英語学習をもっと楽しく!洋楽で口語スキルを磨きませんか?(34)
今日は80年代にそんなにメジャーじゃなかったけど、どういうわけか私の心に響いたイギリスの3人組のバンドをご紹介します。
ドリーム・アカデミー(Dream Academy)さん
です。ギター、キーボドそしてオーボエやサックス、アコーディオンなどの楽器を駆使して演奏する姿を見て、そのシンプルさに感動しました。中でも彼らのヒット曲、
Life in a Northern Town
イギリス北部に住む人たちの日常を描いた曲で、寒々とした風音とともにティンパニー音が一気に響き渡るイントロはクラシックを彷彿させ、当時の他のポップチャート曲とは一線を画していました。
なぜか、私、そこに惹かれたんです。
う~ん、どこか牧歌的でイギリスのザ・田舎(イギリスに行ったことがないですが….)を連想させる曲です。サビのところが印象的です。
この「ライフ・イン・ア・ノーザン・タウン」は、最初にイギリスでTop20ヒットとなり、のちにカナダ、アイルランド、そしてアメリカでも最高位7位と、Top10入りする大ヒットとなりました。きっと知っている人もいるかも。いたら嬉しいです。
今日は以下の歌詞を取り上げ、英語を解説したいと思います。
● Watched the water roll down the drain
(下水管に雨水が流れていくのを見ていた)
一般に「見る、聞く、感じる」などの知覚動詞は後ろに「目的語+動詞の原形 or 進行形」をとることが多いです。ここは「watch+the water+roll dwon」ですから前者ですね。もちろん「watch+the water+rolling dwon」とも言えるわけです。では違いは?
前者は動詞の原形ですから、完結のニュアンスがあり「最初から最後まで」を意味します。つまり「下水管に雨水が流れ落ちていく様子を最初から最後まで見る」ということです。一方、後者は進行形なので「途中、最中」ということがフォーカスされます。そのため、「下水管に雨水が流れ落ちていくところを見る」となり、その行為の途中に意識が向きます。他の例を見ると、
I saw Mark run around the The imperial palace.
「私はマークが皇居の周りを走るのを見た」→ 最初から終わりまで一部始終
I saw Mark running around the The imperial palace.
「私はマークが皇居の周りを走っているところを見た」→ 最中を目撃
こうなります。ただし、これはあくまでも理論上はこうということで、通常の会話ではそれほど意識せず、両者を区別なく使う人もいます。
あくまでも前後の文脈で決定されているようです。実際に、ネィティヴ・スピーカーに聞いてもどちらも同じと答える人も。ただよくよく考えるとそう言われて見れば、そうかもという感じです。
このあたり言葉は、数学のように常に「1+1=2」にはならず、柔軟性と恣意性をもっているentityなわけです。ちなみにこの歌詞のあるverseには、知覚動詞seeが使役動詞と同じように使われている以下の文が見られます。
You could see it written in his eyes.
(彼の目には、そう書いてあるのが見えたね)
これはYou could see (it is written in his eyes).という構造です。
「[彼の目にそれが書かれている]のを見ることができた」というわけです。
さて、ドリーム・アカデミー(Dream Academy)さんですが、なんと2016年に来日して新宿でひっそりとライブをやっていたんです。こういう小さい会場で粛々とやってるところが彼ららしくていいです。知ってれば行きたかったなー。