ほおずきさん三題噺 第十八回
お題「石、瞳、船」深い深い森の奥に湖があった。この湖には流れ込む川も流れ出る川もなく、時々降る雨と太陽光による蒸発で均衡が保たれていた。湖岸には葦が生い茂り、周囲から湖面を隠していた。
この澄み切った深い深い湖の底には青と緑だけの世界があった。未だかつてこの世界の果てまで行った者はなかった。魔蟹、ケンタウロス、獅子、牡牛、醜い小人たち、この醜い小人たちには牡牛の角があってその先の毒には龍をも倒す力があると言われた。彼らはみな青い色をしていた。そしてメドゥーサがこの世界にいた