ウクライナ戦争の見通し

ロシアの保有する核の脅威

ウクライナはNATO加盟国ではないからNATO加盟国はロシア・ウクライナ間の戦争に参戦する義務はない。しかし、米国を筆頭とするNATO諸国が武器支援にとどめているのはそのためだけでなく、真の理由はロシアが保有する核兵器にあるのでしょう。

経済規模で言えばロシアは米国の8%程度です。しかしG D P規模が小さくても、石油、天然ガス、金等の天然資源は豊富です。又、広い国土が小麦などの少量は輸出するくらい豊富。更にはロシアの10倍の人口がいる中国が石油などを買ってくれる。インドも中立的態度をとっている。ロシアに対する経済制裁はその効果よりも、西側諸国に対するダメージの方が遥かに大きいように思えます。

米国の軍事力を持ってすればロシアを簡単に叩けると思うのですが、米国はなかなか手を出しません。私はその理由はロシアの核の脅威のだと考えています。

(戦略核兵器と戦術核兵器)
戦略核兵器はプーチン大統領と国防大臣、参謀長がボタンを押さないと起動できないと言われています。しかし、戦術核兵器は小型でありいろいろな部隊へ配備済み。現地の指揮官の指示があればいつでも使えるらしい。
どちらも恐ろしい兵器ですが、第三次世界大戦のような大きなリスクはやはり戦略核兵器でしょう。米国や英国の諜報機関はこの核兵器がどこに貯蔵されているのか、それぞれがどれだけの量なのか把握しているのでしょうか?戦略核兵器は大型のミサイルであり、特別な発射台も必要でしょうから衛星写真でかなり実態を把握しているとも考えられますが、我々一般市民には公開されていないので分かりません。

(核のボタン)
プーチン大統領側近が常に携帯している核のボタンのカバン。その中身の機能はなんでしょう?核ミサイルの発射ボタンそのものではなく、発射ボタンに欠けているロックを解除するコンピュータ・通信機器と考えられます。信憑性に疑問がありますが、プーチン大統領と連絡が取れなくなるとミサイルが米国向けに自動的に発射されるプログラムが組まれているという話もあります。

米国が最も恐れているのは何か?
「NATO加盟国でないウクライナの戦争に参戦する責任はない」というのが当初の考え方でした。しかし、膨大な弾薬と兵器を送り支援している現状ではこれは虚しい言い訳にしか聞こえません。

それではこの非常事態を解決するためになぜ米国はロシアに直接攻撃しないのでしょうか? ロシアがここまで非人道的戦争行為をおこなった現在、それが戦争を早期に集結させることになるならばNATOによるロシア攻撃は少なくとも西側諸国からは非難されないと思います。

ロシアの反撃で核兵器を使った第三次世界大戦に発展する恐れがあるというのは具体的にはどのような事でしょうか?

ロシアの核攻撃を防ぐ方法:
核弾頭そのもの又は核弾頭を搭載したミサイルを爆破、撃墜することは放射能汚染の拡大を考えると現実的ではないでしょう。
従って、
 核弾頭を搭載出来るミサイルを核弾頭搭載前に破壊する。
 核弾頭をつけたミサイルの発射制御をしているコンピュータを破壊する。
 核ミサイルの発射台を破壊する。
 核のボタンを盗む。
という方法になるのでしょうか?

これらはかなり困難なタスクであると推測します。だとするとプーチン大統領が率いるロシア、北朝鮮、イスラム過激派のような自滅をも覚悟で攻撃してくる可能性のある国の核攻撃には甚大な放射能汚染を覚悟しなければならなくなる。これが米国の恐れている理由なのでしょうか?

これはロシア、北朝鮮、イスラム過激派の核の脅しに屈することになります。 現在のウクライナ戦争を長引かせることでロシアの通常兵器をいくら消費させても核兵器や化学兵器の脅威は変わりません。

ロシアの通常兵器を消耗させるために戦争を長引かせることは意味があるのでしょうか?

残されているのはプーチン政権の転覆だけか?
核の脅威を取り除くためにはいくら“北風”を吹かせてもダメであり、政権交代で話し合いができるような体制作り、“太陽”作戦が必要なのではないでしょうか?

専門家の解説を聞きたい。それとも軍事機密であり本当のところは誰も言及できないのだろうか?