今週の選挙(2024 11.10投票)
この記事を書いたのは、2024年11月6日。
今日、歴史の分岐点となってしまいかねない選挙結果が海の向こうで出て、落胆を超えた何とも言えない感情になっています。
マジメに生きたら負けなのか。
卑怯だろうが何だろうが、勝ってしまえば全て許されるのか。
ただ、これもまた「選挙」の現実。 これほどまでに一票が重く感じる選挙もないでしょう。 これから先、あの国がどうなろうと有権者は票を投じた責任を今後4年に渡って取らなければならないのです。
とはいえ、それが遠く離れたこの国まで影響が来ちゃったらたまったもんじゃないですがね。
でも、卑怯なコトは続きません。 何故なら絶えず卑怯なコトを上塗りしていかないと生き続けられないから。
そして、マジメなコトは続きます。 何故ならただ愚直にマジメを続ければ良いのだから。
だから、今日も私は、この記事を書きます。
マジメを続けるためにね。
それでは、多くの選挙が行われる中からセレクトした13件の選挙を、お届けします。
※最後に「今日の一曲 #116」を載せています。 今日、あの選挙結果を見てから、脳内でリフレインしまくっている曲です。
◎東京都・荒川区長選挙
5期務めた現職が引退を表明し、次の座を男性新人3人で争います。
3期途中まで務めた区議を辞して挑む50歳男性は自公の推薦を受け、自民の国会議員がどしどし応援に入っています。 父親も1979年から3期10年荒川区長を務めており、当選すれば親子二代の区長誕生となりますが、それが「世襲」だと捉えられるとマイナスに働くかもしれません。
候補者最年長の70歳男性は共産党の荒川地区委員会委員長を務めており同党から推薦を受けています。 23区内で最も高い介護保険料の引き下げや減便が続くコミュニティバスの再開などを掲げ、区民の暮らし応援に区のチカラを振り向けるべきだと訴えます。
通算3期途中まで務めた都議を辞して挑む54歳男性は都議時代は都民ファーストの会公認で当選している人物。 今回公認は出ていませんが同党所属の区議などの協力を得て選挙運動を展開中です。
衆院選で荒川区が属する東京29区は公明党候補が当選しています。 そうなるとそちらのバックアップは手厚いものなのでしょうが、衆院選全体としては国政与党に対して厳しい結果が出た直後の選挙で結果に変化が出るのか、注目です。
◎東京都・荒川区議会議員補欠選挙(定数1/4人)
区長選に出馬した町田候補が空けた議席を、元職1人と新人3人で争う選挙です。
自民公認の元職は1期務めたものの昨年の本選で落選。 返り咲きを狙い区長選の自公推薦候補と連携した選挙運動を展開しています。
共産公認の新人は今回選挙初挑戦の社会福祉士。 コチラも区長選の共産公認候補と連携し、ともに山添拓参院議員が応援に入っています。
2度目の区議選挑戦となる33歳男性は、区長選に出ている元都議の候補と連携して選挙運動を展開。 また前回の区議選では「勝手にあらかわ大使」を名乗り、有名なHip HopのMCとテーマ曲を出したりしていました。
都議選、区議選に続き3度目の選挙となる女性候補は司法書士で完全無所属を掲げ、政治的平等実現のために女性で母親で法律家の自身に投票をと訴えます。
共産候補を除く3人は昨年の区議選(定数32)に出馬し落選したのですが、その順位が、33位(次点)に女性候補が入り、勝手にあらかわ大使が38位、自民公認候補が39位でした。 さて今回、補選という構図ではどう変化するでしょうか。
◎長野県・阿智村議会議員選挙(定数12/13)
現職7人、元職1人、新人4人が立候補し、党派別では共産が1人立てた、女性候補1人の選挙です。
コチラは前回取材しており、ならば今回も行くべきなのですが、引っ越したばかりで家の環境整備を優先させたいので・・・ 申し訳御座いません。
この村は28年前に「女性議員を送る会」という市民グループが出来て以来、女性議員を誕生させてきて前回は3人立候補→当選していたのですが、今回は僅か1人・・・。 市民グループの活動、止まってしまったのでしょうか。 現場で確かめなければいけないのですが・・・ スミマセン、、、
