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英語学習をもっと楽しく!洋楽で口語スキルを磨きませんか?(53)

今日は、ビリー・オーシャンさんです。

で、まさに今の時代を反映しているタイトルのヒット曲、

  When The Going Gets Tough, The Tough Get Going

を取り上げます。


この曲のタイトルですが、アメリカン・フットボールの監督Knute Rockne が初めて言い,それをJohn F. Kennedy の父親 Joseph P. Kennedy が1960年の息子の大統領就任に際して引用し知られるようになったのが起源だとか。

今日はいつものような曲の歌詞というより、このタイトルにフォーカスを当てましょう。

goやgetを巧みに使った見事な口語英語の香りのする表現です、奥深いことを表しています。どんな意味だと思いますか?まさに、今の世界情勢を暗示しているようなタイトルです。一つずつ見ていきましょう。

the going(状況)

goが名詞化してgoing(進んでいくこと、進展していること)と抽象化し、「事態」や「状況」になったと考えられます。困難な状況に遭遇する、あるいはしている時に使われることが多いので、場面によって「逆境」「戦況」といった意味ととることもできます。

get tough(厳しくなる)

「get+形容詞」の形で、「~の状態になる」ということです。


the tough(タフな人たち)

「the+形容詞」で人を表す言い方です。ですので複数形になります。ここは「強いやつら」「荒くれもの」といったニュアンス。


get going(動き出す)

「get+~ing」で「動き出す」ということ。getがあるので、働きかけが感じられ、さっと行動に移すニュアンスが。そのためI need to get going.なら「もう行かなきゃ」、Let’s get going.(さあ、行こう)という感じで日常会話では使われます。この歌の文脈では、「暗躍しだす」「力を持ち始める」といった意味になります。

これらをあわせると「状況が厳しくなると、強いものが動き出す」つまり「乱世は強いやつが力を発揮する」という意味かと。そして使用場面は、この「物事が困難なときに生き残れるのは心身ともにtoughなやつだ」という時と、「困難な状況に置かれても諦めるな」という時にも使われます。

まさにルールが通じない乱世の世の中では、高学歴のひ弱なエリートより、たたき上げの荒くれ者(self-made individuals)がのし上がっていく、と言うことを言い表した表現ですね。なお、これをもじった言い方が、アルカポネが暗躍した時代の非合法ビジネスを説明している映像で次のように使われていました。


    When the prohibition gets tough, the gangsters get going.
      
(禁止令が厳しい時ほど、ギャング連中が勢いづく)

これなんかは、ベースとなるWhen the going gets tough, the tough get goingを知らないとピンと来ませんが、知っていればすんなり理解できますね。また次の例のようにWhen the going gets tough の部分だけが使われることもあります。

  Come on! Don't give up on things when the going gets tough.
  (おいおい、困難な状況だからといってあきらめたらだめだよ)

英語の多読を奨励しているサイトでも、When the going gets tough, quit the book and pick up another.「(今読んでいる本が)困難な状況になったら、その本をやめて、別の本を手に取りましょう」なんてのがありました。

なお関連する表現としては、次のようなものもあります。

       We are living in the dog-eat-dog world. 
       
(我々は弱肉強食の世界に生きている)

In this dog-eat-dog world, today’s friends can be tomorrow’s enemies. 
      
(この弱肉強食の世の中、今日の友は明日の敵)


ところで、2024年はまさに乱世。

ロシアとウクライナの戦争に始まり、イスラエルのガザ侵攻からイランとの核戦争の恐怖、中国の台湾進攻の可能性、北朝鮮のミサイル挑発、相変わらず収まらないコロナウイルス、円安、インフレによる物価高、などなど上げだしたら切りがないです。

一体これから世界は、日本は、自分の生活はどうなるのだろうと誰もが不安を抱えて生きる時代。先行きが全く不透明、何が起こるかわからない、めまぐるしく情勢が変わる。私たちはまさにこんな時代に生きています。

こういう時こそ、今一度じっくり腰を落ち着けて、自分の存在価値や強みをちゃんと見つめなおす時期かと。自分と真摯に向き合うことですね。

さて、17日今週の日曜日に、いよいよ日本の民主主義を占う知事選挙が兵庫県で行われます。「悪人」対「善人」、「悪代官たち」対「水戸黄門」という二項対立の図式が出来上がっている感じです。

どうなることでしょう。I'm quite curious how it will turn out.

兵庫県民のメディアリテラシーが問われる大一番になりそうです。


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