【レポート #26】長野県・富士見町長選挙レポート(2021 8.8)
取材した日は東京で最高気温が39℃まで上昇した猛暑日で、富士見町も32℃になった暑い暑い日でした。 そんな猛暑下で行われた町長選、2期目を狙いながら初の選挙戦となる現職に対するは華やかな経歴を持つ新人候補。 対照的な候補者の一騎打ちとなった選挙戦を、レポートします。
◆概要
(富士見町図書館の標高)
・面積:144.76㎢(長野県 第31位) 長野県中部にある諏訪郡東端の町で茅野市、伊那市、原村、山梨県北杜市と接する
・人口:14,338人(長野県 第27位)※2021年7月1日現在 諏訪郡の自治体としては下諏訪町の次に人口が多い
・町内を中央自動車道が横断し(インターチェンジは無し)、電車は中央本線が走る
(富士見駅)
・八ヶ岳と南アルプスの入笠山に挟まれた標高900-1400mの高原地帯に位置し、夏は冷涼で冬の寒さは厳しい
・名前の通り町内には「関東の富士見百景」に選出されるビューポイントが3つ(創造の森彫刻公園、立沢大規模水田地帯、葛窪中央道トンネル)ある
・町内にスキー場が2カ所あり比較的アクセスが容易なためシーズン中は賑わっている
・アメリカ人ヒッピーがかつて住み着き、日本のヒッピームーブメント発祥の地といわれる
・衆議院小選挙区は長野4区に属し、後藤茂之氏(自民 6期)を選出。
◆立候補者
・名取 重治(なとり しげはる)候補
名取候補は三重大学卒業後、当時の諏訪地域を代表する企業「チノン」に入社し28年勤務したのち2001年に富士見町収入役に就任。 以降、助役と副町長を歴任し2017年の町長選に出馬し初当選。「攻めの町政へ」を掲げて今回2期目を目指します。
・中島 恵理(なかじま えり)候補
中島候補は京都大学卒業後、環境庁に入庁。 途中オックスフォード大学に留学し地域創生施策を学び修士課程を修了。 また2011年から長野県に出向し温暖化対策課長(2年)と副知事(4年間)務めます。 その後環境省に戻りますが2021年3月に退職。「富士見町に新しい希望の種をまく」を合言葉に初の選挙に挑みます。
◆POINT① “スーパーウーマン” が立候補
他の誰でもなく自ら「スーパーウーマン」を名乗ってしまっている中島候補ですが、先述の経歴を見ていただければそれが誇張でもホラでもないコトが分かるかと思います。 そのような方が何故長野県東端の町の選挙に出馬したか不思議に感じてしまいますが、中島氏は富士見町で有機農業を営む男性と結婚したコトを期に2002年から富士見町に移住していて平日は東京で環境省官僚として働き休日は富士見町で農業をするという「2地域居住」を約20年続けています。 富士見町の地域おこし活動や環境保全活動にも関わっており、中島氏は突然降って湧いた “落下傘候補” ではないようです。 その経歴から「国・県との太いパイプ」をアピールしており、この人を富士見町民が必要とするか否かが最大の争点と言って良いでしょう。
◆POINT② 諏訪地域で “4年9カ月” ぶりの首長選
(長野県HPより)
諏訪地域は諏訪市を中心にした3市2町1村を指しますが、この地域では2016年11月20日の下諏訪町長選以来、実に4年9カ月ぶりの首長選となります。 この間に、
と、名取候補が初当選した前回の富士見町長選を含めて諏訪地域全ての自治体が無投票で1周してしまった形です。 この選挙の結果はもちろん、選挙の盛り上がりが諏訪地域の他自治体に影響を与えそうなので投票率がどうなるかかも注目を集めています。
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