◎愛知県・豊橋市長選挙
2期目を目指す公明の地域支部が推薦する現職に、元市議の男性2人と食品製造店経営の男性が挑む選挙です。 自公で推薦候補が割れるという、あまり見ない構図となっています。
現職は県議を4期務め前回の市長選で当時の現職(=前職)らを破り初当選。 その時、自民公明は前職を支援していましたが今回は分かれ、公明が現職を支援。 時の権力者に寄り添うという姿勢が実に公明というか何というか。
逆に自民の地域支部は前回に続き現職に対抗する姿勢で今回推すのは45歳男性候補は自民公認の市議として4期途中まで務めた実績が有り、その前には大村知事の秘書を務めていたそうです。 なので組織戦バッチリなのかと思いきや、二連ポスターの相手が元中日ドラゴンズの選手や書道作家という斬新な構成になっており、それが親近感を抱かせるためなのか、単に応援してくれる人が少ないのか、気になるトコロです。
また、自民愛知県連は現職を推しているという情報も有り、自民の県と市で分裂しているのかもしれません。
もうひとりの元市議である41歳の元市議。 3期途中まで務めた実績が有り経験は豊富ですが、ど~も「アレ」な雰囲気が漂うなと私のセンサーが反応したので調べてみると、衆院選で見事に完全落選した某政党の元政調会長が応援に来ており、「あ、なるほどな」と理解できた次第です。
食品製造店の男性は選挙公報も手書きのため独自の戦い(←某政党の元政調会長も情勢報道でそう言われてたなぁ・・・)をしていると思われ、残り3候補による争いだと思われます。 現在豊橋市には市の中心部に多目的屋内施設(アリーナ)の建設計画が有り、現職は反対住民の訴えを取り合わずに計画を進めたようで、それに対し「アレ」な41歳元市議は建設中止を、自民推薦の元市議は駅前整備などの他事業を優先するとし、食品製造業の候補は駅地下の駐車場に建設すれば安く済む(?)と訴えています。
衆院選で豊橋市を含む愛知15区では自民候補が当選。 立憲候補(←元れいわ、元川口市議、“レイシスト条例” に賛成)が3位ながら比例復活しました。 さて、この選挙で市民の選択は。
◎滋賀県・滋賀県議会議員補欠選挙(定数1/2人)
市長選に出馬(→無投票で当選)し空いた議席をめぐり、自民公認候補と立憲公認候補が争うガチンコの一騎打ちです。
自民候補は市議を1期途中で辞しての立候補で公明の県本部が推薦しています。
一方の立憲候補は市議を3期途中で辞しての立候補で社民と地域政党「チームしが」(嘉田由紀子元知事が立ち上げ)が推薦しています。
市長選出馬のため辞職した元県議はチームしが公認の県議でした。 そうなれば同政党の推薦を受ける立憲候補は負けられないトコロでしょうが、衆院選で米原市が属する滋賀2区では自民候補が立憲候補に大差をつけて当選しました。 この選挙で結果に変化はあるのでしょうか。
◎愛媛県・西条市長選挙
3期目を目指す現職に元県議と医師の新人2名が挑む選挙です。
現職は自民系の人らしく、応援メッセージを馳浩石川県知事から受けていました(←それってマイナスのような・・・)が、地元の自民党が組織として動いている様子は私が調べた限り見られません。 ゴミ袋の有料化(袋代にゴミ処理代を追加)を進めたコトについて評判が良くないようで、それを可決させるために議員報酬を上げたのでは? と揶揄されているようです。
医師として輝かしい経歴を持ち、特にスポーツ整形外科医として有名らしい新人候補は、「100日後に〇〇になるドクター」という4年前に流行ったけど流行語大賞にノミネートすらされなかったワードを掲げて戦っており、野球関連しか選ばないとウワサのやくみつる先生が見たらきっと呆れるでしょう。
政党色は見えないので医者時代に培った人脈で草の根選挙をしていると思われますが、ネットで調べると前市長(2012年当選、2016年現職に敗れる)が応援に入ったという情報が有りました。
そして元県議。 2期途中まで務めており2期目は自民党公認で当選しています。 ただコチラも政党色は薄く女性スタッフを中心に草の根選挙をしているように見えます。
