見出し画像

保険診療という、豪華客船に乗った日本国民…でもそれは泥舟かもしれない。医者はオワコンか?現役脳神経外科部長の見解。


さて、今回はシビアなテーマに切り込みたいと思います。
私のこれまでの経験を踏まえ、現役で一線で働く医師の正直な見解、魂の咆哮です。

これから医者を目指す人、医学部生で進路に迷う人にもぜひ読んでいただきたいです。

日本の医療は保険診療。それは誰でも保険で安く標準治療という医学的に最高の治療が受けられる、まさに豪華客船。しかしそれが水面下で少しずつ崩れ始めているかもしれない。医療者のモラルハザードは起こり始め、当たり前だったものが瓦解するかもしれない…。

後半は有料です。
これはそれなりに核心に迫る内容が含まれており、読む人に一定のフィルターをかけたいからです。ご容赦下さい。

課金して損はさせません。
開業を検討している人にも刺さるお金の話もします。
どうぞよろしくお願いします。




モチベ高かった後輩の自由診療への転身

猛烈な円安、社会保険料の増加、5-6年前より給料は増えたはずなのに、全然手元に残るお金は増えない

むしろ、色々な手当は省かれ、すっかり勤務医として働くモチベーションが薄れてしまう


そんな先生たちも少なくないのではないだろうか。


先日、第一線の心臓外科医として頑張っていたはずの後輩が美容外科に転身した。

彼は子供の心臓の手術などたくさんの経験があり、薄くて先生な皮膚の縫合も慣れているだろうから、きっと審美的な領域でもやっていけるだろう、と思うが

こういった30代半ば後半の、絶頂期の医者の転身というのはなんとも複雑な気持ちではある。


心臓手術、特に前途ある小児の手術はやりがいも相当であると思うが、もちろんプレッシャーもすごい。
そんな中であえて、その道を選んだ彼は崇高な考えや、正義感も多分にあっただろうと思う。

燃え尽きてしまったのだろうか…。

そうなっても、仕方ないのが今の日本の医療だと思う。


ここから先は

2,979字

¥ 500

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?