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「偉大な自然を科学するということ」日本を守る”縁の下の力持ち”達の熱い想いに触れて

皆さん、こんばんは。山崎美穂です。

先週はキャリア選択について書いてきましたが、本記事では私自身の専門分野や研究内容について書いていきます。どんどんマニアックになっていきますが、ご容赦ください。

①飛び込んだ山地保全学研究室とは?

研究室を選んだ経緯は前回の記事に書きましたが、いよいよ大学4回生から研究室に配属されました。正式名称でいうと、京都大学大学院農学研究科 森林科学専攻 山地保全学分野という研究室にいました。

何を対象に研究していたかというと、、、、下記の通りです。

 山地は日本の陸地の7割を占めており、毎年各地で土石流や斜面崩壊による悲惨な災害が発生しています。このような土砂災害を防止して、被害を軽減することが求められています。 また、山地のほとんどを占める森林は「緑のダム」機能を持ち、利水や治水に寄与していると言われますが、科学的に実証されたわけではありません。
 山地保全学分野では、フィールド観測、室内実験、数値シミュレーションなどの手法を組み合わせ、山地での土砂や水の移動の実態を明らかにし、より安全で快適な社会の構築に貢献すべく研究を行っています。

山地保全学分野研究室HP

色々難しいことも学んだけれど、個人的には偉大な自然を科学し、人間と地球との共生につなげていけるところに魅力を感じていました

②砂防”SABO”とは?

山地保全学研究室の中で、では具体的に何を自分が研究していたかというと専門は砂防分野でした。
あまりにも専門用語なので、いきなり砂防といっても多くの人は「サボウ?」とハテナが飛ぶかと思います。

文字通り、砂を防ぐ、つまり『土砂災害を防ぐためにどうすればいいか』というが一番シンプルな説明です。

もっと詳しい説明はこちら↓

我国では雨や地震などに伴い土石流、がけ崩れ、地すべりが発生し多くの尊い人命や財産(家屋、田畑、公共施設など生活や社会的活動に必要なもの)が奪われています。このように土砂により引き起こされる災害のことを「土砂災害」と言いますが、土砂災害を防止・軽減するための対策が「砂防」です。
国土面積の7割を山地が占める日本では山に囲まれた谷地やその下流で開けた扇状地、また火山周辺のなだらかな台地が生活や産業活動の場として利用されており、このような場を守る「砂防」という技術は日本においてとくに著しく発展、普及しています。このため“sabo”という言葉は世界でも通用する言葉となっています。

砂防学会HP

この砂防分野は、世界的にみても日本が総本山になっている分野で、理由は日本が気候や地形等の条件上、土砂災害が最も起こりやすい国だからです。

この事実は研究室に入ってから体感したことでしたが、どうせ学ぶのであれば研究の最先端な場所に飛び込めたことがとてもラッキーで、そのおかげで沢山のかけがえのない経験をさせていただきました。

③砂防学会にて

研究といえば、学会発表というイメージがありますよね。
では砂防分野でどのような学会に参加していたかというと、まさに砂防学会でした。

平成25年4月、砂防学会は公益社団法人として新たなスタートを切りました。
砂防学の進歩、砂防事業の発展、並びに砂防技術者の資質の向上を図り、もって国土の保全、国民生活の安全、学術文化の進展と社会の発展等に寄与することを目的としています。

砂防学会HP

当時私が参加していた砂防学会は、皆の前でプレゼンをする講演発表や、ポスター展示をして来てくださった方に説明をするポスター発表がありました。来る方は皆、同じ専門分野にいる研究者や、砂防や土木・環境といったコンサル会社の方が多くて基本的には知識が豊富なので、一生懸命に脂汗を書きながら研究内容を話したことを覚えています。
ちなみに、修士論文のテーマは「降雨浸透計算と斜面安定解析を組み合わせた斜面崩壊の再現手法」でしたが、この話はまた追って。

まとめ

今回は、自分が所属していた研究室や学会について書いてみました。
農学部とはいえ、理系の中でもかなり土木よりの、かなりマニアックな分野なので分かる人にはわかるという感じかもしれません。

また砂防分野の研究を通じて感じていたのは、生活を支える基盤インフラの重要性です。インフラはうまくいってて当たり前だからこそ、ピンチの時ほど目立ちます。土砂災害が起きて被害が生じた時に、ダムや災害対策の必要性がわかるように、逆に対策がうまくいってて何事もないと誰にもほめてもらえない、まさに”縁の下の力持ち”。

目立たない、でも必ず誰かがやらなきゃならない。

そんな意義のある仕事で、扱うものが大きいからこそロマンもあって、そこに想いを持って取り組んでおられる諸先輩方はそりゃあもう熱意がすごかったんです。
9割以上が男性のような感じで、研究内容だけじゃなく空気感的にもTHE泥臭い分野でしたが、私はその場所が大好きでした。

ここまで読んでいただきありがとうございました。


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