が、調べると「参政党県議の黒川氏」というワードを見つけました。 県議時代はどうか分かりませんが、この市長選で参政党は公認も推薦も出していないし同党愛媛県連も神谷独裁者代表も応援に入る様子は有りません。 ただ、参政党を肯定的に語っている動画が有ったりHPに載せている政策が同党のそれに似ていたりするのも事実。 「ゴミの無料化」など魅力的な政策を掲げていますが、応援したい(している)方は今一度この候補の主張等を確認した方が良いかと・・・
衆院選で西条市を含む愛媛2区は立憲候補が当選。 自民前職は完全落選しています。 党派性が低そうなこの選挙でそれがどう影響するのかは不透明ですが、何かとひとくせ有りそうな選挙に見えます。 気になる・・・
さて、ここからは維新が候補を擁立している4選挙を。 衆院選が終わったので維新候補の当落を表につけてチェックするコトは一段落としますが、その動向(栄枯盛衰とも言う)は見ておきたいのです。
▼今週の維新
◎愛知県・豊橋市議会議員補欠選挙(定数4/10人)
市長選に出た2人と亡くなられた1人、そして議員辞職した1人で空いた4議席を巡り、元職3人、新人7人が立候補。 党派別では自民、維新、共産が1人ずつ立てた、女性候補2人の選挙です。
抜けた4人はいずれも自民系のようなので共産と維新が議席を獲れれば党勢拡大となります。
だがしかし、維新候補は62歳男性とフレッシュさに欠け、昨年の市議選本選に(無所属で)出馬するも全く届かず落選しています。 衆院選愛知15区で維新候補は5人中2位に入っており比例復活した立憲候補より多くの票を獲っているので市内に維新の基礎票は有るのかもしれませんが、それが素直に乗っかるかどうかは不透明。 豊橋市から近い岡崎市で先月行われた市議選で維新候補が3人出て全員落選したというコトも有ったので、どうなりますやら・・・。
ちなみに、辞職した人っていうのは、
飲酒運転で辞職(警察による逮捕等ではなく、情報提供により発覚)したのですが、その方、この市議選に立候補しています。
予想通り選挙公報には詫びも何も書いていませんが、それはそうだろうとして・・・ 本人的には「逮捕されてないから!」という想いが有るのだろうと思いますが、話題をぶり返されるダケだからやめときゃイイのにね・・・
◎三重県・伊賀市長選挙
4期目を狙う現職に男性5人の新人が名乗りをあげ、6人で市長を争うという大混戦の選挙です。
現職が73歳と高齢で他の新人が30代40代と若い中、維新は66歳の候補を立てるというセンスの無さ・・・ 同日に市議選が行われ、そこにも維新候補が出ているため(後述)、そちらを当選させるための “かかし候補” なのかもしれないな、と思ったらこの方もこれまで市議を3期務めており、それを辞しての出馬という・・・
衆院選で伊賀市を含む三重2区に出た維新候補は、当選した立憲候補や比例復活した自民候補に大差をつけられて落選しており、基礎票もそんなに無いと思うのですが、どうなりますやら。
今回は紹介する選挙が多いため他候補には触れませんが、それぞれ掘ってみたらイロイロ出てきそうな雰囲気を醸し出しているので、興味のある方は調べてみると面白いかもしれません。
そして何より心配なのは、法定得票数(有効投票数の4分の1以上)を超える候補が出なくて再選挙、なんてコトにならないかどうか。 先述の通り40代以下の候補が4人もいて、票を喰い合いした末に現職が抜け出す、なんてコトになりそうな気がしないでもないですが、どうなるでしょうか。
◎三重県・伊賀市議会議員選挙(定数22/25人)
市長選と日程を合わせて費用を削減するために任期を4か月残して議会を解散。 前職(解散したので「現職」ではない)19人、元職1人、新人5人が立候補し、党派別では公明と地域政党「草の根運動いが」が3人ずつ、共産が2人、維新が1人立てた、女性候補9人の選挙です。
