隔たる世界の2人
昨日、激ヤバ映画を見つけてしまいました……!
まあ、タイトルの通りなのですが、『隔たる世界の2人』です。先月のアカデミー賞では、短編実写映画賞を受賞していますし、注目の作品です。
アカデミー賞効果からか、最近また私の『ノマドランド』のnoteをたくさん読んでもらえているので、味をしめてこの作品も紹介していきます。
それは冗談ですが、贔屓目無しで心からお勧めしたい!
私が確認した時点ですが、Filmarksでの評価で『ノマドランド』が星3.9、『隔たる世界の2人』が星4.0となっています。作品賞の『ノマドランド』よりも高いんですよ。しかも作品の時間が32分と短い。見やすい。これはもう、Netflixに入っている方はぜひ見てください。騙されたと思って。在宅勤務中に見ても30分で見れるんで、サボりの罪悪感ゼロで見れちゃいます。
あらすじは、白人警察官に殺されてしまうタイムループに閉じ込められてしまった黒人男性の物語。タイムループを抜け出す方法はあるのか……!
アメリカで問題となっている黒人差別の社会問題を扱っています。人種差別という重い社会問題を題材とした映画ですが、タイムループやポップな笑える要素が劇中には散りばめられているので、重苦しくなく見れます。
しかし、30分の映画から発信される凝縮されたメッセージはとても重大で、2時間の長編映画に遜色なかったです。
私は、映画の内容をまったく知らずに見たので、ポップな始まりからラストの絶望感へのジェットコースターのような急降下に驚きました。一瞬の希望から奈落へと落とされる感じ……。ラストシーンは胸に刺さりました。カフェでスマホの画面で見ていたのですが、途中から険しすぎる顔でスマホを睨みつけていました。笑
日本で暮らしていると人種差別という問題は、実感しずらいですよね。私もそうですし、まさか自分が差別する側になるとは思ってもいませんでした(あ、酷いことしてないので、最後まで読んでください)。
3年前のちょうどこの日、5月7日。私はアメリカのソルトレイクシティでの9ヶ月の留学生活を終え、日本に帰る前にボストンへ一人旅していました。私の大ファンのNBAチームボストン・セルティックスの試合を本拠地で見るためです。
ボストンの中心地のホテルに泊まるとお金がかかるので、すこし外れの場所にAirbnbで一泊40$くらいで泊まれるアパートの一室を借りました。ボストン美術館まで徒歩で20分くらいの場所だったような気が(本場のボストン美術館はホントにおもしろかった)。
最寄り駅から宿までも歩いて20分くらいの場所。安かったので遠いなどという文句は言えませんね。ソルトレイクシティからボストンへ降り立った日、パンパンのスーツケースを引いて、宿の最寄り駅に到着しました。9ヶ月分の荷物と慣れない都市での電車移動に疲れ切っていました。
最寄り駅の回りは、ちょっとお高い成城石井的なスーパーもありキレイな美しい街でした。しかし、10、15分と歩くと少しずつ街並みが変わってきました。私の反対側の道路には、よくわからない怪しげな店とその前にたむろする黒人の若者たち。大声でなにか話しています。少しずつ街がさびれて、というか、キレイさが失われていきました。
いつもより警戒心を強めて歩きます。明らかに私が住んでいたソルトレイクシティとは空気が違う。安さに任せてアメリカに心を許してしまっていた1週間前の自分を呪いました。
時々すれ違うアメリカ人たちにびくびくしながらもようやく宿の前に辿り着きました。しかし、決められたチェックイン時間よりも早く着きすぎてしまったので、スーツケースを引きながら回りをウロウロしていました。
すると、急に40代ぐらいのガタイのいい黒人が話しかけてきました。正直クソビビりました。ソルトレイクシティのイカレたホームレスと喧嘩した私でもビビりました(その話はまたいつか)。
すると、「どうしたんだ。どこか探しているのか。」と聞かれました。私が、「旅行に来てるけど、宿の場所はわかっているから大丈夫です。」と恐る恐る答えると、「よかった。俺はそこの家に住んでるから困った時はいつでも訪ねてこい。」と優しく言ってくれました。すごくいい人でした。アツい握手も交わしたような…
黒人の人に話しかけられただけで、怖がってしまった。宿に入った後、一人になると、感謝の気持ちとすごく申し訳ない気持ちが湧いてきました。「黒人は怖い。野蛮だ。」なんてイメージを勝手に持ってしまっていたのかもしれません。
思い返してみると、ソルトレイクシティでは、白人やアジア系の人と関わることは多かったけど、黒人の人とはあまりしゃべったことがなかったです。語学学校の先生にもあまりいなかったですし。
この日以来、人を見た目や人種で判断するのはやめようと思いました。一人旅はトラブルなく終えることができました。
話が大幅に逸れましたが、『隔たる世界の2人』必見です。
隔たる世界の2人ではなく、一人の人間として見てほしい-Tupac
それではこのへんで。