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選挙結果振り返り(2024 11.24投票)


 昨日の選挙のキーワードは「与野党相乗り」。

 当記事では取り上げていませんが、名古屋市長選では「自民・公明・立憲・国民民主」が推薦した候補が河村たかし前市長の後継候補に敗れるというコトが起きましたが、実は「与野党相乗り」候補が出た選挙は他にもあったのです。 そちらではどういう結果が出たのかを見ていただきたく。

 ・・・の、前に、まずは「選挙出まくりマン」の結果を見ていただきましょうか。

 



▼【今週の彦治】和歌山県・広川町長選挙

 3期途中の前職が病気で亡くなられてしまったコトに伴い行われる選挙で、町議を5期17年務めた人が出てきたので無投票で決まるのだろうと思われましたが、そこに何故か小西彦治氏が乗り込んできました。 先週、兵庫県議補選に出馬し(当然ながら落選し)てから中1日の出馬でした。

 結果は言わずもがな元町議が当選しましたが、彦治氏は得票率10%を超えられず、供託金没収となってしまいました。

(“首長選シリーズ” の戦績)
(クリックやタップで拡大してご覧ください)

 やはり、前職が亡くなられたコトに伴う選挙で、どう考えたって “弔いムード” が広がっていたハズで、相手の元町議はまだ48歳と彦治氏より年下。 加えて和歌山県は昨年11月~今年2月まで続いた “連勝記録” を「6」で止められた地。 ここと東北は相性が悪いと見ていた中の出馬でした。
  常々、「高齢、多選、現職」の選挙を狙っていると公言して憚らなかった彦治氏が一体何のために出てきたのだろうという疑問しか湧きません。
 これで供託金没収ラインの「得票率10%」を基準とした首長選の通算戦績は「13勝5敗1ドタキャン」となり、没収された供託金の合計額は350万円に達しました(※もちろん、当落を基準にした通算戦績は、0勝18敗1ドタキャン)。

 さて、次はどちらで出てくるのか。 今のところ情報は出ていませんが、明日(11/26)告示の選挙で言えば、

ココが候補になるのですが・・・ 私は今後も “選挙出まくり” を続けるとは思えず、兵庫県知事選の結果を受けて、

兵庫県議をSNS上で誹謗中傷したとして刑事告訴されたコトでお馴染みの人が地域政党を立ち上げて兵庫県内の首長選に候補を立てると宣言しているので、それに乗っかってくるような気がしているのですが、彦治氏はどうするのか・・・

 それにしても、1年4か月になる “首長選シリーズ” で350万円を失っても活動を続けるなんて、貧乏人の私には理解できない世界線です。 350万円を上回る “儲け” や “リターン” が得られたり出来ているからなのでしょうか・・・()

 

◎青森県・田舎館村議会議員補欠選挙(定数3/4人)

 日本最高齢首長だった現職が退くというコトで、次の村長を決める選挙に村議8人中4人も出てしまい、村長選と同時に辞職して出馬した1人の補欠選挙が行われ、今回は村議を自動失職して出馬した3人の議席を埋める選挙でしたが、結果は村長選で落選した元村議と先月の補選に出馬していた2人が当選しました。 やはり先月の補選に出て顔と名前を売れば実質的に倍の選挙活動が出来たコトになるので、それが大きかったのだと思われます。

 ただ、結果がどうあれ、田舎館村ではこの2か月で4件の選挙が行われた(衆院選、村長選、村議補選×2)ので村民は大変だったろうと思います。 これで一段落です。 お疲れさまでした。


◎茨城県・古河市長選挙

 3期目を目指す現職に、8年前に現職に敗れた元職と県議を辞して出馬した新人が挑む選挙は、現職が3選を果たしました。

 現職には公明が推薦を出しているのに対し、新人は県議時代、自民公認の議員でした。 自公で支持が割れているようです。
 わざわざ県議を辞めさせてまで出馬させるのだから、自民は本気で獲りに来ているように見えますが、別の見方をすると新人は県議を7期25年務めた74歳。 現職よりも11歳年上です。 なので世代交代の波に押されて県議を辞めざるを得なかったかもしれず、やむなく市長選に出てきたのかも、という見方も出来ました。
 そして結果を見ると、2012年に市長となり1期務めるも2016年に敗れ、2020年にリベンジを挑むも返り討ちに遭った元職(通算6度目の市長選で1勝5敗)が一定数の票を獲っており、彼の “市長選出まくり” な仕草を考えれば今回も出馬する可能性が大きかったと事前に分かっていたハズで、それでも出馬してきたというのは、やはり半ば “肩たたき” されて市長選に出馬、せざるを得なかったのではないかと、私には見えます。 


