英語学習をもっと楽しく!洋楽で口語スキルを磨きませんか?(14)
今日は日本でも大人気の
ブルーノ・マーズさん
を取り上げます。
軽快なアップテンポの曲で、Billboard Hot 100チャート1位を14週連続記録した大ヒット曲である、
Uptown Funk
をチェックしてみます。曲全体は、パーティー気分で盛り上がって、楽しんじゃおうぜという曲です。
ノリノリでクビを左右に振ったり、足でビートを刻むなどして、英語の持つリズムをばっちり体感しましょう。
かなり手ごわい歌詞なので、最初の節のポイントとなる語句だけを解説してみます。
● This one for them hood girls (こいつは“フッド”の女の子たちに)
ヒップ・ホップ系の曲には、スラングや特定の集団でよく使われる表現が多数出てきます。hoodもneighborhood「近所」から発生したもので「近所、ストリート」のことです。学校では決して習わない単語です。日本語の「シマ、縄張り」に近いニュアンスです。低所得者地域を匂わすこともあります。なので会話で使うときは要注意。
● Got Chucks on with Saint Laurent
(サンローランの服とコンバースの靴を履いてる)
Chucksはバスケット選手のチャック・テイラー(Chuck Taylor)に由来する言い方で、靴ブランドの「コンバース」のことです。それと高級ブランドのSaint Laurent「サンローラン」の服を合わせているファッションを意味しています。これは、靴は誰でも買える普通のスニーカーだけど、着てるものはサンローランというhoodとuptownを対比させ、そこにカッコ良さを見出している表現です。
● I'm too hot.(ホット過ぎる俺)
hotには、口語で「魅力的な、かっこいい、いけてる」という意味があります。I’m too hot.は「オレってめちゃイケてる」ということです。
また、女性を指してShe’s hot.と言えば「彼女はとびっきりの美人、セクシーな女性」を意味します。他にhot newsなら「最新のニュース」ですし、Who’s the hottest fashion model in Japan?「日本で一番人気のあるファッションモデルは誰?」のようにthe hottestは「流行の先端を行く」という意味にもなります。
● I'm too hot (hot damn) (ホット過ぎる俺(やばいほどホット))
damnは、原義は「のろう」「破滅させる」といった意味があり、そこからスラングで日常的に使われています。罵り言葉の代表格でもあります。hot damnは驚いた時の「おお、わーお」に相当しOh, my God.に置き換えられます。damnを使った会話で頻繁に耳にするフレーズには以下のものがあります。
・Damn it ! (ちくしょう、くそったれ)
強いいらだちや失望を表す時。かなりきついので婉曲的にDarn it.と言う人も。
・I don’t give a damn.
「(そんなこと)知るもんか、知ったこっちゃない」
I don’t care.を強くした言い方。このa damnは名詞で「少しも」の意。
・Damn good(すっごくいいね)
意味を強調したい時に。damn good = very goodのこと。相手に同意するDamn right.(全く同感)もよく耳にします。
なおdamnは下品なスラングなので、英語学習者は聞いて分かるにとどめ、使用を避けたほうが賢明です。相手に不快感を与えるだけでなく、人格を疑われることもあるからです。いい子はマネしない。
● Girls hit your hallelujah(彼女たち、ハレルヤの声を上げて)
動詞hitには口語で「歌う、演奏する」という意味があって、Hit it!あるいはHit the music!で「演奏を始めて」という風に使います。hitは「狙いを定めてうまく当てる」というイメージで、そこから「打つ、たたく、当てる、(考えが)思いつく」へ、そしてスラングの「異性を口説く(on)、麻薬を打つ」などの意味も生まれました。hallelujahは「ハレルヤ(神を賛美し喜びを表す語)聖歌」のこと。
● 'Cause uptown funk gon' give it to you
(アップタウン・ファンクがそうさせるから)
ここで使われている'Cause はbecauseで、gon’はgoing toのことです。このように口語ではくだけると発音が簡略化されることが多々あります。
have got toのhaveが落ちてgotta(ガラ)になるのも同じケースです。I’ve got to go.「行かなくっちゃ」もI gotta go.(アイガラゴー)のようになります。
身近なところでは、カジュアルなあいさつの「やあ、元気?」にあたるWhat’s up?が、親しい者同士では、Tsup?(ッアップ)やSup?(サップ)のように、かなり短く発音されることもあります。
私のアメリカ留学時代、モーリスというテキサス出身のアフリカン・アメリカンの友人がいました。身長が2m近くの大学のバスケットボールチームの選手で普段着も試合に出るときのまま。いつも小脇にバスケットボールを抱えて、そのまま授業に出て、学食やキャンパスを歩いてました。
顔を合わせると決まってSup? Moto.(私のニックネーム)とあいさつしてくれましたが、なにせバリバリの「南部なまり+Black English」だったので、その後何を言ってるのかさっぱり理解できませんでした。私のルームメイト(NY出身)でさえ、モーリスの英語はわからない、と言っていたぐらいですから。
仕方ないのでJapanese smileをかまして、適当にあいづちを打ってあげていたものです。電光石火のごとく一方的にしゃべり終わると、その後はいつもすっきりした顔でモーリスは去って行ったのでした。
さて、せっかくですから、ここで歌の練習でもしましょうか。最近はYoutubeに歌い方のコンテンツがたくさん上がるようになりました。ノリのいい曲なので、参考にして歌えるようにしてみましょう。英語のリズムの訓練にもなります。
ただし、この曲はかなり上級レベル。少しヤンキーが入った感じで歌うといいですよ。なおfunkの発音には要注意。fuckになってしまう人が多いからです。ちゃんと語末のnkの鼻に抜ける音を出すように。ではGood luck!
この歌は左右対称のリズムがぴたりとはまるので、拍を取りやすく、
一般人によるFlash Mob(ゲリラ的パフォーマンス)にもよく使われています。
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