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今週の選挙(2024 9.29投票)


 先週、不信任決議が全会一致で可決され、辞職か、出直し選挙か、はたまた県議会解散か、などとその動向が大注目を集めている、斎藤元彦兵庫県知事。
 この記事を出した9月25日朝の時点では未だ知事は決断しておらず、そのせいで県政が、というか兵庫県全体が非常に不安定な状況に置かれてしまっているのですが、そんな中でも兵庫県内で市議選が行われています。
 「選挙」というのは簡単に日程が動かせられるようになると時の権力者が都合よく日程変更する可能性が有るため、よほどのコト(東日本大震災レベルのもの)が起こらない限り、選挙は日程通り行われるのです。 それが民主主義を守るためなのです。

 が、今回ばかりはサスガに兵庫県民に同情してしまいます。 まずあのサイコパス知事を片づけるのが先だとは思うのですが、仕方ないですね。 その選挙を含め、なかなかにクセ強めな選挙が揃いました。

 県政にしても国政にしても、今週起こるコトは後に振り返って「ここが分岐点だったよねー」と言われかねない重要な週になる気がしています。 私たちはまず、しっかり目に焼きつけて「時代の目撃者」とならなければいけないなと私は思っており、後の権力者やそれを支持する奴らが “歴史改ざん” してきた時に対応できるようにしておかなければなりません。 そのための一助に当記事がなれば、幸いです。




◎宮城県・蔵王町長選挙

 6期目(!)を目指す現職に行政書士の新人が挑む一騎打ちです。

 現職は52歳で初当選し現在72歳。 年齢的にはまだ働けそうで、前回の選挙もダブルスコア近い差をつけて圧勝していますが、今回挑むのは今年3月に防衛省を退職し、町で行政書士事務所を開いた40歳。 これまでとは違う異色のキャリアで圧倒的に若い候補が相手。 自公から推薦を受け選挙事務所には為書きがズラリと並んでいますが、その組織力で今回も勝利できるか。

 一方の新人は「蔵王一新」を掲げ町長の給与削減などを訴えていますが、出陣式の映像を見ると緊張からか挨拶は固く、選挙事務所は「キャンピングトレーラー」のようです。 出馬表明も1か月前と準備期間と短い中、若さと勢いで難攻不落の現職を倒せるでしょうか。


◎千葉県・富津市長選挙

 3期目を目指す現職に一般社団法人代表の新人が挑む一騎打ちです。

 現職は自公推薦を受けており組織力はバッチリ。 対する新人は選挙活動の様子が見えず、特に大きな争点も無さそうなので、「凪」の選挙になりそうかな、という気がします。


◎和歌山県・みなべ町長選挙

 前職が先月病気で亡くなったコトに伴い行われる選挙で、会社役員の男性と町議を1期務めた男性が一騎打ちで次の座を争います。

 元町議は現在32歳。 出陣式には近隣選出の県議会議員が参加した模様で、一方の会社役員は世耕参院議員(元自民)が応援に入ったようです。 最近各地で若い首長が誕生していますが、元町議はその流れに乗れるでしょうか。


◎兵庫県・三田市議会議員選挙(定数22/33人)

 現職16人、元職2人、新人15人が立候補し、党派別では維新が4人、自民・公明・共産が3人ずつ、立憲が2人、参政が1人立てた、女性候補5人の選挙です。

 さぁ、大注目! 県知事が不信任喰らっても辞めないで大混乱な兵庫県で行われる市議選。 しかも投票日の9月29日は知事が辞職か県議会の解散を選択するリミットの日であり、翌30日午前0時になると知事が自動失職となる、兵庫県にとって非常に重要な日です。 もはや斎藤知事が何を考えているのか誰にも分からなくなっていますが、もし狙いが「可能な限り知事に居座り冬のボーナスまでゲットする!」ならばこの日まで判断を遅らせると思われるので、知事の判断に振り回されながら当落を争うという、超超異例の選挙となります。

(三田市議会 より引用)

 改選前の議席は自民系の「盟政会」が5人(公認3人+無所属2人)、非市長系の無所属議員が集まる「新党みらい」が4人、公明・共産と国民民主系の議員がいる「市民の会」が3人、維新が2人、無会派が2人です。 よって、維新だけが議席増を目指し4人立ててきました。 この状況下で

