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選挙結果振り返り(2023 9.10投票)

 「自民分裂」の市長選が2件行われた昨日の選挙。 それぞれ異なる結果が出ていますので是非チェックして下さい。
 そして、昨日の結果を見て「維新が苦戦してる!」“ぬか喜び” している方にも是非読んでいただきたい。 内実を見ると、そんな単純な話じゃないので。

 あっ、アト、「オレンジウォッチャー」の皆様も、ね♬




◎宮城県・角田市議会議員選挙(定数16/19人)

 現職14人、新人5人が立候補し、政党別では公明が1人、共産が2人立てた選挙は、現職1人、新人2人が落選し政党候補は当選しました。

 前回10位12位だった共産候補。 1人は71歳、もう1人は御年81歳
最年長(タイ)候補で高齢がマイナス材料になる心配が有りましたが、9位12位で当選。 順位が少し上がりました(獲得票は2人合わせて約90票減らしています)。 
 一方、公明は前回の2位から1位とランクアップ。 ただコチラも170票減りました。 投票率が約4ポイント下がったとはいえ両党とも強い固定票で支えられてるハズなので、やはり少しずつ支持者が(高齢化で)減っているのでしょうか。


◎山形県・山形市長選挙

 3期目を目指す現職に共産推薦の元県議が挑む一騎打ちは現職が3選を果たしました。

 結果は見えていた選挙ですが、前回も同じ構図(現職vs共産系新人)だったので現職に対する信任投票として機能した選挙。 結果、前回同様新人候補が約15%獲得し、現職の評価が明確に数値化されました。
 敢えて候補者を立てた共産にはリスペクトです。 候補者立てず尻尾まいて逃げ出した他党は反省していただきたい。


◎山形県・新庄市長選挙

 5選を目指す現職に物産協会前社長と元県議の新人2人が挑む戦いは、元県議の新人が初当選を果たしました。

 非自民系の知事がいる山形県で、自民が現職ではなく物産協会前社長の新人を推薦したコトで自民が分裂。 知事は元県議を応援するという構図が盛り上がったか、投票率が前回から約6ポイント上昇した結果、元県議が圧勝し非自民系の勝利。 分裂した2候補の票を足すと元県議を20票上回り、自民系支持者が「一本化できてれば・・・」後悔するという、自民分裂選挙の醍醐味が全て詰まった選挙となったのでした。

 取材したかったなぁ、、、 


◎茨城県・牛久市長選挙

 2期務めた現職が引退し、その次を狙って、自公推薦の元県議と、維新公認の翻訳家と、自民党牛久支部推薦の元内閣官房参事官補佐と、元県職員による4人の新人で争った選挙は自公推薦の元県議が元内閣官房参事官補佐を振り切り、初当選を果たしました。

 ここも自民分裂選挙となったのですが、先程紹介した新庄市長選よりは構図が緩く、まず元県職員の新人が一枚劣るのが明らかで実質3候補の争いと言われる中、自民分裂の合間を狙って関東圏での首長誕生を狙った維新でしたが、立てた候補が市長の器じゃなく「維新」のブランドで全身をコーディネートして何とか人前に立てるレベルの “ハリボテ候補” であるコトが牛久市民にバレたようで、思ったより票は伸びませんでした。 選挙戦最終日には国会議員に県議に市議に他自治体の議員にと、総動員で応援した成果は出ませんでした。

 ・・・と、言いたいトコですが、票が伸びなかったのは想定外かもしれませんが、きっと本気で市長を狙ってはいなかったのだろうと私は見ています。
 まず、もし本気ならば、あんな候補を立てないでしょうし、県議選牛久選挙区で(今回の市長選で当選した元県議を上回り)トップ当選した方を立てた方が勝てる確率は格段に上がったハズです(※ただし、もし擁立したら牛久市選出の県議がゼロになってしまいますが・・・)。
 だからこの選挙も、北関東における維新票を探る “データ取り” ではないかと私は見ており、そのミッションは(票が伸びないという結果でしたが)達成できたのでしょう。 だから「維新、市長選落選!」という見出しで喜んではイケないのです。

 そして、残る自民系2候補の争い。 自民党牛久支部は両候補に推薦を出していて、調べたところ前回の市長選でも一騎打ちとなった2人に推薦を出しており、とにかく「勝ち馬に乗りたい」主義のようで、そんな姿勢ならば情勢に影響は出ず、元県議が自公推薦をバックに抜きん出るだろうと見ていたのですが、元県議は約1,100票差という大接戦に持ち込まれ、やっとこさ勝ったように見えます。
 コレは単純に元県議より元内閣官房参事官補佐の方が “仕事が出来る” と市民には見えたのだろうと。 私も公開討論会の映像を見ましたがスピーチ能力の差は歴然でした。勿体ない気もしますが、恐らく空いた県議の補選に出て来るでしょう。 そこまでの “アフタープラン” を用意した上での出馬要請でしょうから。

 

◎神奈川県・松田町議会議員選挙(定数12/14人)

