コーヒー相場価格1年3か月ぶりの安値に
2021年4月頃より相場価格の高騰が始まったコーヒーが、ようやく下落の予兆を見せ始め、現在少しずつではありますが下落中です。しかしながら円安もあり、まだまだ価格はすぐには変わらないと思いますが、今後を予想していきたいと思います。
コーヒー相場推移
上記グラフはアラビカコーヒーの相場価格推移になります。
コーヒー取引価格が安定している時はだいたい110~130¢/lbほどで推移しているものですが、昨年4月からブラジル裏作の生産量減少見込によって少しずつ相場は上昇し、2021年7月にはブラジルで霜害が発生したため、コーヒー相場は大きく跳ね上がります。そこから約1年3か月の間非常に高値の状態でコーヒーは取引されることとなり、さらには昨今の円安も相まって過去に見ないほどの高価格となったコーヒーでしたが、2022年10月初旬より少しずつ下落が始まっています。
コーヒー相場下落の要因
これは毎年のことなのですが、4月~9月にかけてはコーヒー相場価格は少しずつ上がる傾向にあって、下がるケースはあまりないです。
というのもコーヒー相場価格を決める最大の要因である『ブラジルの生産量』がどうなるか?の期間であり、いろいろな不安要素ははらんでいるのです。4月からは実のつきかたや生育状況がどうかという出来高予測がはじまり、7月~8月にかけてはブラジルでの産地が冷え込んで霜が発生しないかという霜害懸念がはじまります。また9~10月にかけては今年の収穫量はどうだったのか!?という最終出来高報告数の発表と、来年度の生産量を決める降雨状況・・・などなど様々な不安要素があるため相場はあまり下がることがありません。
これらの不安要素が解消されたからといってすぐに相場下落につながるわけではありませんが、今回はブラジルでの良天候、主要産地のコロンビア・中米等での生育状況が良いというニュースから少しずつコーヒー相場は下がり始め、また世界的な不況から嗜好品にあたるコーヒーの使用量は減るのでは・・・?という懸念もあって、相場価格は月間で約22%も減少し、
10月28日は約1年3か月ぶりとなる167.55¢/lbという安値を付けました。
今後の予測
10月初旬より下落しはじめた相場価格は220¢/lbから170¢/lb近くまで下落しましたが、ICE認証在庫数(世界的な在庫の目安)は38万袋と非常に低水準であることからまだまだ世界的にコーヒーの在庫は不足している状況には変わりありません。しばらくは160~190¢/lbほどで推移するかなと考えていますが、非常に低水準である認証在庫数が再び注目されると再度高騰するかもしれません。
これだけ相場が下がったとしても、円安による原料高状況はまだまだ続きますし、相場が下がったといっても国内で流通するコーヒーにその価格が反映されるのは2,3か月先のことになると思います。