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ビール好きな人が奥多摩に行くべき理由~VERTERE初訪問記~

私はビールが大好きだ。
居酒屋で飲む生ビールはもちろん、コンビニのサッポロ一番搾りも、上司にそそぐ赤星も、サークルで先輩が頼んでいたピッチャーのビールも。
でも私が特に好きなのはクラフトビール

ずっと行きたいとは思っていたけれど家からは遠くて諦めていたクラフトビールの聖地(勝手な感想です・・・)、奥多摩に足をはこんだ記録をここに!そして私は一人でも多くのビール好きが足をはこぶべきだと確信した、ほんとうに。

きっかけ

ちょっとだけわたしと、一緒に訪れた友人のビール歴について。

当時中学生の私が出会ったのちのビール友達は、原宿でパステルピンクを身にまとった高校生だった。韓国から輸入したカラコンの危険性について親に語られるウザさをマクドナルドで聞かされたことを覚えている。(1dayを2週間つけてたらそりゃ怒られるよね。。)

大学生になった私はその友人がやっていた学食巡りサークルに一人で入り、飲み会だけ参加する幽霊部員になった。その時から友人は飲み会でビールを飲み散らかしていたけど18歳の私には「ソレ」はただの苦い飲み物でしかなく、濁ったオレンジを飲んでいた。

そんな私がビールを飲むようになったのはブルームーンのおかげといっても過言ではない。

日本法人撤退のニュースが悲しすぎる・・・こんなに飲みやすくて日本人の下にも合う、手に入りやすいいラベルもかわいいコスパが良いビールって他にあるの?!

濁った〇〇オレンジカクテルが定番だった私には、フルーティー且つ甘さはなく食事にも合う、さっぱりとしたブルームーンがビールの扉を開く第一歩になった。

そのあとはブルームーンの残り香を探すようにクラフトビールの森に軽装備で入っていっては、両手に溢れんばかりのホップを抱えながら家に帰るようなことが続いた。

一番好きなHazy IPAに落ち着いたのはここ1年くらいの話。

大学卒業後も友人とは都内ビアバーを巡ってはクラフトビールの森の深さに愕然とすることを繰り返すこと数回、ついにVERTEREに行くことに決めた。

VERTERE(バテレ)について

新宿から電車で2時間、奥多摩駅に向かう車窓は東京のものではないくらい緑で埋め尽くされていた。途中駅で降りる家族は麦わら帽子に虫取り網、登山リュックや釣り道具など、ここが自然の宝庫であることをひしと感じさせる装いでわくわく。

奥多摩駅を降りるとこれまた緑の風が吹き、ハーこれはビールがおいしいわけだ!と飲む前から友人と目を合わせて踊り出しそうになった、あぶないあぶない。

JR奥多摩駅 改札前

古民家を改装したBeer Cafe VERTEREは入り口からすでに趣の塊で、非日常感がたっぷり。週末のみのオープンだからこそ、休みの日をのんびり過ごしたい大人たちでぎっしりの店内だった。

運よく待ち時間なしで店内席に。テラス席は緑色の風になびかれてビールというもちろん大好きなシチュエーションだけど、さすがに暑すぎて断念。

私たちが訪れた日のタップはこんな感じ。

え、これ全部タップなの?醸造してるの?とおたおたする友人。
私は現地に来たのは初めてなものの、もともとVERTEREオタクだったためたくさん缶で楽しんできた。もちろんえげつない種類を醸造していることも知っていたのでしてやったりな気持ち。

わたしも友人もIPA(Indian Pale Ale)が好きなので7,8,9に思いを馳せながらあーだこーだ言いながら幕開けした日曜日・・・

きっと誰が来ても楽しめるCafe

まず私は9番のPassifloraを、友人は7番のLebbeckを選択。


冒頭にも少し書いたが私はHazy IPAに目がないのだ。ホップとアルコールを通常のペールエールよりも大量に使用しているIPA。これは苦みや香りが強いのが特徴だけど、Hazy IPAはドライホッピング製法によって苦みが抑えられるのにホップの香りだけは残す、といういいとこどりで・・・

とにもかくにもジューシーでフルーティーで香りが最高なビールとして覚えていてください。これだけでいいです。

片道2時間半かけてきた私たちはあまりにもおなかがペコだったので、迷わずホットドッグも注文。とはいっても4,5種類ある中から迷いに迷い5分くらいかけてスパイシードッグがいいよね~と決めたはずなのに、友人はレジ前の一瞬で本日のドッグに変えてました。選択スピードがバグってる・・

わたしのスパイシードッグと友人の牛肉の煮込みドッグ

フードメニューもホットドッグの他にもサラダ、シャルキュトリー、ピクルスからスイーツまでそろっていて、お子様連れもいっぱいいらっしゃいました。

どこかのニュース番組の取材が来ていて、いやぁ~これが人気らしくって!IPAってなんですか?と鼻がレンズにくっつきそうなほど近くで。特集をするらしいけどどんどん広がってどのコンビニでもたくさんのIPAが手に入るようになればいいのになと考えながら。。。

