見出し画像

映画『憐れみの3章』をひょんなことから見てきた

もともとは、『マミー』という和歌山毒物カレー事件の容疑者を取り上げたドキュメンタリー映画を見たいと思っていたのですが、なんと上映時刻を間違えていた・・・。まあいいや、と隣の映画館で見たのがこれでした。

もうどうにも止まらない!

何の映画を見たときだったか、『憐れみの3章』の予告編を見て、面白そうだなーと思ってはいたんですよね。エマ・ストーンのダンスがキレッキレでかっこよかったし。

で、見終わった今どう思っているかというと、どうもこうもあの、私のような小物には受け止めかねましたが、見たことを後悔しているかと言われれば決してしていない!そういう映画でした。

その名の通り、映画は3つの章から成り立っている。登場する役者はどの章も共通。メインどころだけじゃなくて、端役の人も割と共通していて、第1章出てきた車にひかれた人が第3章で・・・みたいな感じだ。

キーワードは、夢、車、性・・・かな。なんか極めてアメリカ的と言えるかもしれないと思った。アメリカ、1回しか行ったことがないですけど。
あとは、やけのヤンパチと言いますか、登場人物の皆さん「いや、確かにそう言われたけど、そこまでやらなくていいんじゃないかな・・・」と突っ走ってしまうんですねえ。ハッ、もうどうにも止まらないッ!!

3つの章はこんな感じ

第1章は、上司なのかなんなのか、年配の男に支配される若い男(といっても30代?)の話。食生活から読む本、妻との性生活まで、あらゆる面で年配の男に支配されている。ただ、あるオーダーだけは勇を鼓して断るのだが、その結果は・・・という話。

第2章。海難事故で行方不明になっていた妻が、やっと帰ってきた警察官の男。だが、なんだか様子がおかしい。この女は妻によく似ているが別人なのでは・・・?しかし、妻もまた夫に違和感を感じていた。こじれにこじれた2人の関係。レバーは体にいいけど調達方法は要検討だ。

そして第3章。夫と娘と別れ、ある宗教団体?の活動に身を投じている女。なんでか、この手の宗教団体って水を重んじるんだなあ。まあ大事ですけどね、水。私も水は大好き。この女は、教団の指令である人物を探しているのだが、なかなか上手くいかない。家族との決別、教団からの糾弾、さまざまな試練を経てついに「この人!」という方を見つけるのだが、文字通り、突っ走ってしまったのだねえ・・・。

第3章が身につまされた

どの話も面白かった・・・というかインパクトがあったのだけれど、中でも第3章が印象深かった。
といっても、最後だったからかもしれない。第1章とかもホントに・・・、「そこまでやります?」という感じだったから。

第3章の主人公、宗教にはまっちまった女、エミリーは、この手の人によくあるけれどもとにかく純粋でまっすぐ。この集団の教義はもう、ホントに見るからにマユツバなんだけれども、エミリーはすっかり心酔しきっている。

娘と夫がいる家には時おり戻っていて、娘の部屋にプレゼントを置いたり、聖水(たぶん教祖様たちがお作りになったやつ。冷静に見ればキチャない)を撒いたりしている。

娘は10歳くらいか。まだまだママが恋しい年ごろ。夫はとても優しげないい人で、すっかり狂ってしまった妻を、まだなんとか家庭に向かわせようとしている。

物語の終盤、エミリーは教団から破門される。
全てを失ったのだから、きっぱり心を入れ替え、あの家に帰って頭を下げたら、夫も娘も受け入れてくれるんじゃないかと思うのだが、さにあらず。ここからもう一踏ん張りしちゃうんだなあ。しなきゃよかったのに・・・。
あと、犬がかわいそう。

3つの章を通して、私が一番感情移入したのは、エミリーの夫かな?
まあ、この人は普通の人だったから。とはいえ、人の飲み物に薬を入れてちゃダメだけどね。
家族が、ある特定の考えに絡め取られているってツライものだ。でも、夫婦でも親子でも別々の人間なのだから、考え方が全く合わなくなっちゃうことってあるのだろう。悲しい。でもそれが人間だからなあ・・・。

この映画から何かを学ぶとすれば?

まあ、何でもそうだけど、「やり過ぎるのは危険だ」ってことかな。冷静に見たら「それは間違っていますよ」という方向にぐいぐい努力していってしまう人って、現実社会にもいるものだ。
もしかしたら自分もそうなっていて、会社なんかで「あの人ホントに・・・ねえ・・・?」って言われているかもしれない。気をつけよう。

そしてもう一つ。シートベルトは必ず締めよう。助手席も。後部座席も。

まだ公開してるので、よろしかったらどうぞ!
でも家族連れでは行かない方がいいかな。カップルも「我こそは!」と思う方はぜひ。

https://www.searchlightpictures.jp/movies/kindsofkindness


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?