英語学習をもっと楽しく!洋楽で口語スキルを磨きませんか?(31)
今日は往年のディスコナンバーと言えば、
ボーイズ・タウン・ギャングさん
の誰もが一度は聞いたことがある曲、そうです
Can’t take my eyes off of you
邦題は「君の瞳に恋してる」で、数多くの歌手によってカバーされています。「美し過ぎる君。決して夢なんかじゃないことを祈るよ。もう君から目が離せない」という求愛の曲です。さっそくチェックしてみましょう。
では、歌詞で気になるところをピックアップ。
● You're just too good to be true(あなたって現実と思えないぐらい素敵)
このtoo good to be trueは直訳すると「真実にしては良すぎる」となり、ここでは「君ってあまりに魅力的過ぎて嘘みたいだ。この世のものとは思えない」という意味。
主語が人ではなくて、相手の発言を受けてThat’s too good to be true.と言えば「話が上手すぎる、出来すぎてる」ということで、眉唾物のあやしい話を聞いたときなどに言うセリフにもなります。
ちなみに形容詞のgoodですが、会話でよく使われるフレーズに以下があります。違いわかりますか?
You’re too good for me. vs You’re too good to me.
前者は、for meとforを使っていますね。forはI bought a present for her.のように「~のために」という「利益」を表す時によく使われます。そこから「あなたは、私のためにあまりにも親切にしてくれる人ね」→「あなたは私にはもったいない」と意味が拡張しました。告白されて断る、あるいはお付き合いを止めたいときの理由によく使われるんですよ。女子から男子に。こう言われたらショック!そう言えば、昔むかし初めてお付き合いした女子にこう言われて振られたことがあります。今ではいい青春の思い出です。はい。
一方、後者はto meとなっています。toは「対象に向いている」でした。つまり評価や判断の対象として「me=私」に対して、too good「あまりに優しい、寛大」ということで、「あなたは本当に私によくしてくれる人ね」になります。状況によっては「そんなによくしてくれなくてもいいのに」という意味にもなります。
たかがforとtoの違いですが、意味が大きく変わってしまいます。
● I can't take my eyes off of you (あなたから目が離せない)
offは面からの「分離」、しかも完全に離れた状態を表すイメージです。例えば、食事後で「テーブルの上を片づけて」を英語でClear the table.と言います。しかしClear off the table.ということも出来ます。offをつけると「分離」の部分が強調されて「邪魔なものを取り除く、取り去る」というニュアンスが感じられます。ではPay her off.は?これ「手切れ金を払って彼女と別れなさい」ってことなんです。offの持ち味が生かされてますね。
話を戻しましょう。take my eyes off of youで「君から目を完全に離す」となり、そこに否定のcan’tがあるので「君から目が離せない」「僕の瞳には君しか映らない」という意味になります。
ところでこの曲、I can't take my eyes off youとofがとれた形もよく目にします。意味的にはどちらも同じで、「ofがあるほうがきちんとした感じはあるけど」と私の知り合いのネィティヴたちは言います。実は、ofにも完全には切れていないものの「分離」の意味があって、offと似たような意味を持っています。そこで、だんだん省略されてきたと考えられます。もちろん発音するときのエネルギーや、言い易さなどからないほうが楽ですから。人間は元来怠け者なんです。
● the thought of you leaves me weak(あなたを思うと力が抜けてしまう)
こういう人間以外のものを主語にした英文は理解しにくいですね。モノが人に何らかの影響を与えるという感覚です。ここはthe thought of youが「あなたのことを考えると」ということで「leave + 人 + 形容詞」の形。「人を~の状態にする」という意味です。ここは「あなたのことを考えると無力になるんだ」という感じ。英語ではこういう無生物を主語にした表現もけっこう使われます。
では、Her marriage to my ex-husband left me speechless.は?「彼女と私の元夫との結婚に私は言葉を失った」「彼女が私の元夫と結婚すると聞いて唖然とした」ということです。現実こういうことたまに耳にします。わおー。
● don't bring me down,(がっかりさせないで)
bring downはbring「もたらす」とdown「下のほうへ」ということで、bring+人+downで「人をがっかりさせる、意気消沈させる」という意味があります。人間がっかりしたり、落ち込んだりすると自然に下を向いてしまいますね。ここはdon’tと否定語があるので「僕をがっかりさせないで」ということです。
もちろんdownにはマイナスのイメージばかりではなくCalm down「落ち着いて」のように、興奮して舞い上がっているようなときに、高ぶった気持ちを下げて「冷静になって」というような場合にも使われます。
というわけで、ボーイズ・タウン・ギャングさんのダンスバージョンもいいですが、私などは年齢のせいでしょうか、フランキー・ヴァリ(Frankie Valli)さんのオリジナルバージョンもしぶくて落ち着いていて好きです。ぜひ聞いてみてください。
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