英語の疑問を解決!英語の「なぜ?」に迫る書籍
洋楽ばかりが続いたので、今日は英語の話でも。
英語を学んでいて「なぜなんだろう?」と思ったことはありませんか?
では、問題です。次の表現どう英語にしますか?
水が足りない!
な~んだ、こんなの簡単じゃないとお思いの方も多いでしょう。
We are short of water! あるいは We are running out of water!
もう少し出来る人は、We need water!
お見事です。
でもこうも言えるんです。
We want water!
なかなかwantは出てきませんね。
そこでこのwantの意味ってなんだろう、となるわけです。
そんなときに参考にしたいのが、以前紹介した「ビッグデータ英会話」の
著者である元獨協大学・大学院教授の阿部一先生が過去に出版した以下の3冊です。
いずれも語彙や文法を中心に、テストで点を取るための知識としての英語ではなく、コミュニケーションの道具として使うという観点から、英語の「なぜ?」に答えてくれる書籍です。例えば、先ほどの解答なら、
wantはもともと「不足する」という意味で、「不足する」結果「欲しい」という意味が必然的に生まれてきたのです。
(「なぜ」から始める実践英文法 pp.58-59)
つまり、大きく「不足している」、だから「必要だし、欲しい」という2つの意味が含まれているわけです。そして切迫感が一番強く出せます。そのため言葉を覚え始めた幼児が一番早く覚える単語の一つとも言われています。
ここから、ごたごたが続いていて「静かな生活」を必要としている人なら、
I want a quiet life!
と言うでしょう。(同p58)
今にでも早くそうしたい、もう耐えられないという焦燥感を持って「静かな生活が欲しい」ということがひしひしと伝わってきます。wantは欠乏感を表す単語だと理解できれば、深くニュアンスがわかります。
こんな風に「なるほど」と納得できる本です。
母語が確立した成人が外国語を使いこなせるようになるには、この認知的な「なるほど」感は大切です。「?」→「!」このEureka感を経験したとき、人は忘れずずっと覚えておくことができるんです。そしてもっと知りたいとなるわけです。これが「学び」の神髄かと。
どうしてそうなるのか、どんな意味づけがあるのかを頭できちんと納得、理解できたものは忘れませんから。
ちなみに「彼に髪の毛を切ってもらった」は次の2つの言い方があります。
I had him cut my hair. vs I got him to cut my hair.
この違いは何なのか?なぜgetにはtoが入るのか?
また実際の日常会話ではどちらが多く使われているのか?
こんな疑問にも答えてくれます。
お勧めです。