【レポート #18】参議院議員補欠選挙・長野選挙区レポート(2021 4.25)
私にとって初の国政選挙取材となった参院長野補選。 羽田雄一郎氏が去年末に新型コロナによって亡くなったコトを受けての補欠選挙、しかも候補のひとりは雄一郎氏の実弟、というコトでおおよそ結果が見える選挙だと言われていました。 確かにそのような結果になりましたが今回のようなシチュエーションの選挙だからこそ与野党の新型コロナに対する取り組み方が見えてきたのです。 兄の議席を守ろうと出馬した実力未知数の弟に対するは衆院議員経験も有る実績抜群な医者という(事実上の)一騎打ちとなった選挙戦を、レポートします。
◆長野県・概要
・面積:13,562.23㎢(全国4位)群馬県・埼玉県・山梨県・静岡県・愛知県・岐阜県・富山県・新潟県と8つの県と隣接し最も多くの都道府県と隣接している県だが、大体が山を越えての越境となるため往来は容易ではない
・人口:2,034,145人(全国16位)※2021年4月1日現在 面積と比較していただくと如何に “山だらけ” かお分かりいただけるかと
・長野県を「信州」と呼ぶコト、呼ぶ人が多いのは(ザックリ言うと)明治初期に長野県北部と中・南部の2つに分かれていたのが合併した時に名前が「長野県」となった歴史があり中・南部地域の人は「長野」という名前より「信州」という名に親近感が有るため
・長野県の魅力がギッシリ詰められた県歌「信濃の国」 長野県民は小学校の授業で習うらしく、歌詞を暗記している人も多くて歌詞カードが有れば誰もが歌える、らしい(私は長野在住の沖縄人なので全く歌えませんが・・・)
・2005年に県南部の山口村が岐阜県中津川市と越境合併する。 これにより木曽路の観光地である馬籠塾と偉人・島崎藤村が岐阜県のものとなる
・知事:阿部守一(3期目) 旧態依然とした長野県政を打破したが、あまりにも急激な政策転換でハレーションが大きすぎた田中康夫知事時代→田中県政の揺り戻しで保守化した村井仁知事時代を経て田中知事時代に副知事を務めた経験の有る阿部知事が民主党(当時)などの支持を受け当選。 保守に偏り過ぎず、且つ田中知事とは対照的な堅実な県政運営をしているため県民の支持は高い
・長野県選出の国会議員は下記の通り(敬称略)
◆立候補者
・小松 裕(こまつ ゆたか)候補
小松候補は松本市生まれで信州大学医学部卒業後、東京大学病院、国立スポーツ科学センターなどで内科医、スポーツドクターとして勤務。 5回のオリンピックやWBCでチームドクターとして帯同した経験があります。
2012年に自民党から衆院選に長野1区から出馬、比例(復活)当選で2期務めましたが2017年の衆院選で比例でも届かず落選し2019年に参院選に出馬も落選。 今回の選挙で議員返り咲きを狙います。
・羽田 次郎(はた じろう)候補
羽田候補は東京出身で米国ノースカロライナ州のウェイクフォレスト大学 を中退後、父・羽田孜元総理の秘書を務めた経験があり、現在は「フェザーフィールド株式会社」の代表取締役です。 兄の羽田雄一郎氏が新型コロナで急逝し、その議席を守るために今回立候補を決意しました。
◆POINT① 「羽田次郎」とは何者か?
立候補者紹介を見てお気づきかもしれませんが、羽田次郎候補はこれまで(血縁をのぞけば)長野県とはほとんど関係が無い人物です。 羽田元総理の秘書経験があるとはいえ政治に近い人物では無かった・・・ と言いたいところですが、実はこれまで2回選挙に立候補した経験が有るのです。
なので政治家になりたい気持ちは有ったようですがいずれも東京からの出馬。 2017年以降は政治活動が無く如何に今回急遽の出馬となったかが分かります。 もし以前から長野県で出馬したいと思っていたのなら、兄の雄一郎氏は今年の衆院選で長野3区への鞍替えがウワサされており、そうなれば兄の後継候補として前もって長野入りしていたハズで「兄の意思を継ぐ」以外の志が見えにくいのが正直なところです。
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