【バンクーバー】ジャパレスで働いてみての感想
日本からバンクーバーに来て、早1カ月と数日。
そして、バンクーバーのジャパレスで働き始めて約10日。
これまで日本で流れていた時間と比較できないくらい濃縮された時間が流れている。
それを充実と解釈できる程、僕は前向きでも横向きでもない。(どちらかと言うと斜め後ろ向き)
散々痛めつけられたし、ある日には回復の機会をごっそりと持っていかれたこともある。
濃縮というのは、簡単に言ってしまえば早送りみたいなものだ。
日本で過ごしていた1年という期間を早送りにして、1か月ですべてを経験したら、容易にキャパオーバーするだろう。
まさにその状態に近い。
僕は未だに溢流した情報を処理しきれないまま、コップの淵から落ちる酒を
「よいしょ、よいしょ」言いながら必死に飲み続けている。
酔っぱらおうが、吐こうが、飲まなきゃいけない時なんてないのに、
飲み続けないと生きていけない錯覚と焦燥感に多かれ少なかれ誰もが囚われている。
特に日本人は多くの人が、たかが、
コップを置いて一言「いや、もう結構です」を自分のために言えない。
そんな僕も、溢れ出た酒の泉から、なんとか首を突き立て、やっとのこさ息を吸いながら生きている。
今日も仕事帰りだ。ローカルで働いたことなんてないけれど、見る限りジャパレスよりも、気楽に自由に、自己を確立させて仕事をしているように見える。
仕事の一部に人生がある日本人と、
人生の一部が仕事に過ぎない海外ってか。
僕はジャパレスで働いてみて、こんなことを思った。
※もちろん職場によって違うだろうけれど。
結局、『根性論』『最低賃金』『長時間労働』の三拍子かいな
この三拍子を掲げたジャパレスは案外多いのだと知って、驚いた。
日本人は海外に来てまで店を出して、経済を低迷させた方法で人を雇い続けて、店を回しているとは思いもしなかった。
とあるラーメン屋の求人には「チップあり」と書いているが、オーナーがチップを中抜きしていて雀の涙程度にしかチップが出ない飲食店もあるようだ。
それもこれも全てオーナーに責任があるわけでもなくて、日本の政治への無関心への姿勢が、ブラックなり、グレーなりを撲滅せず、むしろ温床になっていることに起因しているのだろうと思う。
つまり、ブラック企業でも働く人々がいるから、企業は変わる必要がないのだ。
もしも、ブラック企業に対してボイコットを起こしたり、応募数を0にしたら、業務が停滞するため急いで組織風土や就業条件、雇用形態、福利厚生などを手厚くして、改善するだろう。
簡単に言ってしまえば、足元を見られ続けてるし、自らその足元にしがみ続けているのが、現代日本人の国民性ということだ。
僕も漏れなく、集団主義の列のどこかにいる誰かだ。
だから僕は最低賃金の10時間以上労働の根性論重視の店で
今日も元気に(元気なフリ)して『いらっしゃいませ』だ。
日本ではもっとブラック企業で仕事をしていたこともあるから、今はそこまで辛くない。(もはや病気だ。病名は自分の人生そっちのけ社畜病)
あと100年もして未来の人間が僕たちの労働環境を振り返って
『彼らは人としてではなく、歯車として生きることを集団的に望んだ二足歩行の不思議な生態を選び取った稀有な生物だ』などと嘲笑するのではないか。
それがやりきれないよね。
生まれてくる時代がもう少し遅かったら、労働に対して考え方が正反対の時代に生まれ生活することができたのかもしれないのだから。
そうなると、僕には重大な課題が残る。
生まれる時代が異なると、今ベッドで眠っている婚約者に出会えない。
それは困るから
『根性論』『最低賃金』『長時間労働』でも少しは我慢してやらなくもない。(あとは勉強してもう少し楽できる環境をつくりましょ)
ふと、店の外を見なければ留学していることを忘れそうになる。
1日10時間程度も日本語環境の中でキッチンをやっていると、作業の合間に気怠くなった手を止めて、ふと店の外を見ないと
自分は今バンクーバーにいるという実感が得られない。
もちろん客は外国人が多いが、キッチンで客対応することなど皆無だ。
窓の外を見て、自分が留学しているんだなぁとぼんやり考えていると
『これは日本と何が違うんだ?」なんて考えに及ぶこともある。
長時間やりたくもない仕事をして、日本特有のルールに延々と首を傾げながら形骸化したシステムにも従って、本当にこれでよいのか?と。
対策として僕の場合は、休みの日にバンクーバーを感じられるスポットであったり、イベントに参加することによって没入感を維持しているが、
ワーホリで来て働きづめの人は、長時間労働中に何を考え感じているのだろうか、気になる。
罪と罰の登場人物である スヴィドリガイロフだか誰かが言っていた。
『人生を楽しむコツは、どれだけ長いこと自分を騙し続けることができるか』
まとめ
現在のジャパレスで働く前は、就職難ということでなんでもいいから働かせてくれぇ、と悲痛の叫びを発しながら応募していたが、
実際に働いてみると、『なんでもやりますからぁ!』という精神のほかにも育まれる意識がある。
それが上記したものたちだ。
それが嫌な人は、現在よりも良さそうなジャパレス職場環境に飛ぶなり、奮ってローカルの扉をたたき続けるしかない。
僕が今やめる決断に至っていないのは、そこで働いているスタッフ達は僕にとって害の少ない人たちと判断しているからだ。
もしかしたら、オーストラリアにも行くかもしれない未来の自分よ、
なるだけ頑張って勉強して、なるだけローカルに近い職場で働いてくれよな。
さあて来週のmouriさんは
・筋トレ中ダンベルでガラスを割る
・家賃滞納した部屋で打ち上げ花火
・mouri帰国だってよ
来週もまた見てくださいねぇ
じゃんけんポン(グーかチョキかパーを出していると思う)