(統一地方選後の維新近畿ブロック戦績)
(※大阪府を除く)
(クリックやタップで拡大してご覧ください)

 4候補が揃って駅立ちするなどの選挙活動をしていますが、果たしてどうなるか。 これは見ものです。

 維新がこの状況ならば自民は有利かというと、知事を担いだ一翼を担っていたからという点に加え、このような問題が出ています。

 三田市職員が市議からパワハラを受けたとする公益通報が有り、市が職員にアンケートを実施した結果、回答者の4割がパワハラを受けたと回答し、

市は先月「ハラスメント根絶条例」を “全会一致” で可決しました。 加害者の議員も賛成しているのが笑けますが、噂では実名が挙がった「5人」(非公表)の中に自民系議員が含まれるとの情報が有り、兵庫県知事問題とは別にコチラも問われるコトになるため、3議席維持できるかどうかの厳しい戦いになると思われます。

 更に参政党まで出てくるというややこしさ(汗)。

(2024年の参政党戦績)
(クリックやタップで拡大してご覧ください)

 前回の三田市議選でも公認候補を出したものの、まだ参院選でブレイクする前だったため知名度が無く惨敗した参政党。 今回リベンジを狙います。
 なお、参政党は鹿児島県喜界町議選にも候補を擁立していましたがコチラは無投票になり現職候補が2選(1期途中で参政党に入党した模様)しました。 鹿児島の離島って、参政党強いんだよなぁ・・・

 また三田市は市長も問題を指摘されていて、泉房穂氏の支援を追い風に当選したものの公約に掲げていた「病院統合の白紙撤回」を当選後に一転し、計画を進めると表明したため、

不信任案が提出される事態に。 否決されたものの未だにこの問題は引きずっているようですが、この市議選に市長を応援していた市民団体が前回27位で落選した人を全面支援しているようで、この候補がどこまで票を伸ばすかも注目。 見どころが多すぎるこの選挙、知事の判断次第では注目が薄まる可能性が有りますが、要チェックです。


◎大阪府・泉南市議会議員選挙(定数15/17人)

 現職11人、新人6人が立候補し、党派別では大阪維新が5人、公明が3人、共産が2人、自民が1人立てた、女性候補4人の選挙です。

 三田市議選が超注目のため目立たない部分もありますが、先週大阪府議選で同日投票の摂津市長選に候補者擁立を断念して支援を一本化していた大阪府議補選で公認候補が落選するという大事件が起きた直後なので、コチラも見逃せません。

泉南市議会HP より引用※PDF)

 改選前は維新が4人、公明が3人、共産が2人。 あとは自民公認議員がいる「優仁会」と反維新系の「未来せんなん」、そして、N国~維新と渡り歩いてネット右翼系に落ち着いた東京都港区議や選挙ウォッチャー界隈で “残酷パイセン” として知られる福岡県行橋市議とコラボ動画を出している、ネット右翼の皆様の間では有名であろう人がいる「新風会」が2人ずついて、ココでも維新が議席増を目指しています。
 落選が2人と少ないので落選の可能性は低そうに見えますが、先日の和泉市議選で3人落選のうち1人に維新候補が入るという失態を晒したコトもありましたし、大阪府議補選で公認が落選した影響も有るでしょう。 前回の順位が1位、10位、12位、13位と決して上位ではないため、何が起こるか分かりません。 さて、どうなりますか。


◎岡山県・高梁市長選挙

 5期目を目指す現職に市議を3期務めた新人が挑む一騎打ちです。

 現職は明らかに多選のフェーズに入っていますが、初当選時が49歳で現在65歳。 あと2期は余裕で出来そうな年齢ですが、市政は閉塞感が漂っている可能性が有り、そろそろ変化が必要な時期かもしれません。
 新人は議長経験も有る元市議で、事務所の映像には加藤勝信衆院議員や石井正弘参院議員からの為書きが映っていました。 組織力も有りそうです。

 今回現職は初めて年下の候補と市長選を戦うコトになり、これまで使い倒してきたであろう「若さアピール」が出来なくなりますが、結果にどう影響するでしょうか。


◎岡山県・高梁市議会議員選挙(定数16/18人)

