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誤解された The rule of Mehrabian(マレービアン メラビアンの法則)
有名なメラビアンの法則の実験の実態をまとめておきます。
The rule of Mehrabian メラビアンの法則 マレービアンの法則
メラビアンの実験
メラビアンさんが行なった実験とは、こういうものです。 まず、「好意」「嫌悪」「中立」のニュアンスを表す言葉を3つずつ選ぶ。 それら9つの言葉を、それぞれ、「好意」「嫌悪」「中立」の声色で話者が テープレコーダーに録音。 「好意」「嫌悪」「中立」の表情をした顔写真を1枚ずつ用意。 で、ここから実験開始。 被験者は、ある写真を見せられながら、ある言葉を、ある声色で聞く。 そして、話者の感情をどう判断したかを調べる。 たとえば、怒った顔の写真を見せられ、歯軋りするような声で好意的な意味 の言葉を聞かされた時、被験者が話者の感情を「好意」と判断したら、表情や 声色よりも言葉のインパクトが強いと解釈されるというわけ。 うーん。なんとも、素朴な心理学実験ですねぇ。 しかも、選んだ言葉は、文章でもフレーズでもなく、なんと、ただの単語で した。 例えば、好意を表す言葉としては、「honey」「dear」「thanks」という具 合です。 初めから、言語の情報力を軽視したような実験でした。 こんな実験をしたら、言葉の意味よりも、視覚や聴覚の影響の方が圧倒的に 大きくなるのは当たり前。 言語によるインパクトが7%と極端に小さくなってしまっているのは、こう いう仕掛けだったんです。
日本人に同じ実験をした佐藤綾子さんの著書から紹介しよう。
「カリフォルニア大学の心理学者マレービアンは、たとえば「プリーズ」という中間的な単語を使った場合、同じ単語でも声の調子や顔の表情を変えると、相手に対して好感または反感のどちらかが強く伝わるという仮説を立て、実際に測定しました。
その結果が、好意の総計(トータルライキング)というものです。
アメリカ人の好意の総計=言語7パーセント+声などの周辺言語38パーセント+顔の表情55パーセント
私もまったく同じ手法を使い、「どうぞ」とか「どうも」というような中間的な言葉や、「すみません」といった、いろいろな解釈ができそうな言葉を使って1994年に実践女子大学の学生たちを被験者として実験しました。すなわち、日本人の好意の総計を求めたのです。結果は次の通りでした。
日本人の好意の総計=言語8パーセント+声などの周辺言語32パーセント+顔の表情60パーセント」(「成功する人の自己表現術」p32 ダイヤモンド社1996年刊)
この記述からもわかるように、この実験は好意・反感の伝わり具合を実験してるに過ぎない。
コミュニケーション全般については一切言及していないのだ。
実験で使ったのは「プリーズ」とか「どうも」という単語でしかないし、顔しか見ていない。
これで、態度やジェスチャーも重要です、という証拠にはなりようがない。
ましてや、言葉だけでは伝わりません、という説明はまったく見当はずれなことだ。
そもそも意味のあることを言っていないのだから。