり、坂の風景あり、函館公園の遊園地あり、もちろん路面電車も走ってる。
こちらも中年訳アリ男がホステスに出会って恋に落ちるお話。
両作品ともに共通しているのは、主人公とヒロインが最初何げなく出会うのですが、そこでもう恋に落ちるのが分かる描写になっている。
特に女性の瞳が揺れ動くんですよね。
若干古風な描写とも言えなくもないけど、「ボーイ・ミーツ・ガール」を地方都市で中年がやってると思うと、ちょっと面白いかもしれない。
10代や20代の恋愛と違っていろいろ苦い経験もしてるから、恋愛に臆病になっている「ボーイ・ミーツ・ガール」ともいえるかもしれない。
でも異性に対しての「本当の自分を理解してくれるかもしれない。この人と出会って変われるかもしれない」期待というか、そういう甘いものがちゃんとある。(まあ中年だから性的なドロドロもあるのだけど)
むしろ中年だから諦めがある分、より期待が切実なのです。
両作とも佐藤泰志氏の小説が原作(未読)なので、佐藤氏の作風なのかもしれません。原作読んでみたいな。
主人公の白岩を演じたオダギリジョーさんのくたびれたポロシャツ姿が好き。
くたびれたポロシャツってなんかいいよなあ。
パリッとしたポロシャツも好きだけど。
うん?ただのポロシャツ好きってことか、これは。
たぶん、そうですね。。。
「ボーイ・ミーツ・ガール」もいいけど、地方都市を舞台にした中年の「ガール・ミーツ・ボーイ」も観たいっす。
函館って観光客も受け入れるし、訳アリ人も受け入れる。
知れば知るほど味が出る街ですね。
2作品とも総合評価 ☆☆☆
☆☆☆☆☆→すごい。うなっちゃう!世界を見る目がちょっと変わる。
☆☆☆☆ →面白い。センス・好みが合う。
☆☆☆ →まあまあ。
☆☆ →う~ん、ちょっと。。。
☆ →ガーン!