◎愛知県・知立市長選挙

 4期務めた現職が出馬せず、元県議と元市議にシルバー人材センター勤務の新人3人が次の座を争った選挙は、元市議が初当選を果たしました。

 現職が市議を2期6年務めた49歳の女性を後継指名し、そこに自民・立憲・公明・国民民主の4党に加え連合愛知と全トヨタ労連が推薦を出しというのだから実質コレで決まりでした。
 それでも元県議が接戦に持ち込めたのは、同日に行われた名古屋市長選同様「vs与野党相乗り候補」という構図で河村たかし前名古屋市長も応援に入っており、ゼロ打ちで与野党相乗り候補が敗れた名古屋市長選の流れ、というか、ニュースで県内に大きく報じられていたであろう “空気感” がこの選挙に流れ込んできたのだろうと私は見ています。

 それにしても、私がこの選挙で最も驚いた74歳の男性候補の選挙公報が全く話題にならなかったのが意外でした。 あんなにとんでもないコトが書かれていたのに・・・

(クリックやタップで拡大してご覧ください)

「1971年より世界統一平和家庭連合(旧世界基督教統一神霊協会・統一教会)に献身し会員となりました。」

 ですよ。 当然ながら全く票が獲れず供託金も没収となりましたが、ここまで堂々とカミングアウトしての出馬は前代未聞だと思いますが、鈴木エイト氏にtwitter-Xで知らせたものの、リアクションは有りませんでした(涙)


◎三重県・四日市市長選挙

 3期目を目指す現職に元市議の2人が挑む選挙は、現職が3選を果たしました。

 現職はまだ46歳。 その若さに加え、自民・立憲・維新・公明・国民民主の5党が推薦を出しており、それを活かしての圧勝です。
 相手が市議1期の実績しかなくて “反ワク界隈の大物”、内海聡氏が応援している人と、市議6期の実績は有れど現職より30歳も年上の76歳というマッチメイクだったので現職の信任投票の色合いが強いものとなっていましたが得票率64%と過半数を超えたので、与野党相乗りなのに敗れた名古屋市長選と違い知立市と四日市市では相乗り効果が充分に出た結果となりました。

 あとは現職がいつ “上” を目指すのか。 いや、目指してもらわないと四日市市で多選になって、風通しの悪い「王国」を築きかねません。 だって、4年後に4期目を目指す選挙に出たとしても、まだ50歳ですからね・・・


◎三重県・桑名市長選挙

 4期目を目指す現職に元トラック運転手が挑む一騎打ちは、現職が4選を果たしました。

 「元トラック運転手」という肩書きだとガテン系バリバリなイメージを抱きますが、愛知県出身桑名市育ちで、30歳の時に北海道に移住したり、愛知に戻ってからラジオパーソナリティを務めたりを経てトラックドライバーになるも荷台から落下して脊髄を損傷し入院。 退院後、桑名に戻り市民活動を続けてきたという苦労人が現職に挑みましたが、壁は高すぎたようです。
 何故なら現職へは、自民・立憲・公明・国民民主が推薦。 こちらも「与野党相乗り」候補で、その組織力で戦われたら敵わないでしょう。 相乗りを肯定するワケではないですし立憲とかには「乗っかってんじゃねーよ!」と文句のひとつも言いたくなりますが、地方には地方の事情が有るのです、ハイ。


◎奈良県・天川村議会議員選挙(定数7/8人)

