子供が外でうろちょろすることにイライラしていませんか?
子育てにうまくいかないことはつきもの。
でも、知ると気が楽になることってあります。そう言うことだったの、と腑に落ちるだけで、不思議なほどストレスが軽減されるんです。
今回は、私のそんな経験を記録しておきたいと思います。
外では自由に闊歩する娘、家ではベタベタの謎
子供が1歳時代のこと。
よちよちと自分で歩き回れるようになり、最初の頃は愛らしいのですが、だんだんと行動範囲が広がり、外では自由に歩きたがるように。
家では「ママ、ママ」とどこにでも付いてきて、「抱っこ抱っこ」とせがむのに、外では手を繋ぐのも抱っこ紐も嫌がって、縦横無尽に歩いて私のことなんか見やしない!言うことを聞いてくれーーーー!と言うのが一時、とてもストレスでした。
そんなお母さんも多いのでは?
(世のお母さんはそんなことないのかな。。)
外で好き勝手に立ち止まったり歩いたりする娘に「早く帰ろうよ・・」とイライラしながらもなんとか帰ると、今度は「抱っこして〜」が始まるんです。いざ「お夕飯の準備しよ」とか「トイレ!」って時に抱っこをせがまれても「私の言うこと外ではまるっきし無視してたのに、家事の邪魔してなんだよもーーーー」とムカッとしてしまうのですよ。。
そしてまた、翌日、外に出ると、抱っこは嫌がり、あちこちにヨチヨチと歩く娘の背中に「抱っこしようよ〜今抱っここないと家でも抱っこしないぞ〜」なんて言ったこともあったっけ。
そンな頃、たまたま手に取った本「子どもの脳を傷つける親たち」を読んで、あることを知り、目の前が晴れたようにスッキリしたのです。
「愛着」と「安全と探索」
私のイライラを消し去ってくれた考え、それは、
子供時代に「愛着(attachment)」をいかに築くかが、その後の人生にー特に精神的な面においてー大きな影響を与える
そして、
人間の子供が健やかに育つには、「安全と探索」と言う二つの側面が必要であり、愛着がしっかり築かれていないと、この二つは正常に機能しない
と言うものです。これらは、世界の心理学者や精神医学者たちの研究によって明らかになったことだそうです。具体的な事例や、研究の背景などを本を通して知ると、その信ぴょう性もまた、ずしっと理解できると思います。
人の発達に欠かせない「愛着」とは
愛着とは、特定の養育者との間に形成される強い結びつきのこと。
赤ちゃんの頃に、
・不安を感じて泣くと、養育者が自分のところに来てくれる
・一生懸命ハイハイで養育者の後を追い、極力離れずに過ごす
と言うことを何度も何度も繰り返すことで、子供は、養育者を「安心できる安全な場所」として認識し、愛着が形成されていくのだそうです。
泣いて抱っこしてもらうだけが安心の確認だった子供はいずれ、
・目と目を合わせるだけでホッとする
・笑い合う、会話をするなど気持ちの良いコミュニケーションを覚える
・近くにいなくても、親に愛されていると言うイメージだけで安心できる
と言うように、愛着を豊かに、強固にし、さらには、徐々に親以外の人も安心、信頼できることを学んでいきます。
「安全と探索」が成長に不可欠
そうして愛着が形成されると、愛着のある養育者のもとが子どもにとっての「安全地帯」になります。
そして子供は、この安全地帯を足がかりにして、興味や好奇心の赴くまま外の世界へ冒険をする。安全地帯があるからこそ、時には危険を冒し、勇気を出して一歩踏み出しては周囲を探索しながら、自分の世界を広げていくのだそうです。
脳の発達に大事な幼少期、好奇心や興味を引き出しながら、見たり、聞いたり、触ったりして、世界を知り、自立の準備ていくわけです。
冒険をして疲れると、愛着のある養育者のところ(安全地帯)に戻って不安や緊張をほぐし、また次の冒険へのガソリン(愛情)を補給をして、次の冒険に出ていくことを繰り返し健全な成長を遂げていきます。
外でちょこまかし出したら、子育て順調のサイン!
この「愛着」と、「安全と探索」の概念を知り、よくわかりました。
外でちょこまかちょこまかするのは、私との愛着があるからこそできること。
好奇心や探究心の赴くまま冒険するのは、あらゆる成長の土台。
家でママを求めるのは、不安を乗り越え勇気を出して冒険した疲れを癒すため。
我が子は順調に成長し、泣いて愛着行動を示す段階から、「安全と探索」の段階にステップアップしたことの証。
そうだったのかー!と感動しました。嬉しい気持ちになったことを覚えています。
そしてそれ以来、私自身感じ方が変わりました。
外出時、娘が歩きたがったら「よしよし好きなだけ冒険してこい!」と。
帰宅するなり「抱っこ」と言う娘に、「今日もたくさん冒険して頑張ったねー!」と何よりも優先してハグ。
それまでのイライラはすっかり消えました。
どんと構えて娘を冒険に送り出し(つつ後をつける)、帰ったらたっぷりスキンシップをとる、と言うことが余裕を持ってできるようになりました。
最後に
ただ、私の文章を読んで誤解しないで欲しいのは、「外でもあまり歩き回らず、外でも抱っこばかりの子は、発達していない証拠」と言っている訳ではありません。
「AということはB」というのは、「AでなければBでない」ということでありませんので、誤解なきよう。
とにかく「子供の脳を傷つける親たち」という本を読んで、私は、育児順調のサインをもらった気持ちになりました。
愛着形成については、愛着を幼少期に得られなかったが故に起こる愛着障害を知ると、愛着形成がいかに大切かよくわかります。そのあたりもこの本に丁寧に説明されていますので、タイトルはセンセーショナルですが、育児する上で参考になることが色々とあります。興味のある方にはオススメです。