 現職8人、新人6人が立候補し、政党別では公明共産が1人ずつ立てた8年ぶりの選挙は現新1人ずつが落選。 政党候補は当選しました。

 結果、12議席中5人が新人となり顔ぶれがガラリと入れ替わるコトになりました。 ただ、女性議員が2人だけで、且つ1人除いて全員還暦以上っていうのが残念ではありますが・・・


◎岐阜県・関市長選挙

 3期務めた現職が引退を表明し、空いた椅子を巡り元副市長と経営コンサルタントの新人2名が争う12年ぶりの市長選は、元副市長が圧勝し初当選を果たしました。
 引退した現職がまだ51歳と若く2回にわたり対抗馬も出ず無投票当選するなど無双していたようなので、その現職の後継として立候補した元副市長が当選するのは市民にとっても自然な流れなのでしょう。

 それにしても、51歳の現職がこのまま政治から身を引くとは思えないので、“次” が気になって気になって仕方ない、、、


◎滋賀県・草津市議会議員選挙(定数24/32人)

 滋賀県で2番目に人口の多い草津市。 現職21人、新人11人が立候補し、政党別では自民、公明、国民民主、維新、共産が2人ずつ、参政が1人立てた選挙は現職2人、新人6人が落選し、自民、公明、国民民主、維新、共産の候補は当選しました。

 と、いうワケで、参政党落選です。

 定数が多い選挙で、神谷代表も応援に入った。 上記リンクで私が分類したトコロの「パターン①」で初の落選となりました。
 参政党が伸びていないコトを示す結果とも言えますが、それ以上に女性候補が9人も立候補(現3/新6)している中で女性候補を立ててしまい、公明共産から出ている女性現職は別にして、残り7人で票の喰い合いになったコトが大きな要因だと思われ、もしかしたら参政党思想ゴリゴリの男性候補を立てた方が当選できたかもしれません。

 一方、このような状況下で女性候補2人立てて1位6位で当選した維新。 これぞ関西圏における人気の差、そして政党としての実力差というコトになるのでしょう。 牛久市長選や交野市議選(後述)の結果を見て「維新、苦戦!」と喜んでいる方も見かけますが本当に重視すべきは、この選挙の結果だと私は思います。

 そして公明党は2人合わせて前回から約400票、共産党も2人合わせて約500票減らしています。 投票率が前回とほぼ同じだった中、陣営にとっては当選したけど気が重い結果かもしれません。


◎大阪府・交野市議会議員選挙(定数15/22人)

 現職12人、元職3人、新人7人が立候補し、政党別では大阪維新が5人、自民が2人、公明が3人、共産が3人立てた選挙は現職5人、新人2人が落選し、政党別では公明が全員当選しました。

 過去にイロイロやらかしたでお馴染みの山本景氏が市長を務める交野市。 山本市長が元大阪維新なので、てっきり今もソッチ寄りだと思い込んでいましたが、実際は議会に提出した給食費無償化案に大阪維新の議員が反対するなど対立関係にあるようです。
 そして市長は今回の市議選で現元新1人ずつの3候補を応援し、2位4位5位と上位当選。 市長派議員を増やすコトに成功するとともに市長の人気をアピールできた形となりました。

 その割を食ったのが他党の議員でありまして、自民共産は1人ずつ落選し改選前から1議席減らし、そして5候補立てて第一会派を狙った大阪維新は2人落選。 更に最下位当選次点、そして次々点を同党の3候補で争うという失態を演じてしまいました。 議席の増減は無かったとはいえ、コレは結構なダメージとなるでしょう。
 とはいえ原因は山本市長の要素が強く、「大阪で維新が2人も落選!」という印象が(私を含め)強くなりがちですが、交野市は大阪の中でも状況が違うというコトのようです。

 コレで山本市長も安泰、かと思いきや、初当選時に倒した前市長がナント今回立候補しトップ当選。 最も厄介な人と議会で相対するコトになり、アタマの痛い日々が続くかもしれませんね。


◎和歌山県・有田市議会議員選挙(定数15/16人)

 現職11人、元職1人、新人4人が立候補した “定数プラス1” の選挙で、政党別では公明が1人、維新が2人、共産が1人立てた選挙は新人が落選し政党候補は全員当選しました。

 現在維新は1議席確保していますが更に1人立て、5位6位で当選し議席増に成功。 前回最下位当選だった共産は、約100票減らしながら2ランクアップの13位で当選しました。

 そして、2015年はトップ当選したのに2019年は次点で落選した唯一の女性候補は7位で返り咲きを果たし、辛うじてオッサンばかりの議会になる事態は避けられました。 何よりです。


◎宮崎県・都農町長選挙

 5期目を目指す現職に元町役場職員の新人が挑む一騎打ちは新人が初当選を果たしました。

 現職は、これまでの4戦全て選挙戦を勝ち上がってきた強い市長ですが、やはり多選批判と、ふるさと納税でミスって町予算の4割を2年間失ってしまった失態に対する批判には勝てなかったようです。


以上となります。
当選された方々の御活躍をお祈り申し上げます。



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