英語学習をもっと楽しく!洋楽で口語スキルを磨きませんか?(13)
ここでは、私の好きなR&B系のアーティストで、ロックンロールの女王と称された米歌手をご紹介。そう、
ティナ・ターナーさん
です。
数あるヒット曲の中から、2000年にWembley Stadium, Londonで行われたあの伝説のコンサートから
The Best
ものすごい熱気です。パワーです。エナジーです。
その迫力に圧倒されます。いったい何人の観衆なんでしょうか。おそらく聴衆の歓声で本人は自分の歌声が聞き取りにくいのでは。
これだけの人の前に立つと、人は目が二つあるわけですから、人数X2の視線を感じているはず。ものすごい圧力のはずです。一般人なら足がすくんで頭が真っ白になるでしょう。
でもティナさんは、それを受け止めるだけのキャパを持っているということ。スーパースターの証です。
今回は次のサビの箇所をピックアップ。
・強調を表す副詞simply
simply=「単に」と覚えている人も多いでしょう。口語では「まさに、本当に」と強調したい時に使われます。
・恋愛くだけた表現の「ぞっこん」はI’m stuck on~で。
口語表現でI’m stuck on you.といえば、「君にぞっこん/メロメロ/惚れちゃった」ということ。stickを使っているので、相手に心情的にベターとくっついている感じ。ライオネル・リッチーさんのヒット曲にStuck on you.というのがありました。
・hang onはアメリカで大活躍
hang on はアメリカでよく耳にする表現。①ちょっと待って②しっかり掴まって、などはご存じの通り。で、ここは③「〔人の言うことを〕じっと聞く、一心に聞く」ということで後ろにevery wordが来るときはほぼこの意味で使われます。
・would rather「むしろ~したい」で意思表示
引き裂かれて(tear apart)て、会えなくなるくらいなら、むしろ死んでこの世にいない状態でいたいということ。なので形容詞deadを使っています。
I would rather be dead.は「むしろ死んだほうがまし」にあたる英文です。wouldを使っているのは今は実際は生きているので仮定法の感覚が働いているからです。ちなみに動詞のdieだと、生きてる状態から死んだ状態に変わるその動作になり、通常は過去形で後ろに「いつ」なのかを表す情報を伴います。My father died last year/at 75.のように。
さて、このコンサートを見た人のコメントからもいい表現を拾ってみましょうか。
・This concert will get your blood flowing.
「血液がドクドクと流れている状態にする」とは、コンサートを見て興奮した、感情が高ぶった、テンションが上がったなどの精神状態を表す比喩的なうまい言い方です。
・I have never seen a crowd so pumped up.
pump upは、アーノルド・シュワルツェネッガーの映画「Pumping iron」で一躍有名になった言葉で、ジムで筋トレして、筋肉が膨れ上がり体が大きくなる状態を言います。これがいろんな場面に転用されて使われるようになりました。ここは「こんなに盛り上がった観客は見たことがない」が近いかと。
・Tina was at her best, full of high energy and giving her fans 100%.
「ティナが全盛期でエネルギーに満ち溢れていて、ファンに向けて全力で歌っている」ということで、最後の「give+人+100%」は、「全力を出す」という口語ならではの言い方です。
・The fans - thousands of which filled London's Wembley Stadium - certainly got their money's worth.
「ロンドンウェンブリースタジアムを埋め尽くす何千というファンは、間違いなくお金の元は取れた」つまり、お金を払った分に見合うだけのコンサート内容だったということ。get one's money's worth「お金の価値がある」もいい表現です。
余談ですが、ティナさん、この時御年61歳。ものすごい色気です。3:45からのダンサーと一緒のダンスシーンをみてください。私のような少年にはセクシーすぎてクラクラします。いやー参りました。
You're simply the best! Tina.
ティナさんは、ご存じのように2023年に闘病の末に、スイス・チューリヒ近郊の自宅で亡くなりました。
R.I.P. Ms. Turner.
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