そんなこんなでカンパイを見せてください!!と言われてしまったので写真ではちょっと減ってるけど、なみなみにそそいでもらったPassifloraを。

おいしい。いくらなんでもおいしすぎる。
何度か缶でいただいたことはあるけどやっぱりタップはおいしい。
缶よりも圧倒的に感じるハーブの風味、苦さも少し優しく包み込むよう。
トロピカルでポップな味わいではありつつも、そのトロピカルさも国内のものっぽいというか、なんというか。
VERTEREの中でも言わずと知れた名品だけど、パイントで飲んですっきりさとIPAのもつコクのバランスにひれ伏した。

2杯目は8番のMagnolia。

これはDIPA。ダブルIPAの略で、文字通り通常のIPAよりもホップを2倍使用している。だから苦みが強いのかといわれると、そうでもなかったりもする。
ブラックコーヒーだって砂糖を入れれば甘くなるように、何を合わせていくかによって苦みの方向性も変わる。

IBUは21と市販のビールと大体同じくらいだったけど、じわじわくるいやーな苦みではなく、きりっと効いてくるような苦み。オレンジとかのアロマがしっかりと香って、DIPAとは思えないフルーティーさ。

3杯目は10番のIdea。

「なんだこれは」
というのが本当に正直な感想。私は普段ビールビールしたものを好んで飲んでいるのでこういうサワービールはとても新鮮に感じた。
フレーバーとしてバナナピューレ、ブルーベリー果汁をたっぷりと使用していて、ブルーベリーの甘さと乳酸菌由来の酸味がのどに爽やかすぎる!

ビールって言われなければもはやビールじゃないような。普段ビールの苦みとかホップの強い香りが苦手な人もきっとこれなら楽しめる。

4杯目は2番のPursh。

最後はさっぱりしたものをと選んだこちら。ベルギーに起源を持つBelgian Witと呼ばれるスタイルの小麦ビールで、伝統的に使用されているコリアンダーシードがいい風味・・・!
ラストにふさわしいアロマが香る1杯でした。

これにてカフェでのビールタイムは終了。
ハーほんとうにおいしいものばっかりで満足満足。だけでは終わらないのがまたすごいところ。併設されているショップでビールをおうちまでもって帰れるのが小旅行の楽しさ、ハッピービールライフ!!

VERTERE SHOP

今回はLebbeckとTristisを購入しました。
Lebbeckはタップで友人が飲んでいたDIPA、TristisはなんとTIPA・トリプルIPAだそう!

どちらもやっぱりホップの香りが注いだ瞬間からグラスの中にぐっと広がって、おうちでも同居者と二人でうおー!と声をあげてしまった・・

TIPAのほうがDIPAよりも濃くて複雑な味で、食事と合わせるというよりは一口一口をじっくり味わうの向け。DIPAはとってもバランスが良く、うまみが強い苦みの後にも甘さのアロマが香ってすごく楽しみやすかった。毎日飲みたいと懇願したら誰かが家に届けてくれたりしないだろうか。いや、自分からしっかりストックを買いに行くしかないなと確信させられる味。

ショップにはビール4,5種類の他にもTシャツやグラス・トートバッグなども置いていて、どれもシックでロゴの刺繍もかわいかった。着るたびにビールを思い出すTシャツなんて最高じゃないか。

クラフトビールってまだまだ奥が深い

VERTEREを訪問してみて、その場でも10タップすべて飲んでみることはできなかったというのにクラフトビールの何を知っているのか深く悩んだり悩まなかったり。
今やビールのスタイルは細かく分けると百数十種類も存在する。その中で好みを探っていくのは至難の業。。もちろん海外のものだと輸入料も高くつくし、なんだって体がそんなビールの量に対応していない悲しさもある。

来年の今頃には「あ~Hazyが好きな頃もあったな!」などと言いながらどす緑色のビールを飲んでいるかもしれない、それくらい分からない。

最近ではオモコロの記事でのフローチャートが分かりやすかったのでビールの好みの森に足を踏み入れようとしている人は見てみるといい。

JUNERAYさん作 ビール診断

わたしのこの訪問記を読んで奥多摩に行ってみようと思う人がいればもちろん本望だし、苦手な人が「ビールってこんなに人を狂わせる飲み物なんだな」って独自の解釈を展開してくれても嬉しい。なんでもうれしい。

まだまだ私のビールの旅は続く、今度はぜったいにWEST COAST BREWINGのビールホテルに泊まるぞ・・・!(客室に設置されているタップで10L飲み放題らしい。死ぬぞ。)


おわり

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