
英語学習をもっと楽しく!洋楽で口語スキルを磨きませんか?(64)
今日はキラキラ輝く夕陽が海に沈んでいく光景を訪仏させるような、透き通るサウンドで有名なクリストファー・クロスさん。私の大のお気に入り。
数あるヒット曲の中から、デビューしていきなりグラミー賞5部門を独占したことで有名になったこの曲をとりあげます。
Arthur’s Theme
邦題は「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」。映画「アーサー」の主題歌として使われて大ヒットしましたね。ニューヨークと言えばこの曲を思い浮かべる人もきっと多いはず。では、彼のコンサート映像から。
昔ほどまでとはいかなくてもそこそこ声出てますね。
● Someone turns your heart around and
The next thing you know you’re closing down the town
(誰かがあなたの心を振り向かせ、気がつくとあなたは町を閉鎖している)
ここは具体的には、「誰かがあなたの心を変えるような影響を与えると、あっという間に状況が大きく変わってしまう」という意味かと。
誰かに恋をすると、感情に大きな変化が表れて、予想外の行動を取るようになることがあります。この歌詞は、そのような感情の揺れや影響力を表現しているかと。
次はサビのところです。
When you get caught
Between the moon and New York City
I know it's crazy, but it's true
If you get caught
Between the moon and New York City
The best that you can do
The best that you can do, is fall in love
● When you get caught
Between the moon and New York City
(月とニューヨークの間に挟まれて身動きがとれないとき)
「get+過去分詞」は、一般に望ましくないことや予定されていなかったことを言う時に使われる傾向にあります。get caughtなら「つかまる」、get firedなら「首になる」、get lostなら「迷子になる」、get kicked out「退学になる」などなど。
この歌詞「月とニューヨークシティの間に挟まれる」はどちらかというとこのタイプに当てはまるかと。つまり、予定していなかった恋する人に出会ってしまい、二つの進む道が目の前にあって、どちらにしたらいいのかの選択に迷い悩んで、結局やっぱり恋に落ちる方を選ぶことしかできない、という心境を歌ったものかと。幻想的で理想的な状況(月)と現実的で複雑な状況(ニューヨークシティ)、あるいはロマンチックな理想と現実的な状況の間で感じる葛藤や難しさを表しています。the moonとNew York Cityはメタファーとして使われていますね。ニューヨークシティは大都市であり、常に何かがガヤガヤ起きて複雑で厳しい現実の生活を象徴しています。
● The best that you can do
The best that you can do, is fall in love
(あなたにできる最善のことは、恋に落ちること)
この歌詞は、「人生において最善を尽くすために、最終的には愛に落ちることが一つの最良の選択だ」で、これは、人生や状況が困難であったりする中で、最も大切で意義深い行動は愛を見つけ、深く愛することだという意味です。愛することが最も素晴らしいこと、最善の選択であるというメッセージを伝えているかと。
さて私、何を隠そう昔からクリストファーサウンドの大ファン。ビルボード東京に毎年欠かさず聞きに行ってるくらいのdie-hard fanなんですよね。コロナでいったん途切れましたが、一番最後に見に行った時は、最前列の席で、もう距離にして数メートルのところ。彼が弾くギターの手の動きがはっきりとよく見えました。もちろん顔の表情もばっちり。きっと、「あっ、あの人また来てるな」とクリスさんが私を見て思ったかもしれません。意外とアーティストは聴衆をよく見てますから。
彼の他のヒット曲にはギターサウンドが何とも言えないSailingという曲があります。ここに、まさに私が実際にコンサートで見たものと同じバージョンがあります。かっこいいピアノの前奏があって曲に入っていくというスタイルです。しびれます。今日のような心地いい晴れたSunday morningにはピッタリかと。