【#118】長野県・駒ヶ根市長選挙&市議会議員補欠選挙レポート(2024 1.21)
こういう構図は全国どの選挙でも見られるものです。 そしてそのほとんどは上記の左側が現職で右側が新人なのですが、この市長選は上記3項目のうちひとつだけが「現職」と「新人」の構図が逆になっていて、それは何かというのがこの選挙のポイントでした。
2期目を目指す記者出身の現職に市議選2期連続トップ当選した若手が挑んだ一騎打ち。 ともに無所属同士の争い、に見えましたが実は市の未来を(文字通り)左右する選挙だった、その内実を、レポートします。
◆駒ヶ根(こまがね)市・概要
※先月リリースした「駒ヶ根市議選レポート」でも書きましたが、駒ヶ根市の「が」はカタカナで、「小さい『ヶ』」が正しい文字になります。「大きい『ケ』」ではないのでご注意ください。
面積:165.86㎢(長野県 第27位 / 77市町村)
人口:31,459人(第16位)※2023年12月1日現在
人口密度:189.67人/㎢(第25位)※2023年12月1日現在
平均年齢:48.98歳(若い順 第15位)
衆議院は長野5区に属し、宮下一郎(自民 6期)氏を選出
◆市長選・立候補者
2期目を目指す現職に2期途中まで務めた市議を辞して市長選に挑む新人が挑む一騎打ちです。
◎松﨑 剛也(まつざき ごうや)候補
松﨑候補は駒ヶ根市出身。 日本大学芸術学部(日芸)卒業後、俳優を志し室井滋さんのもとで修業をしますが、2003年に燃料業を営む叔父の急逝に伴い帰郷し事業を継承。 また「劇団サムライナッツ」を旗揚げし市民会館大ホールで公演を行うまでに成長させます。
2019年の駒ヶ根市議選にトップで初当選。 2023年にも連続トップ当選しますが10月に辞職し、準備を進め今回の市長選に立候補。「動かそう未来のために」を掲げ市長の座を目指します。
◎伊藤 祐三(いとう ゆうぞう)候補
伊藤候補は中央大学卒業後、1984年に毎日新聞入社。 地方紙局勤務を経験し93年に共同通信社に移り、経済分野を中心に取材していきます。 2020年の駒ヶ根市長選に立候補するために帰郷し初当選し、今回「まちづくり、もっともっと前へ!」と掲げ2期目を目指します。
◆前回(2020年)の選挙結果
前回は当時の杉本市長が退任し、次の座を巡り市議1期途中で市長選に出た小松原氏と元記者で市長選のために帰郷した伊藤氏が争い、伊藤氏が初当選を果たしました。
それでは市長選の模様・・・ の前に、同時に行われた市議補選について軽く触れておきます。
◆市議補選・立候補者
松﨑市議が市長選出馬のために辞職したコトを受けて行わ本選補選は、松﨑氏と同じ下平区を拠点とする福澤候補と昨年4月の市議選(本選)に続いての出馬となる相馬候補との一騎打ちです。
写真の通り、相馬候補のポスターはドコを見ても有りませんでした。 その時点で「皆まで言うな」かもしれませんが、一応候補者を見ていきましょうか。
◎福澤 美香(ふくざわ みか)候補
福澤候補は東京都出身。 専門学校卒業後、半導体商社に就職。 26歳の時にワーキングホリデーを利用しニュージーランドに行き農園を巡り、帰国後に生花業に転職。 2010年に家族で駒ヶ根市に引っ越し現在は花屋さんと花き農家として活動中。 今回「市民の目線で一歩ずつ」と掲げて初当選を目指します。
選挙公報はコチラ。 松﨑氏と同じ地区、つまり松﨑氏の後継候補なので当選は既定路線。 告示直前まで無投票が濃厚だったのですが、そこに出てきたのが・・・
◎相馬 相治(そうま ともはる)候補
市内で不動産屋さんを開き代表に名前が有るのは確認できたのですが、それ以外の情報が見つからずポスターも有りません。 ただ、前述の通り昨年4月の市議選本選にも出馬していたので、その時のポスターを参考までに。
こーいう方です。 昨年の市議選も無投票が濃厚な中に出馬し選挙戦となり最下位で唯一の落選。 そのような方なので選挙公報は・・・
手書きクオリティで御座います。 主に訴えたいコトは「食の安全」のようでそれはそれで訴えれば宜しいのですが「抗ガン剤は効果がない!」などと現代医療を否定するようなコトを書くのは如何なものかと。 実際にガンに罹患し抗がん剤が効かなかったという経験に基く主張であれば言う資格も有るのでしょうが、自らの病歴は何処にも書いていないので単なる浅知恵でしょう。 大人げないのは分かっていますが「じゃあアンタがガンになったら現代医療全部断れよ!」とも言いたくなります。
◆市議補選・選挙結果
と、いうワケで、当然の如く福澤候補が当選したのでした。 コレで駒ヶ根市議15名中女性議員が5名となり3分の1に達しました。 めでたいコトです。 今後の頑張り(候補者発掘)次第では半数超えも夢では有りません。 期待したいトコロです。
では、本丸である市長選の話に戻りましょう。 私には珍しく複数回取材に入ったのは家から比較的近い場所で行われたコトが最大の理由では有りましたが、この選挙は駒ヶ根市の「今後」を決める重要な選択だったのです。 それこそ、
のレベルで・・・
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◆ミニ集会
両氏とも告示前に多くのミニ集会を市内各地で開いており、それぞれ1回ずつ取材しました。
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