パラダイス 観劇レポ@9/27 森ノ宮ピロティホール(ネタバレあり!)
ども。もちもち太郎です。
昨日、丸山さんが主演する赤堀雅秋さん作・演出の舞台「パラダイス」を観劇して来ました。
私は少し体調を崩しやすいので実際に生を観に行く回数こそ少ないものの、舞台のお芝居は大好きでして…(劇団で言うとNACSがだーいすきなのだ)
なので大好きな舞台演劇&大好きな人(丸山さんはもちろん、八嶋さんや坂井さんなども!)を感じることができたため、昨日はとても幸せでした。
そんな私が昨日思ったことを、勢いに任せて書いてみようと思います。
要所要所でネタバレしちゃうので、まだ観てない、知りたくない方はここでUターンを。笑
①シンプルに観る方の体力がめっちゃ消耗された
観てるだけでキツい。社会の闇や事件を曖昧にせず描写しているので、観客側の消耗するエネルギーは相当だったように思います。最近本当にあった事件の状況をそのまま描いているところもあったし…こゎぃょ…
なのでこれを実際に動きつつセリフを喋っていく演者の方々の体力を考えると恐ろしいったらありゃしない。1日2公演ある日もあるやん。死ぬど。
②丸山さんが表現する人間の様々な感情
丸山さん演じる梶浩一が、話す人や環境によって雰囲気がガラリと変わるのが人間らしくもあり怖かった。
ヤクザの辺見といる時だんだん憎しみが増していくところ、特殊詐欺グループのメンバーに対しての態度(世間への憎しみをメンバーにも向けているように感じられました。特に冒頭の暴力シーンえげつくて…私最後列だったのですがそれでちょうど良かったかもしれない。怖くて。)、そして家族といる時の態度。
私がその中で1番印象に残ったのは、家族といる時の梶でした。常にヘラヘラ笑っていて、弱く返事をする。家の腐ったニラの臭い(=人間らしさ、人間臭さ)が嫌で家を出た梶ですが、5年ぶり以上に家に帰るとその人間らしさに温かさを覚えてしまったのではないでしょうか。
そしてまた家族の会話が妙にリアルな嫌味のレベルなんですよ…、ほんとによくある、母と父の小競り合いを娘が嫌になりながらもなだめる図…。でも、そこには確かに「家族の愛」も感じられて。赤堀さん凄い方だなと思いました。
あと、真鍋に対する態度も人間味があって苦しかったです。梶の弱い部分が出ていた。
個人的に、丸山さんってこういう人間の陰を演じるのが器用な人というイメージがあります。
③ここ凄い!と思った役者さんのお芝居
まず、八嶋智人さんの声量。舞台人の凄さを体感しました。ほかの演者さんの声ももちろん聞き取りやすく圧倒されましたが、八嶋さんの声は最後列の私にも重く響きました。また役柄がほんと〜に怖い人だったので余計に…突然大声に切り替わるセリフは、もはや心臓に悪かったです笑 ほんとに、ほんとに凄い方です。
あと、小野花梨さんの電話をかけまくる、いわゆるかけ子のシーンも圧倒されました。風俗を経て世間を恨む望月(小野さんの役名)が叫ぶように話すセリフに、特殊詐欺だとはわかっていても、悪いことだとは分かっていても、感情移入せざるを得なかったです。最後、成功して泣き叫ぶところはこちらまで泣いてしまいました。
そして中年男役で出演した赤堀さん。ほんっとに怖かった。1番狂気じみていました。辺見たちがバーベキューをしているところにふらっと現れて、ヘラっと笑いながら富士山のことを話しているとき、口調は穏やかなのに背筋が凍ったことを覚えています。最後の赤いガスタンクを持って捲し立てるところも、世の中の闇を見ているようで怖かったです。(ここが例の本当にあった事件のようなシーンですね)
④梶浩一の未来
最後になりますが、梶の今後についてのことを。
最後、私たちに委ねるような終わり方でしたよね。青木に銃を向けられたところで暗転し、最後の家のシーンでも姉に呼ばれたのは姉の息子か梶かは分からない。
でも、私は梶じゃないかなと。そうであってほしいと願っています。
カレーを事前に用意していなかったというのもあるし、なんとなく、姉は急に帰ってきた人に声を掛けたようなニュアンスに感じられたんです。梶は詐欺グループから足を洗ってまた0からやり直してほしいな。闇の世界にいた梶が家族という温かさを知って、また新しい一歩を踏み出せたらいいな。そう思いました。
梶は常に周りの人に影響を受けていたので、演じる丸山さんはマッジでキツいやろな〜と思って見ていました。人によってお芝居のテイストも変わるし、ましてや舞台なのでその日その日で多少変わるだろうし。本当に尊敬します。
ここまでバーッと書き切りました!パラダイス、やべえっす。恐ろしいっす、色んな意味で。
2年越しに叶った念願の舞台。どうか何事もなく、無事に最後まで完走できますように。