「1万時間の法則」とは?英語運用力獲得の真実
今日は、昨日の記事とのからみから。
「1万時間の法則」って聞いたことありますか?
これはマルコム・グラッドウェルというジャーナリストが著書『Outliers』(『天才!成功する人々の法則』)で明らかにした成功法則で、
「どんな分野でもプロレベルに達するには1万時間の練習や訓練が必要」
というもの。
この本のChapter 2に「The 10,000-Hout Rule」というのがあり、その中にこういうのがあります。
Berlin’s elite Academy of Musicという音楽学校に通うバイオリン奏者の学生を以下の3つのグループに分類。
· 世界的な演奏者になれそうなグループ
· 単に"good"という評価にとどまるグループ
· プロになれる可能性はなく、学校の音楽教師にとどまるグループ
全てのグループに、同じ質問をしました。「これまでのキャリアにおいて、最初にバイオリンを習い始めて、どれくらい練習に時間を費やしましたか?(Over the course of the entire career, ever since you first picked up the violin, how many hours have you practiced?)」
調査の結果、どのグループもおおむね同じ年齢である5歳からバイオリンを始め、最初の数年は週2,3時間程度と同じだったが、8歳あたりを境にその差が出てきたというのです。
また調査は、プロとアマチュアのピアニストに対しても行われ、同様にプロは20歳までに1万時間の練習・訓練を行なっていることがわかったと。これらから、マルコムは以下の法則を導き出したというものです。
例えば1日に3時間費やしたとするとすれば、1万時間に必要な日数は3,333日。つまり9年と3か月。土日祝日や休暇をはずすと年間およそ220日なのでおよそ15年程度。
1日に6時間なら必要な日数は1,667日。つまり4年と6か月。土日祝日や休暇をはずすと7年6か月程度。
この1万時間と言う数字には、統計の取り方や他の要因との関係から賛否両論あるものの何かをものにするには「量」が大切であることには誰もが納得すると思います。
特に外国語として英語を学んでいる日本人にとっては一定の「接触量」は不可欠です。成功した学習者にすべて共通している要因と言ってもいいでしょう。あの英語名人Mr. DJ小林克也氏も高校生の終わりまでにおよそ10,220時間の英語との接触があったとされています(『小林克也 英語がひらいた道』玄光社)。
そしてさらに言うなら、よい指導者から良質の指導を受ける。
「量」と「質」。この両者があれば、かなり成功する確度はあがるかと。
英語がなかなか上達しないとお悩みの諸氏は、この点を見直すことをお勧めします。
「1万時間の法則」に関して、東洋経済Onlineに学校の校長先生による教育という観点からの興味深い記事が掲載されています。お子さんをお持ちのご父兄には参考になると思いますよ。