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【#117】長野県・南相木村長選挙レポート(2023 11.19)


 お隣りが群馬県という南相木村。 面積の75%が山林で宅地面積は僅か0.4%。 そのような自治体ですから御多分に漏れず「人口減少」が課題で「移住」「Iターン」の促進が将来の鍵となります。
 そして、そういう自治体のもうひとつの特徴が「投票率の高さ」。 行政に関心の強い有権者が多いのです。 それが悪い方向に作用すると、かつての徳之島のような “選挙の度に島が二分し選挙後には土建屋の半分が潰れる”という事態になるのですが、南相木村はそんなコトなく、フェアな環境下で熱い選挙戦が行われていました。
 現職と元職。 8年前とは立場を替えての再戦となった選挙を、レポートします。




◆南相木村(みなみあいきむら)・概要

(南相木村役場)
  • 面積:66.05㎢(長野県 第58位)

  • 人口:902人(第72位)※2023年11月1日現在

  • 人口密度:13.65人/㎢(第68位)※2023年11月1日現在

  • 平均年齢:54.23歳(若い順 第57位)※2020年10月1日現在

  • 衆議院は長野3区に属し、


◆立候補者

中島 則保 (65) 無所属 現 3期目を目指す
菊池 毅彦 (67) 無所属 元 元村長

 3期目を目指す現職に、前の村長が挑む一騎打ちで、この顔合わせは2度目になります。


◆前回(2015年)の選挙結果

[当]中島 則保 (57) 無所属 新 458票
 -------------------------------------
[落]菊池 毅彦 (59)  無所属 現 357票

投票率:93.34%

 8年前、2期目を目指した菊池候補を新人の中島候補が破り初当選。 中島村長は2期目は無投票当選で今回が8年ぶりの選挙となり、立場が入れ替わる形で再選となりました。(それにしても、投票率の高さよ・・・)


◆POINT

①人口減少への対応

南相木村人口ビジョン より引用※PDF)

 全国的な潮流の例に漏れず南相木村も人口減少が続いており、ダム建設のために作業員等が移り住んだ時期を除けば戦後からずっと人口減少傾向で、2020年には遂に1,000人を割り込み今後も減少すると見られています。
 それにどう対応するのか。 中島候補は親子留学(※)の促進や学校給食のメニュー充実を図り特色の有る学習環境を目指すほか、移住定住を進めるための宅地造成や空き家や空き宅地の活用、計画的な公営住宅の建設を訴え、菊池候補は人口の「維持」を目指し、空き家の有効活用による移住者の居住地確保が必要で所有者の元に足を運んで対面で交渉するとしています。

(※)中島候補が言う「親子留学」とは長野県が進める「信州自然留学」のコトで、子どもと親が1年以上公営住宅等に移住して暮らし、地元の学校に通う形です。 詳しくは下記サイトをご覧ください。


②「立原高原つつじ祭り」の今後

 村内に「立原高原キャンプ場」というキャンプ場が有ります。 標高1,400mに位置し真夏でも涼しいので避暑キャンプが、真冬には−20℃まで下がる冬山キャンプが楽しめ、またサウナテントにコテージ、シャワーにランドリーや水洗トイレも完備し近くには日帰り温泉「南相木温泉 滝見の湯」が有り、ビギナーからキャンプ上級者まで幅広く人気でGoogle評価は「☆4.4」となっています。
 場内には、つつじ園も有り、毎年6月には「立原高原つつじ祭り」が行われていました。

(2013年のポスター)
(2018年のポスター)

 と、このように芸能人の歌謡ショーなどが行われ「村まつり」としては結構な規模で開催していたようですが、

(2023年のポスター)

 やはりこれだけの芸能人を呼ぶイベントを続けるのは厳しかったのでしょうか。 昨年を以て祭りは終了となりました。 現職の中島候補は「他のイベントに振り替える。 祭り終了に伴い空いた駐車場はキャンプサイトの拡充に利用したい」と述べ、菊池候補は「つつじ祭りの復活」を訴えます。

 それでは選挙戦の模様は有料部分で。
 合わせて「POINT」でも触れた、地方の自治体では度々課題として挙がる「空き家問題」について調べてみましたので、宜しければ御購読いただきたく存じます。


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◆中島 則保(なかじま のりやす)候補

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