 現職5人、元職1人、新人2人が立候補し、全員無所属&全員男性の選挙は、新人1人が落選しました。

 ・・・なんて結果はどうでもよく、注目は前回驚異の「92.28%」という驚異の投票率が今回どうなるか、でしたが、結果は「85.98%」と6.30ポイント下げて9割を下回ってしまいました。
 もちろんそれでもとんでもなく高い投票率であるコトに変わりはないのですが、マイナス6.30ポイントは結構な下がり方なので、投票率の減少はすべからく全国に及んでいるというコトなのでしょう。


◎高知県・大豊町長選挙

 2期目を目指す現職に元副町長が挑む一騎打ちは元副町長が99票差で現職に競り勝ち、初当選を果たしました。

 「元副首長」という人が立候補する時は現職が退任する際に後継指名されて出てくるのが大半ですが、たまにこうやって現職と副首長が対峙する時が有ります。 ここのケースが元副町長が今年3月末で現職に辞表届を提出しており、“謀反” の要素が有るかもしれません。

 と、いうのも、過去には町長が指名した副町長が4年後町長選に出てきて現職が敗れ、勝った副町長が町長就任後、町をメチャクチャにしやがって、前町長が「彼を副町長に指名したのは一生の不覚!」と悔いていたコトが有ったのです。それは、この町(←リンク参照)のコトなんですが、「2期目を目指す現職 vs 現職に仕えていた副町長」という構図や、町の規模が全く同じなので、キナ臭さを感じてしまうのは私だけでしょうか。

 現職も町職員だった人で退職時の役職は「住民課長」で、対する元副町長の職員時代の役職は「総務課長」。 肩書きのランクとして「総務課長」が上でしょうから、新人は副町長として現職に仕えていた時から「格下意識」が無かったのかもしれませんね。 

 何はともあれ、当選した元副町長は先述したこの町(←リンク参照)のようなコトにならないよう、町民を向いた行政運営をしてほしいと願うばかりです。


◎鹿児島県・鹿児島市長選挙

 2期目を目指す現職に元市議が挑む一騎打ちです。

 元市議は共産から推薦を受け、市長選に挑むのは今回で4度目(2008年、2016年、2020年、2024年)となります。

 という構図を見て察しがついた通りの結果となりました。 なので事実上の現職信任投票で、サッカー場建設の是非が争点となっていましたが、約84%の得票率となったので計画は進んでいくのでしょうし、

 今年3月から運用を始めた公式アプリがマイナンバーカードを登録しないとまともに使えないというクソ使用で2億近い金をかけて登録者が8月末で439人という悲惨な状況が発生していますが、それも問題にはならなかったのでしょう(そもそも登録者が僅かだからアプリの存在を知らない人も多いだろうし)。

 ただ、どういう結果になろうと、こうやって選挙になったからこうやって信任度合が可視化できたワケなので、4度目も立候補してくれた新人へは敬意を表したいと思います。

 しかし、鹿児島県の県庁所在地で県内唯一の中核市である鹿児島市で、投票率が「27.21%」って・・・ 天川村を少しは見習わなさいよ・・・


◎鹿児島県・鹿児島市議会議員補欠選挙(定数1/5人)

 体調不良による辞職で生じた欠員を埋める選挙で、元職2人、新人3人が1議席を争い、立憲公認の元職が返り咲きを果たしました。

 自民系無所属の候補が3人も出て票が割れ、それを足せば立憲公認候補を上回りますが大きな差ではないため、一本化して結束しない限り立憲の元職には敵わなかったでしょう。

 その立憲の元職は唯一の女性候補だったので構図としても有利ではありましたが、それよりも何よりも、先日の衆院選で当選した川内博史氏が公務の合間を縫って応援に入るなど、本選同様、むしろ本戦で立憲は複数の候補を立てていたので、“一本化” となった今回は本選以上にチカラを入れた選挙運動が実を結んだのだと言えるでしょう。

 ただし、投票率が市長選同様「27.20%」。 昨年の本選が「40.70%」なので恐ろしい下がりっぷりです。 市長選と同時に行われたにもかかわらず、コレ。 市議補選のせいではないですし、市長選の結果が見えていたからだとはいえ、返す返すも何故こんな低投票率になってしまったのでしょうか・・・



以上です
候補者の皆様の御健闘をお祈り申し上げます


「今週の選挙」テーマ曲
ギターパンダ / 選挙に行ったけど



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金城ガンヂ
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