維新候補は46歳女性で、これまで2期務めた前職。 これまでは無所属議員でしたが今回は維新公認で立候補です。 市長選に出た維新市議が抜けた分、この人が当選すれば議席数としては変わらないのでしょう。 ならば市長選の維新候補も市議選に出て2議席獲得狙えばイイのにと思ったりしますが、市議選に出馬した前職は前回ブービー当選なので、そこまでの票は見込めなかったのでしょう。
それにしても、予算削減のために議会を解散するってのは、意味や意義は理解できつつ複雑なキモチです。 首長と議会の関係を考えれば議員選は首長の任期半ばに「中間選挙」みたいな意味合いでやるのが理想なのですが、自治体でそんな関係性を築けている議会は殆ど無いので・・・
◎京都府・宇治田原町議会議員選挙(定数12/17人)
現職9人、新人8人が立候補し、党派別では共産が2人、公明と維新が1人ずつ立てた、女性候補1人の選挙です。
維新候補は60歳新人。 候補の平均年齢が高いのでこれでも若い方に入ります。 当選すれば宇治田原町初の維新議員誕生となります。
ちなみに、衆院選で宇治田原町が属する京都6区は立憲の山井氏が当選。 2位の自民候補は比例復活も出来ず落選し、それに次ぐ3位が維新候補でした。 京都8区は5市6町1村で構成され、維新という党の特徴からして人口の多い市で多くの票を獲っていると見られ(←調べる時間ナシ、、)宇治田原町に維新の基礎票はそう多くないと思われますが、候補者の3割が当選するこの選挙を勝ち抜けられるでしょうか。
そして今週は、「高齢の現職(またはそれに準ずる候補)に若手の新人が挑む」という構図の選挙が多かったので、それをまとめてみました。
◆今週の世代闘争
◎奈良県・高取町長選挙
2期目を目指す現職に1期途中で市議を辞した新人が挑む一騎打ちです。
現職は65歳とそこまで高齢ではないのですが、新人が38歳と若く、年の差27歳の対決となっています。
現職は自民系、38歳新人は何故か滋賀県の市議から応援を受けています。 Facebook等を見ると新人の熱量や想いは伝わってくるのですが、その押しの強さが町民に受け入れられるかどうかがカギかな、と。 何より市議を1期も務め上げなかった姿勢が、人口7千人に満たない小さな自治体でどう受け取られるか・・・
◎愛媛県・新居浜市長選挙
3期務めた現職が出馬せず、次の座を元副市長と元県議会議員で争う一騎打ちです。
76歳の市長が退任し、後継指名したのが70歳の副市長というのも、何だかなと呆れてしまいます。 一方の元県議は46歳で24歳差対決。 県議を4期途中まで務めており経験は充分。 1期目は自民公認で当選していますが2期目以降は無所属で、今回の市長選でも党派性は見えません。
元副市長は現職や企業関係者などがズラリと揃う中で出陣式をしたと報じられており組織力に差が有るのかもしれませんが、“70代同士の禅譲” なんてどう考えたって閉塞感バリバリな市政は変えなければダメでしょう。 当選したら市長が30歳若返るこの選挙、結果や如何に。
◎福岡県・八女市長選挙
4期務めた現職が出馬せず、元副市長と元経産省職員で次の座を争う一騎打ちです。
コチラも副市長が80歳の現職から後継指名されています。 「副首長」が出てきた場合は概ねそんなものです。 元副市長が64歳なのに対し新人は34歳と若く、30歳差対決となっております。
そう簡単に「現職→副市長」の禅譲を許すワケにはいかないので新人に頑張ってほしい・・・ と思ったのですが、政治未経験でいきなり首長という経歴に不安を感じますし、何より「元経産省」という肩書きが気になります。
それで政策を調べたところ、案の定「ライドシェア」の文字が・・・
「ライドシェア」という政策の全てに私は反対ではなく、例えば過疎化が進む小さな自治体では必要だと思っていますが、人口が3.7万いる八女市で他自治体に先んじて実施する必要は無いでしょう。 コッチはコッチで当選したら危ない気もしますが、さて、どうなりますやら・・・
以上です
候補者の皆様の御健闘をお祈り申し上げます
今日の一曲 #116
Metallica / …And Justice for All
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