【レポート #52】長野県・小谷村議会議員選挙レポート(2022 4.24)
日本でもトップクラスに呼び名が難しいのが、今回の長野県小谷村です。
小学校低学年で習うような漢字なのに何故難しいのか? それは「小さい谷」と書いて「こたに」でも「おたに」でもなく、「おたり」と呼ぶから。
そんな「ながのけんおたりむら=長野県小谷村」には村及び周辺地域が長年願っている悲願があり、それが実現しないジレンマの中で村民は生活し続けています。 選挙のレポートとしては弱いかもしれませんが、中山間部の自治体の実情を知っていただきたい、という気持ちを込めて書き出してみます。
◆概要
面積:267.91㎢(長野県 第13/77位) 北安曇郡に属し、長野市、北安曇郡白馬村、新潟県糸魚川市、妙高市と接する
人口:2,691人(長野県 第64位)※2022年4月27日現在 “平成の大合併” の時期に南隣の白馬村との合併を模索するも村民アンケートで反対が多数のため協議から離脱。 単独村政を選択し現在に至る
村全体が特別豪雪地帯に指定され、多くのスキー場を抱える
国道148号沿いに建つ「道の駅おたり」は日帰り温泉施設「深山の湯」が併設。 温泉利用で道の駅の食事が半額となるサービスが人気で、利用者で賑わっている(※詳細は下記サイトをご覧ください)
◆立候補者(定数10/12名)
◆POINT
①新人候補が7名
候補者12名中、半数を超える7名が新人候補で、結果がどうなろうと選挙後は議員の半数がガラリと入れ替わるという、世代交代的な意味合いのある選挙です。
前回(2018年)は9名立候補の定数割れで翌年補欠選で1名が無投票当選でしたが今回は2名落選という選挙戦になっています。 過去の選挙を見ると過去20年で2002年が無投票でしたが今回を含む4回は選挙戦となっており、中山間部の自治体という事情を鑑みれば比較的良好だといえるでしょう。
②地域の悲願「松本糸魚川連絡道路」
松本市から安曇野地方~白馬・小谷~新潟県糸魚川市までの間は現在、国道148号とJR大糸線が結んでいますが、このルートは物流や観光振興の面でも非常に重要であるため、高規格道路「松本糸魚川連絡道路」(以下、「松糸道路」)を作ろうという計画が昭和の時代から計画されていましたが現在においても完成されていません。
長野側の起点となる「安曇野道路」については今年4月に事業化され、いよいよ実現に動き出しました。 が、安曇野の北側にある小谷村にとっては観光とか物流とかの話では無く、松糸道路は「命の道路」なのです。
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