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妄想彼女:「ミサ」という憧れの人

【はじめに】

ミサ(仮名)は実在した俺の憧れの人だ。
付き合うとかの問題じゃない。そこにいてくれればいい。そんな人だった。

少し妄想を付け加え、ここ記します。

【出会い】

俺は就職で地元に帰ってきていた。
景気の悪い時だったが、就職先が決まっていただけラッキーだった。

やはり、新入社員は例年より少ないとのことだ。
10分の1くらいらしい。

なので、同期は少ない分まとまりがある。
女子は5名ほど。みな元気がよい。大人しい俺としては声もかけられない。

新入社員。これから何が待ち受けているのか?
会社、社会って?考えてもわからない。

学生の頃、社会人の子と付き合ってた時に学生とは世界が違うと感じた自分を思い出していた。
あの辛い思い出とは、これで終わりだ。

・・・

入社後のオリエンテーションで断トツのオーラを放っている女子がいた。
ミサだ。いつも輪の中心にいて、決定権を持っている。

ある意味で逆らえない。やさしい口調だが、発言に何か自信が見え隠れする。
ミサは男子の誰を抑えればよいか理解している。と感じとってしまった。

【憧れ】

当然、俺は主力メンバーでないので、規制されずに好きに行動していた。
たまに主力メンバーと遊んでいたが、女子達とは少し距離を置くようにしていた。

ミサは何か違う。親の関係の「うんぬん」があるのは確実だ。
配属先が人事なんて、普通じゃない。

ミサの出世は凄まじい。同期で一番早い。
なおさら声をかけずらい。社内情報もかなり深い部分を知っているようだ。

でも、なんか気になる。
最初の印象って、かなり残るな~。

ミサキの本心はわからないが、あの笑顔で「よろしくね」なんて言われたら・・・。
と思うと、好みなのは間違いがない。

細身で、背格好もよい。抱きしめたくなる。
少し前にすごく好きな人がいたが、ちょっと重なってくる。

でも、もうあそこまで人を好きにはなれない。
それに、告白したところで結末は分かっている。

憧れで止めておこう。

【ミサとは?】

入社してすぐに結婚、3年ほどで出産休暇から復帰しその後は女性活躍推進の中心的存在となる。
30代であっという間に役員入りだ。世間の会社方針の波にものっている。

人事本部長の役職が与えられ、各所で講演会、他社交流とすさまじ活躍だ。
とても声をかけることはできない。

そんなある日、退社したとのうわさを聞いた。
会社のマスコットでなく、本当のやりたいことをしたいのだという。

言われたことさえできない俺とは世界が違うな。。。と落ち込んでしまう。

【本当のミサとは?】

ミサは固定概念が嫌いだ。
男性、女性、仕事、私生活にかかわらず、不平等が許せないらしい。

現在の社会環境を理解せず、やれば売れた時代のやり方に固執する会社も嫌いだ。
今まで職場環境改善で会社と戦ってきた。でも会社側も譲れない。

今の経営層は不要と唱えたミサは行動に移してしまう。
さすがに会社のマスコットは別の人が担当になると同時に行き場を失ったミサは退社する。

最後まで芯の強い人だ。次の会社も決まっていて、やはり労務に関わるようだ。
周囲から弱みを握っれないように、いつも気が張っている感じだ。

本当のミサはお酒好きで、ムフムフ笑ういい子なのに・・・。

【再会】

コロナも収まりつつある日、同期会が開かれた。何年ぶりだろう。
ミサも来ていた。前より少しやわらかい雰囲気を感じた。

いい笑顔だ。憧れてた頃を思い出す。
相変わらずのスリムさだ。太ったと言うがシルエットからは全くそうは見えない。

話の内容も子供の話が多い感じだ。
やっと庶民的になってきた。なんか話しかけられらそうだ。

【ほぼ初の会話】

今日は隣に座れた。
同期の人気者が大きな声で、アホな話を話している。

入社時から変わらない飲み会ムードは継続中だな。
ミサも飲みながらムフムフと笑っている。

どうも息子大好きママらしい。
お互いの子供の話で盛り上がっていた。

会社の役職や看板がないっていいな~。
今回の出席者で数人は既に別の会社で働いている。気が楽だ。

同期は半分くらい転職したかな?
俺はまだ居ようと思ってるな。きっと。

【また憧れになった】

そろそろ本日の同期会も終了だ。
初めてだな、こんな同期会。
急な開催で人数も少ないお陰か、ミサと会話もできた。

なんだか、うれしいな。憧れの人だもんな。
初めてこんなに話をしたな。

次回の同期会では、こんなに上手く隣には座れなさそうだ。
また憧れになったっちゃったよ~。

終わり

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