読書の記録(50)『アカペラ』山本文緒 新潮社
手にしたきっかけ
なんとなく、山本文緒さんの作品が読みたくなった。図書館で借りて私が読んだのは上の水色の表紙のもの。水色にポットの絵が描かれているもの。
noteに感想を書こうとしてAmazonのリンクを張ろうとしたら、文庫本があることを知った。文庫本の表紙の画像に目が釘付けになった。
『成瀬は天下を取りにいく』の人の絵だ!調べたら、ざしきわらしという人だった。女の子の目線というか目力が印象的。
この子はたまこ?!私が想像していたのはもうちょっとほんわかした感じだったけれど、でもこの絵を見てしまったら、この絵のたまこが脳内に上書きされた。ざしきわらしさんの絵が、印象的すぎる!
心に残ったところ
『アカペラ』『ソリチュード』『ネロリ』と3つの短編が収められている。どれも、そんなことある?そんな関係ある?というお話なんだけど、話の展開の速さというか、テンポの良さで、するすると読ませてしまう。えっ?え~!?と思いながらも、ページをめくる手が止まらない。この人の文章、面白いなあとしみじみ思う。と同時に、もう読めないのかと思うとしんみりしてしまう。
『ソリチュード』を読んでいて『自転しながら公転する』を思い出した。私は先に『自転しながら公転する』を読んでいた。愛すべきどうしようもないイケメン、春一は寛一を彷彿とさせる。春一の方が先か。イケメンなんだけれど、行き当たりばったりで、人たらしで、いつも助けてくれる誰かが現れて…という感じが似ている。
実際にはそんな人いないんじゃない?と思いつつ、いや意外といるのかも、と思ったりもする。お隣に住む人や、電車でたまたま隣り合わせた人がこんな生活していても不思議ではない、と思わせてくれる不思議なリアルな感じがする。
どの話もさらりと読めるけれどすごく印象に残る。『ばにらさま』を読んだときもそうだった。どうやってこういう物語が生まれるのだろう。私の生きてきた中ではまだ出会っていない人たちだけど、確かに存在しているという感じがする。
まとめ
作家さんの想像力、創造力ってすごい。どうやったら思いつくんだろう。どうやってお話に組み立てるんだろう。私はただワクワクしながら読むのが楽しい。
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