【ティム・バートンのコープスブライド】心臓が止まっても心は痛むのかね?
ティム・バートンの
コープスブライド
アメリカ・イギリス / 2005年
監督:ティム・バートン
監督:マイク・ジョンソン
ジョニー・デップ
ヘレナ・ボナム・カーター
エミリー・ワトソン
リチャード・E・グラント
クリストファー・リー
・ネタバレなし感想
今月はハロウィン映画を!と思っていましたが紹介したかったのがどれも私が今登録しているサブスクに無かったので、ハロウィン=霊や悪魔や魔女が死後の世界からやってくるため仮装して身を守る...ということから、幽霊と死者の世界が出てくるこの映画について書きます!
小学生の頃にDVDを買って何度も見たけど、ティム・バートンならではの独特なダークファンタジーの世界観も、凝ったストップモーション(コマ撮り)技法もすごくて大人になった今でも好きな映画。
・こんな方にオススメ!
本格ホラーは苦手だけどハロウィン気分を味わいたい方に!あとセットや小道具はもちろん、キャラクターの表情(まばたきや口の動き)も歩き方も人形を動かしているとは思えない出来なのでアニメをあまり見ない大人の方も細部に注目して見ると楽しめるかなと思います!
⚠️以下、ネタバレ含みます⚠️
・好きなシーン、セリフ、キャラ
生者の生きる世界は暗い色でそこで生きる人たちも暗く、政略結婚や身分で扱いの差があったり縛られて生きている、一方で死後の世界はカラフルで死者達は生き生きとして明るく自由。死者の方が自由で楽しそうなのが面白いし死者達のキャラも見た目も個性的で好き。
映画内で何度も流れる「Victor's Piano Solo」(曲名これでいいのかな?笑)この曲自体、綺麗で切ない感じが映画の雰囲気ともストーリーとも合っていて好きだけど、特にビクターとエミリーがこの曲を2人で弾きながら打ち解けるシーンが好き。
泣きながら死んでも胸が痛いと歌っていたエミリーに、元凶であるバーキス卿が言うのが残酷。その後した事のツケが回ってくるのはスッキリするけど、死んだ後も傷つけられるエミリーが可哀想。歌は吹き替えの訳の方がエミリーの気持ちが分かりやすくて好きなので吹き替え版歌詞を引用。歌声はどっちも好き!
愛した人に裏切られ殺された悲しい過去を持つエミリーがやっと愛する人と結ばれる瞬間に、後ろに隠れたビクトリアを見つけ自分と同じ思いはさせられないとビクターを止めるのが切ない。「ビクターと今度こそ幸せになって欲しかった...。」って気持ちと、自由になれたと言って蝶になって消えていく姿に「真実の愛を待ち続けることから解放されたから良かったのかな...。」って気持ちで揺れる。でもその切なく綺麗なラストがすごく好き。
全部すごいけどエミリーは特に軽やかでとても人形とは思えない動きだし、風になびくドレスも少しづつ動かして撮影するストップモーションアニメでは絶対難しいだろうなと思う。
・ネタバレあり感想
個人的にクスッとくるのが教会に入ろうとする死者たちに牧師様が「お前たちの世界に戻るのだ!ここは通さん!」って言うと「静かに。教会だぜ?」って返されちゃうシーン。「ロード・オブ・ザ・リング」の名シーンをオマージュしてるのかな?(笑)。声を演じてるのがクリストファー・リー(サルマン役)だから余計に思い出して、その差が面白い。
メイキングも見たことあるけど全てが一つ一つが細かく手間がかかっていてすごかった。手足が細長くバランスの悪い人形を骨組みやワイヤーで工夫して動かしたり、人形の頭の中に入れた機械を耳や頭からネジを回し表情を動かせるようにしたり、手間だけじゃなくたくさんの技術と発想であんな風に動いていたんだなーと感動した。
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