 現職10人、新人8人が立候補し、党派別では公明と共産が1人ずつ立てている、女性候補1人の選挙です。

 男性ばかりの議会のようで改選前も女性議員は1人。 その方が出馬せず別の新人が1人立候補しています。
 共産が前回2人当選に対して1人となっていますが、会期中に1人が亡くなられてもう1人は出馬せず、新人1人を立てています。 恐らくですが、2人立てたら “共倒れ” の危険が有ったのでしょう。 共産もイロイロ厳しいですなぁ・・・


◎岡山県・吉備中央町長選挙

 4期目を目指す現職に音楽事務所経営の新人が挑む12年ぶりの選挙です。

 わが街のPRのために趣向を凝らした試みをする自治体というのを目にするコトが有ったりしますが、

この町のYouTubeはかなり作り込んでいます。 作り込みすぎて、

「町長の子育て政策が手厚すぎて逮捕された!」というものを出して賛否両論あったようですが、小さな町をふるさと納税獲得などのためにアピールするためには、ここまでやらないと目立てない状況なのでしょう。 大変ですね。

 ただ、この町長、ただのお調子者かと思ったらそんなコトはなく、いま町を揺るがす事態となっている、

町内の浄水場から高濃度の有機フッ素化合物(PFAS)が検出された問題に対し、

全国で初めて住民の血中濃度調査を公費で実施(今回と5年後の2回)すると決めています。 人口1万人の小さい自治体だから可能なコトかもしれませんが、全国で起きているPFAS問題に対する自治体の反応が鈍い中、これは立派です。
 当選すれば4選となり「多選」のフェーズに入りますが、この問題が一定の解決(業者に損害賠償請求、土壌改善方針の提言を受ける)するまでは辞められないでしょう。

 そんな町長に挑む音楽家の新人はトロンボーン奏者として活動するほか、多くの団体や学校で指揮者・指導者として活動している人。 音楽家としては一流でしょうが政治家としても一流かどうかは別の話。 これだけの実績を誇る現職を倒すコトは出来るでしょうか。


◎高知県・黒潮町長選挙

 1期務めた現職が出馬せず、3期10年務めた元職と警視庁警察官の新人が一騎打ちで次の座を争います。

 この元職ですが、「3期10年」という中途半端な在籍年数は途中で辞職したからなのですが、

2020年に以前から好意を抱いていた女性と、飲酒後に車内で性加害をしたコトが明らかになり辞職していて、そこから時を経て異例の再出馬となります。
 そんな人なら返り咲くワケない、ように見えますが、黒潮町は南海トラフ地震が発生した際の津波の高さが「最大34m」と全国イチ高い想定がされている地域で、元職は避難道路などの災害発生時におけるインフラの課題を洗い出して整備計画を立てたり、世帯別で避難行動の計画を書き出す「避難カルテ」を作成していたり、避難タワーを複数建てたりと見に見える対応を取った実績があり、それを評価している町民がいても不思議ではありません。    

 一方の新人は「映画館つきの大型商業施設誘致」という現実味の薄い公約を出しているので、それが評価されなければ元職に票が流れ込む可能性も大いにあります。
 そして、コレは私個人の勝手な見立てだというコトを前提に申し上げますが、元職辞職後の選挙で当選した現職が1期だけで退任するというのが何とも不自然に映るのです。 もはや元職への「信任投票」と化しているかもしれないこの選挙、難しい選択を迫られた町民はどちらを選ぶでしょうか。


◎福岡県・大川市長選挙

 3期目を目指す現職に家具企画販売会社役員の新人が挑む一騎打ちです。

 現職は39歳で初当選し現在47歳。 鳩山二郎参院議員(前大川市長)が応援の挨拶に来ており、事務所には為書きや推薦状がズラリ。 出陣式にもパイプ椅子が150席ほど並んでおり、かなり強そうです。

 対する新人は、さすが「家具の街」という家具会社の役員で、計画が進んでいる道の駅建設反対を訴えています。 建設予定地が高潮ハザードマップでは5m~10mの浸水が想定されるエリアで反対署名を集めても市が受理しなかったとして問題視されており市民の関心も高そうですが、如何せん現職より30歳年上。 選挙運動はしっかりやっているようなので問題点を表面化するコトでどれだけ現職に迫れるかが注目です。



以上です
候補者の皆様の御健闘をお祈り申し上げます


「今週の選挙」テーマ曲
ギターパンダ / 選挙に行ったけど


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