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【インセプション】元の世界でまた会おう。
インセプション
アメリカ・イギリス / 2010年
監督:クリストファー・ノーラン
レオナルド・ディカプリオ
ジョセフ・ゴードン=レヴィット
渡辺謙
トム・ハーディ
エリオット・ペイジ
キリアン・マーフィー
マリオン・コティヤール
マイケル・ケイン
【お前の頭へ侵入する。】
他人の夢からアイデアを盗み出す企業スパイ・コブは、その才能から国際指名手配を受け、さらに妻の殺害容疑もかけられていた。そんなある日、サイトーと名乗る男が、彼に風変わりな依頼を持ちかける。それは、コブが得意とするアイデアの盗み出しではなく、ターゲットの潜在意識にアイデアを植えつける「インセプション」というものだった。
・選んだ理由、ネタバレなし感想
1月ギリギリにやっと新年初投稿...。アクション系を選ぼうとしたら迷っちゃってなかなか決まらず正月といえば初夢...夢で映画と言えば...って連想ゲーム的な感じで選びました。頭を使うけどアクションもあるし、夢の中に入り込むっていうSF要素もあるから面白い。見返したくなるし解釈を人と語りたくなる。
・こんな方にオススメ!
ちゃんと見ないと分からなくなるので集中して映画を楽しみたい時にオススメ!
⚠️以下、ネタバレ⚠️
・印象に残ったシーン、セリフ、キャラ
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「操縦席が上部で、ファーストクラスは人が通らない。全席貸し切り、客室係も買収しないと。」アーサー
「航空会社を買った。安上がりだろ。」サイトー
「10時間確保だな。」コブ
「コブ、死んでも約束は果たす。」サイトー
「ありがたいが約束を忘れてしまっては無理だ。虚無が現実世界となり、尽きぬ絶望の中で老いていく。」コブ
「後悔を抱えて?」サイトー
「孤独に死を待つ。」コブ
「いいや、私は戻る。
元の世界でまた会おう。」サイトー
渡辺謙さんが良かった。あれだけの海外俳優達に囲まれながらもかっこよさが負けない日本人はなかなかいない。サイトーっていうキャラ自体も、ただのお金持ちじゃなく傷みがあっても戦い続けたり、死んでも約束を守ろうとしたり侍みたいでかっこよかった。
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CGじゃなく実際にセットを使って撮影されたと知ってびっくりした!不可思議な夢の中を上手く表現しているし、上の層の出来事が影響しているのが面白かった。見てるだけで酔いそうだから中で演じる人はもっと酔いそう...。
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「殺しに来たのか。誰かを待っていた。」サイトー
「夢であった男か?」コブ
「コブか。そんなバカな。あの頃は若かった。もう老ぼれだ。」サイトー
「後悔を抱えて?」コブ
「孤独に死を待っている。」サイトー
「会いに来た。思い出して欲しくて。あの頃のあなたを。ここは現実じゃない。」コブ
「あの時の約束を果たせと言うのか?」サイトー
「信じて飛べばいい。戻ろう。若い姿でまた会おう。一緒に戻ろう。あの世界へ。」コブ
最後の揺れながらも回り続けるコマ(トーテム)が「あれ?もしかしてこれも夢?」と思わせて、何が夢か分からない映画の世界観を最後まで壊さず結末を観客に委ねるのがよかった。色々と考察する要素が多いけどキック前に流れる曲「水に流して(Non, je ne regrette rien)」がエンドクレジットで流れるのがまた考えを迷わせてきて...(笑)でも映画ストーリー自体アイディアを植え付ける(信じさせる)ことが目的だったし、ドムを信じられず死んだモルやドムを信じて先に戻ったアリアドネ、老いたサイトーを説得する時のやり取り、最後コマが止まったかを確認せず子供達の所へ行ったドムを見ると夢か現実かより信じることが大事なんだろうな。
・ネタバレあり感想
何が夢か現実かも、どっちが上か下かも、誰の夢なのかも、もう色々分からなくなる。普通の映画は横の時間軸(映画内の現在から結末まで)で進むけど、この映画は映画内のシーンであった無重力のように色んな方向に軸があって何が何だか分からないけどそれが面白い。
私は普段すごくリアルな怖い夢をよく見るし、夢から目が覚めたと思ったらまだ夢でさらにまた目が覚めた経験も、映画内でキックされて起きるようにビクッてなって起きた経験もあるからその不思議な感覚をそのまま映画にしていて本当にすごいと思った。