【#100】長野県議会議員選挙 上田市・小県郡選挙区レポート(2023 4.9)
2020年10月に取材活動を始めてから、3年弱で遂にレポートが100本目に達しました。(※中には現地取材に行かずに書いたものも数本含まれています)
長いようで短い、ようでやっぱり長かった大台到達ですが、そもそもこんなに長く選挙取材を続けるつもりは無く、続けられたのはメンバーシップの加入者を始めとする私を支援下さる方、記事を御購入いただいている読者の皆様、そしてツイキャスで私の配信にお付き合いくださっている方々のおかげです。 心から感謝申し上げます。 有難う御座いました。
そんな100本目のレポートは、4月の県議選レポートです。 リリースまでに4か月かかっているトコロに私の体たらくぶりが表れていますが(汗)、コレはコレで楽しめる記事になっているかと自負しております。
「羽田王国」のお膝元で議員がいなくなり、議席回復を目指す一方、自民はこの機会に “左派一掃” を目論む。 双方の思惑が交錯した選挙戦を、レポートします。
◆概要
上田市と小県郡(ちいさがたぐん)の長和町、青木村の1市1町1村が範囲となる
有権者数:134,549人(うち、上田市が126,004人)
衆議院は長野3区に属し、
◆立候補者(定数4/6名)
4議席を現職3名、新人3名で争う選挙です。 無所属新人も全員に政党の推薦が出て、コチラもガッチガチの構図となっています。
◆前回(2019年)の選挙結果(定数4/5名)
前回は国民民主公認で、羽田雄一郎参院議員=千曲会が支援する堀場候補が落選。 無所属の山田候補が初当選し、その後、自民党県議団入りしました。
◆POINT① 議席を失った「千曲会」は・・・
羽田一族のお膝元で県議の議席を失った千曲会。 今回は新人の林候補に推薦を出しましたが、
お隣りの佐久市・北佐久郡選挙区のように寺島義幸千曲会会長自ら応援演説を行なうなどの前面に出る様子は有りませんでした。
その代わり地元の羽田次郎参院議員や神津衆院議員が「立憲民主党」の看板で応援に入っていました。 それは後述しますが候補者のキャラクターや戦略に合わせたものだと思われます。
◆POINT② 思わぬ事態で失った議席を取り戻したい自民党
自民党長野県議団の平野県議が体調不良のため昨年12月に辞職。 今回の選挙まで半年を切っていたため補選は行われませんでした。
せっかく前回、千曲会推薦の議員を落選させて2議席確保したのに、それを失ってしまったため今回の選挙で回復させたいトコロ。
そのため無所属2候補に推薦を出したのですが、1名に絞らず2名に推薦を出した意図は何なのか。 立憲候補だけでなく共産候補も落選させて国政与党系議員で4議席独占したかったのか。 それとも、悪くても2名のうち1名は当選できるであろうというデータが有ったのか。
この判断が、この選挙区の情勢に大きな影響を及ぼすコトになるのです。
それでは、候補者の選挙運動を見てみましょう。
この選挙区は3候補に取材するコトが出来ました。 無料部分では取材できなかった2候補に触れていきます。 もう1候補は構成上、有料部分で書きたいので御了承下さい・・・
◆統一教会と関連疑惑のある候補
NHKが昨年8月に現職県議に統一教会との関係についてアンケート調査をとったところ、山田英喜候補が統一教会関連団体による自転車イベント(いわゆる「ピースロード」)に参加し、更に共産党長野委員会調べによると参加した際に政務活動費を不適切使用したとして返還したコトが明らかになりました。
自民党の県議全てが統一教会と関連が有ったワケでは無い中、やはり当選回数の少ない議員が接触しているように見えます。 キャリアが少なく足元がおぼつかない中、新たな「基礎票」を手に入れようと近づいてしまうのか、それとも単なる情弱なのか・・・
◆高村 京子(たかむら きょうこ)候補
高村候補は千曲市出身。 長野赤十字高等看護学院卒業後、看護師として県内外の病院で勤務しました。 2002年に県議に初当選し6期務め、日本共産党長野県議団副団長も務めています。 今回「希望が持てる県政」を掲げ7期目を目指します。
コチラにも書きましたが、現在4期目の阿部守一知事は初当選こそ非自民候補でしたが2選目以降は自民も推薦に名を連ね現在に至るため、県政はほぼオール与党化、そんな中で唯一野党的ポジションをとっているのが共産党県議団。 その主張に賛否は有れど政策に対し議論を重ねるためには重要な存在です。
その中で高村候補は当選6回のベテラン。 岡谷・下諏訪町選挙区の毛利栄子団長(今回、無投票当選)とともに共産党県議団を引っ張る存在です。
前回の選挙は自民党系候補を抑えて2位当選と強さも持ち合わせている候補ですが、POINTでも書いた通り自民が無所属2候補に推薦を出して公認と合わせて3候補体制でこの選挙に臨んでいる点が気になります。
もしその3候補が全員当選するとなると狙われるのは高村候補の可能性が高く油断は出来ませんが、小池晃参院議員が応援に入るなど、チカラの入った選挙運動をしていたようです。
選挙公報はコチラ。 地方選挙においても国政案件ばかり主張する「共産しぐさ」が見られますが、“県政野党” をアピールするためには、もしかしたらこの主張の方が良いのかもしれません。
ただやはり、2019年の台風19号災害で上田市も上田電鉄の鉄橋が崩落し全線復旧に532日も要したなどの被害が出た地区なので、防災については触れてほしかったものですが・・・
◆山田 英喜(やまだ ひでき)候補
山田候補は上田市出身。 翔洋学園高校卒業後、オーストラリアで2年間語学を学び帰国。 新聞社勤務を経て2014年の上田市議選に初当選。 2期5年務め2019年の県議選に無所属で立候補して初当選し自民党県議団入り。 1期4年務め上げ今回、「声を力に。」と掲げ、自民党公認候補として2期目を目指します。
2014年の上田市議初当選時は定数30に対して29位当選でした。 市議2選目も14位と決して票を獲れていない中、よく県議転身を決意して当選を果たし、今回自民党公認候補として県議2期目に挑もうとしているのですから、もの凄い “成り上がり” っぷりだなぁと。
総決起大会には井出庸生衆院議員や土屋上田市長が参加。 選挙期間中は無投票当選した県議が応援に入っていました。 そして “選挙マニア” に大人気の、武田紗知上田市議がスタッフとして入っていたようです。
選挙公報はコチラ。 突然現れた「オーストラリア」の文字が異彩を放ちますが、同国に在住していた時に勤務していた会社の社長が長野県須坂市出身で現在も交流が有り、そこから県とその会社の提携に貢献したようです。
さて、前回の選挙も3位で、上田市議時代から選挙に強いとは言えない中、初めて自民党公認を得たので上位当選を狙いたいトコロ。 かといってあまり票を獲りすぎると自民推薦候補が落選する可能性が高くなるため、さじ加減が難しい戦いとなりそうです。
それでは、有料部分では取材した候補と自民推薦無所属候補について書いていきます。 是非御購読いただきたく存じます。
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