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英語学習をもっと楽しく!洋楽で口語スキルを磨きませんか?(42)

今日は、昨日の記事でもちょっと触れた80年代から90年代にかけて大人気だったR&Bヴォーカル・グループの

         ボーイズ・II・メン

さんのEnd of The Roadを引き続き取り上げます。

私がアメリカにちょくちょく出ていた時期ですが、ほんと彼らの曲があちこちでかかってました。業界を独占していた感じ。デビュー直前は5人組でしたが、その後4人にそして今は3人です。

特にこの曲は、13週にわたって全米No.1を獲得、30年たった今でもラジオなどでかかっている名曲ですね。聞けば「あっ、あの曲ね」と思い出す人も多いかと。

メロディー的にはスローで甘い感じで素敵ですね。で、中身はというと、これが黙って自分のもとを離れて行ってしまった恋人への未練たっぷりの歌なんですよね。

サビの2文について。

we've come to the end of the road
(もうにっちもさっちもいかないところまで来てしまった)

ここは昨日の記事で解説しましたので、省略します。

● You belong to me (君は僕のもの)
belog toは学校では「~に所属している」と習いました。そこで人に使うと「だれだれのもの」つまりYou belong to me.で「君はぼくのもの」という所有意識(a sense of ownership)が前面に出ます。前置詞toは到達を表すので、しっかりくっついている感覚です。言い方によっては、上から目線で「いつもそばにいろ」と支配感がでるので、昔ならともかく今の時代ではこの言い方を嫌う人も。

そこでYou belong with me.といういい方もあるのです。withは同伴を表すので横に平等に並んでいる感じ。つまり対等の関係で「君は僕と一緒にいるべきだよ("SHOULD" be with you. but it is not a must.)」となり、より柔らかく意見(a sense of opinion)に近くなります。こっちの方が今の時代にあってますね。

他に歌詞の中で気になった以下の2文をピックアップ。

● You've never been there before.
これは直訳すると「あなたは以前そこへ行ったことがない」。で、なんのこっちゃと。

thereは、前後の状況でいろいろ解釈できる奥深い単語であると同時に、ズバリ言わずに遠回しにほのめかすこともできる便利な単語でもあります。I've been there.という定型表現のthereも「あなたと同じ状況にいたことがある」→「私も同じような経験をしたことがあるから気持ちわかるよ」という意味になります。

で、この歌詞のthereは?いろいろ解釈はあるでしょうが、おそらく、おそらくですよ、これHなことじゃないかと。つまりこのthereは「性的な絶頂」のことではないかと。まだそれを経験したことがない。戻ってきてくれれば「俺が味わせてあげるから」と見えを切っているのではないか。だから頼むから戻ってきてちょと。

とまー、前後の流れからこうじゃないかんと推察いたしました。以前記事に書いたドージャ・キャットさんでこの手の歌詞をやっていたせいで、思考がすぐそっちの方へいってしまいます。失敬。でも、男女の恋愛ものはこういうの多いんですよ。ふぅ~。


● Will you love me again like you loved me before?
 
(以前のようにもう一度僕を愛してくれないかい?)

さて、Will you~ですが、昔は丁寧に「依頼」するときに使う表現と学校で習いました。ところが最近は、これは「指示・命令」に相当するので、人に丁寧にものを頼みたい時は使わない方がベターと、参考書や英語関係の本ではどれも言及するようになりました。

確かに語用論的にはそういう面の方が多いです。ただ、相手や状況によるんです。家族や恋人などのよほど親しい間柄、職務上上司が部下にそうすることが当たり前、そうすることが仕事の上で当然という時は、「依頼」の意味で使えます。でも「指示・命令」には変わりないので、そういった感覚は多少はつきまといます。そこでWill you please~?のようにpleaseをつけて、ワンクッション柔らかく響くように調整しているわけです。ただしこれでも、決して丁寧になるわけではないので誤解のないように。

さてさて、最後にボーイズ・II・メンさんといえば、アカペラですね。ここに素敵な動画があります。BBC Newsにゲスト出演した時のものです。
JourneyのOpen Armsカバー(2:11~)をアカペラでやってくれます。
Enjoy it!


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