【#131】山梨県・北杜市議会議員選挙レポート(2024 11.14)
同日に行われた北杜市長選のレポートでも触れましたが、北杜市は「北巨摩郡」の5町3村が丸ごとひとつに合併して出来た市です。 合併前の8自治体を地図で見ますれば、
このようになっています。 これを標高と照らし合わしますと、
市の西側、旧白州村~旧武川村の僅かな低地に国道20号が走り、その東側を「七里岩」という、ほぼ崖な台地の先端がそびえ立ち市内を分断。 崖を超えて東側に中央道と中央本線が走っていますがルートは旧小淵沢町~旧長坂町を通る程度で、旧須玉町の山間部や八ヶ岳連峰が近い旧大泉村や旧高根町への利便性は低い。 そして旧明野村は韮崎市に行く方が便利。 という状況です。
では旧自治体毎の人口分布はどうなっているかといいますと、
となっており、清里高原がある高根町が最も多く、中央道のICが有る長坂町と小淵沢町が続き、面積が大きい大泉村と市役所が有る須玉町、小さいながら低地が多い明野村と続き、国道沿いながら低地が少ない白州村と武川村が人口が少ない2地区という並びです。
市長選レポートでも書きましたが、あまりにも無理筋な広大な合併をしたため地区によって生活環境は大きく異なります。 そして、多くの旧自治体が合併して誕生した新自治体で行われる議員選挙は、旧自治体から何名議員が出るかが見どころなのです。
これらを踏まえてこの選挙を見ると、旧自治体同士の “勢力争い” が見えてくるかもしれません。 一緒に見ていきましょうか。
◆前回(2020年)の選挙結果(定数20/21名)
まず、前回の選挙結果から旧自治体の議員数を見ていきます。
前回はこのような結果でした。 当選者を旧自治体別に分けると、
となります。 武川村が人口に比べて多くの議員を出していますが、白州町の1人と合わせて4人で議会の5分の1を占めるコトで、市内(崖を隔てて)西側の主張を市政に反映させているのだと見て取れます。 さて、今回はどうでしょうか。
◆立候補者(定数20/22名)
現職15人、新人7人が立候補し、党派別では公明と共産が2名ずつ立てた、女性候補4名の計22名で20議席を争います。
では候補者を旧自治体別で分けますと、
となり、大泉村が2名、武川村と白州町で1名ずつ増えた一方、長坂町が2名減となっています。 なので増えた3地区から出ている候補が厳しい戦いになるように感じますが、果たしてどうなるでしょうか。 まずは、お会いするコトは出来なかったものの注目していた候補について触れていきます。
◆“上” に行くための足場固め
髙見澤 伸光(たかみざわ のぶみつ)候補は甲府工業卒。 俳優活動や音楽活動をし、測量会社で働いた後、宮川典子衆院議員の秘書となりますが、宮川氏が2019年に乳がんのため40歳という若さで亡くなられてしまい、髙見澤候補はその意思を継ぐとして政治家を志し2020年の市議選で初当選。 今回「常に全力!!」と掲げ2期目を目指します。
髙見澤候補はその若さと経歴から、いずれ “もっと上” を狙える逸材として周囲からの期待が大きい人物です。
小淵沢地区の選挙事務所に行くと本人は不在で、事務所に来ていた甲府市議の方に話を聞きましたが、やはり市議として務めるのは次の任期までにして、そこから新たな道へ進んでほしいという旨を話しており、周囲の期待は変わらず大きいのだと感じました。
選挙公報はコチラ。 前回に続いて気になるのは選挙公報の内容が、薄い。
若手議員の先頭に立って活動しているのは確かなので、実績や政策をもっと書いていただきたい。 それにもうそろそろ宮川さんから “独り立ち” する頃ではないかと思いつつ、これから “上” を目指すならば絶好の「肩書き」になるコトは確かなので、それは仕方ないのかな、と。
気になるのは前回が長坂町から出ていたのに対し今回は小淵沢町から出ているコト。 引っ越しか何か有ったのかもしれませんが、人口がより多い長坂町から候補者がより多い小淵沢町に移ったコトが悪い方向に出なければイイのですが・・・
では、ここから先は有料部分で。 髙見澤候補と同じく “上” を狙いそうな候補や実際に取材出来た候補について書いていきます。 そして、落選した候補はポスターを見れば大体理由が分かる、という話も。
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