英語学習をもっと楽しく!洋楽で口語スキルを磨きませんか?(6)
台風の影響で大雨。外には出れそうもありません。こんな時は、家の中で心落ち着く曲がいいです。
そこでぴったりなのがこの曲。ロバータ・フラックさんの
Killing Me Softly With His Song
今でも語り継がれる名曲です。昭和世代の方には昔、ネスカフェのCMソングに起用された曲と言えばピンと来る人も。邦題は「やさしく歌って」です。
この曲1972年から50年以上を経た今でも、色々なアーティストによってカヴァーされています。やはり歴史に残るような人の心を揺さぶる名曲は、絵画と一緒で長い年月に耐えうるだけの何かを持っているのですね。では、早速聞いてみましょう。
タイトルにkillとあるので、物騒な曲だという印象を持つ人も。
ある女性がふとコンサートに出かけ、そこで見知らぬある若い男性シンガーの歌を耳に。悲しみや苦しみを経験して生きてきた彼女の人生をまるでよく知っているかのような歌詞とギター演奏に、知らず知らずに引き込まれていく、ってな内容ですね。
では今日はタイトルと歌詞の一部を拾ってみてましょう。
直訳すると「彼の歌で私を優しく殺す」となり、これまた何のこっちゃになってしまいますね。このkillは「~を悩殺する」の意かと。ただしkill softlyと副詞softlyとのコンビで使われているので、衝撃度を和らげてここでは「すっかり魅了する」というニュアンスに近いかと。
以前の記事でも動詞killについて触れました。
とにかく日常会話では動詞killは大活躍。
面白いギャグを連発する相手に向かって You’re killing me.
「あなたって超おかしいわね(= you’re making me laugh a lot)」
長時間歩いた後のMy legs are killing me.
「足がへとへとに疲れてる(= Mt legs are extremely tired.)」
頭痛がひどいという相手にThis medicine will kill the pain.
「この薬を飲めば痛みがなくなるよ」
という具合。
ここはas ifの後ろが動詞の過去形を使っているので、仮定法ですね。つまり実際には「知らない」「そこにいる」といった現実とは異なる想像的な状態を表現してるわけです。仮定法が使えると英語で言える表現の幅が格段に広がります。
動詞の過去形は「距離」を表します。
①時間的距離 → 過去時制
②現実からの距離 → 仮定法
③相手からの心理的距離 → 丁寧用法
の3つです。
ここは②ですね。実際はそうではないけど「あたかも~のように」ということです。ちなみに2文目のas if I wasn’t thereは、as if I weren’t thereが正式な言い方ですが、口語ではwasn’tがよく使われます。
中学校で習った過去形(過去の事実)というのは実は①だったわけです。
さてさて、やはりこの曲はギターソロとよく合います。
美しい森林と澄んだ空気に囲まれた、箱根のホテル「ハイアットレイジェンシー」にあるカフェで、コーヒーでも飲みながらまったりするにはぴったりですね。実は、実際にそれが起きたんです。That actually happened.
Such a great way to spend a quiet and peaceful time !
もし来日するようなことがあれば、ぜひロバータ・フラックさんのコンサートに行きたいです。If she ever comes to Japan, I would definitely like to go see Roberta Flack's concert.
おまけ;
この曲もかかってました。もちろんオリジナルもいいんですが、Pat Methenyさんのギターパフォーマンスも最高です!