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英語学習をもっと楽しく!洋楽で口語スキルを磨きませんか?(7)

昨日ちょうど発音レッスンでWe Are The Worldが出てきたので、今日はこの曲を取り上げましょう。

ご存じのようにWe Are The Worldは1985年にクインシー・ジョーンズ、マイケル・ジャクソンを始め、アメリカの大物アーティスト45名が集結したアフリカの飢饉への支援を呼びかけるチャリティーソングです。

では、いつものように歌詞を見てみましょう。

●  We’re the world. (僕たちは一つの世界)

歌詞でWe're all a part of God's great big family.(私たちはすべて神のもと大家族の一員)と言っていることから、We’re the world.は「私たちは人類としての仲間」ということですが、実はworld = 「世界」だけじゃないんです。worldには「地球、世界、世間」などの意味のほかに もう一つ、恋人同士でよく使われる意味があります。例えば、

           You mean the world to me. 

これどういう意味だと思いますか? 実はthe worldには「大事な宝」の意味があるんです。「あなたは私にとって大事な宝を意味する」つまり「あなたはわたしにとってかけがえのない人」ということなんです。いい英語でしょ。ぜひこう言える人がいたらささやいてみてください。Oh,とため息をついて、顔を赤らめてくれるかも……….。

There comes a time when we heed a certain call
   (呼び掛けに耳を傾ける時が来ている)

time(時間)は漠然としていて途切れることなく続いている感覚で数えられません。そのため数えられる名詞につける冠詞のaがついたa timeとは言えないわけです。ところがtimeを「ある事が起こる時」と捉えると、数えられる名詞に変化します。つまりThere comes a timeは「そういう時がある、時期がある」ということです。英語は数えられるか・数えられないかにとんでもなくうるさい言語なんです。

英語が持つ「数えられる・数えられない」の感覚をつかむため次の違いを考えてみましょう。
            noise    VS    a noise
            paper           VS            a paper
                                           silence          VS            a silence 
                                           light              VS           a light
                                        fire              VS           a fire 
                                          work               VS          a work

前半は、数えられない名詞なので「いつからいつまで続くか不明、区切りのない感覚」、一方、後半は数えられる名詞で「始めと終わりの区切りがある、まとまった形があると認識」というとらえ方になります。あえて日本語にすると、
 
  noise (やかましさ、騒音)VS   a noise (物音、ガチャという音)
       paper (紙、紙の材料)  VS   a paper (新聞、論文)
  silence (静寂、静けさ)  VS   a silence (一瞬の沈黙)
  light(光、明るさ)             VS   a light (蛍光灯など特定の明かり)
     fire   (火、燃焼)      VS    a fire (火事、出火から鎮静まで)
       work (作業、仕事量)       VS   a work (特定の作品)

●  We're saving our own lives. (僕らが救おうとしているのは自分たちの命)

この歌詞のlivesはlife「命」の複数形です。lifeという単語は多様な意味を持っています。all through life「一生涯」のように「(個人の)生涯、一生」、Is there life on other planets?「他の惑星に生物はいますか」で使われる「生物」、はたまた「人生」「寿命」などなど。どれがふさわしいかは文脈で判断します。ここで、lifeを使った決まり文句をあげてみます。どんどん使ってみてください。
 
・I’m having the time of my life. 「今が人生最高のとき」
 映画「Dirty Dancing」のサウンドトラックでも使われていた。

・Life has its ups and downs. 「人生は山あり谷あり」
 人生にはいい時もあれば悪いときもある、と言いたい時に。

・That’s life. 「人生とはそんなもの」
 失敗や不幸な目に遭った時のセリフ。That’s the life.なら「これこそ人生」
 と何かいいことがあって満足した時に。

・You saved my life. 「ほんとうに助かります(ありがとう)」
  相手に何かしてもらい助かったときのお礼のことば。


●  Let's realize that a change can only come.
 
(心に留めよう、変化が起こせるのは)

New Yorker独特の発音に注目してみましょう。シンディー・ローパーさん担当のこの箇所(2:53~)のchangeの発音をよく聞いてみてください。「チェインジ」ではなくて、「チャインジ」と[ei]が[ai]になっています。これは彼女の出身地(ニューヨーク クィーンズ地区)の影響によるものだと推察されます。アメリカ人も出身地域によって方言があるんです。

そういえば、アメリカ北東部はバーモント出身の私の知人も、自分はニューイングランドなまりがあり、同じアメリカ人からかわれるのよと、言ってました。アメリカ英語は、大きく分けると中西部、南部、北部の3つの地域に方言が分けられます。中でも中西部が最も広い地域をカバーしていて、標準アメリカ英語(General American)とされています。テレビやラジオの英語もこの地域のものです。

ところでアクセントといえば、アクセントの専門家で女優のエイミー ウォーカーさんという人がいます。それぞれの地域のアクセントを見事を披露することでよく知られている人です。ご参考までに。 





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