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読書の記録(32)『扉の向う側』 ヤマザキマリ マガジンハウス

手にしたきっかけ

ヤマザキマリさんの生き方にひかれる。
しなやかだけれど、タフなところ。
自分で道を切りひらいてこられたことろ。

今までに出されたほとんどのエッセイを読んできている。読むたびに、目のつけどころや、ご本人の価値観をサラリと文章で伝えてくれるところが心に響く。ヤマザキマリさんの新刊だったので、読んでみようと思った。

心に残ったところ

雑誌『ku:nel』の連載をまとめたもの。全部で27のエッセイが収められている。

育休中に『テルマエ・ロマエ』にはまり、何度も読んだ。映画『テルマエ・ロマエ』は子どもたちも大好き。特に次男は録画したものもを何度も何度も見ていた。子どもたちは映画から入り、いつの間にか家に置いていた漫画も全て読破していた。

ヤマザキマリさんの生き方にも憧れるけれど、息子さんのデルス君の生き方も素敵だと思う。否応なしに次々と変わる環境に適応していくデルス君。どこにいっても、いつのまにか馴染んでいるように見える。いろいろな苦労はあるのだろうけど、自分で乗り越えていく様はヤマザキマリさんの生き方に通じるものがあると思う。

『乗り物の中での出会い』『ブラジル移民』『てっちゃんの筆入れ』『ハルさんの葉書』『象の灰皿』『リスボンの学校と穴の空いた靴下』が特に印象に残った。どのエッセイも、自分の体験や感情に働きかけてくる感じがする。こんなこともあったな、ちょっと似た体験があるな、などとしみじみ思いを巡らせるのも、せわしない日常の中でちょっとゆったりと時間だと思う。せかせかと動いてしまいがちなので、こうしたゆったりとした時間をとれるのも読書の効用だと思う。

まとめ

voicyで、野本響子さんの『東南アジアから未来が見えるラジオ』を聴いている。『グローバル』や『多様性』について考えさせられた。

自分とは全く違う価値観のところで生活する。そんな体験はなかなか子どもにさせてやれない。ヤマザキマリさんや、野本響子さんのように海外での生活に憧れはある。その一方、新しいことを思い切って始めるのには勇気がいるし、適応できるかどうか不安もある。普通であること、人と同じであること、に安心してしまう自分もいる。

だからこそ、世界は広いということ、いろんな人生があること、を本で知ることができるのが楽しい。かつて椎名誠さんのエッセイを夢中になって読んでいたことを思い出した。


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